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深掘り
深掘りとは、、、営業戦略等で良く聞く言葉だが、なかなか具体的に掌握している管理者が少なく、単に言葉だけが独り歩きしていると思われる。
例えば、こういう逸話があります。地面に穴を掘る際に、深さ10㎝の穴と10mの穴を堀るとします。10㎝となるとごく浅い穴なので、穴を広範囲に掘る必要もなく、小さなスコップでも十分でしょう。では、10mの場合はどうでしょうか。広範囲の周辺も掘っていかなければ、掘った土を取り出すことも難しいでしょうし、そもそもスコップでは無理でしょうし、崩れることも予想すると掘る円周というのは、おのずと大きくなるでしょう。

深掘りするという事は、単に浅い知識やスキルでは難しいという事です。顧客の潜在意識にまで届くような深掘りを起こすのであれば、まずは相応の信頼関係が構築できているか、信頼関係の構築までに、どんな資料などを使用したか、何回の打ち合わせを含め対面することがあったか、他にもマーケティング理論に基づく攻略が適切であったかなど、関連するスキルや熱意を持ち合わせていないと、深いところまではたどり着けないでしょう。

また、仮に深掘りできたからと言って、顧客の信頼を勝ち取ることとは別物です。世の中で大ヒットしている商品は、本当に一番すばらしい商品でしょうか。必ずしもそうではありませんね。もちろん好みや嗜好の違いはあれど、原則論として一番売り方が上手い(優れている)商品が売れているからです。

だからこそ、キチンとした目的に応じた戦略立案に伴うマーケティング理論が重要な位置づけにあり、戦術論や戦闘論が成り立つのである。

ITが無い時代には新聞購読の「折り込みチラシ」が集客としては大きな効果があった。私も配布担当をしている上司から引継ぎ、数年間に渡り、これらの戦略を練り実行することがあったが、限られた紙面の中でキャッチコピーや商品校正等を作成しなければならない。そして確実にお客様の手元に届き、目にしてもらって購買意欲を掻き立てなければならないのである。しかも業界自体が産業として成立していない最中である。まさに現代で言われる「スタートアップ」であり、いわゆるベンチャー戦略であった。しかしながら、社会の創造と変革に値する単独でユニコーン企業を目指すことはなく、全国にノウハウを共有しながら産業自体を早期に押し上げるという戦略に舵を取ったオーナーには脱帽するばかりだった。しかもいち早くITからなるDX時代の到来を予見し、全社員でPC(当時はWindowsがまだ無くマッキントッシュPC)を駆使して、ピラミッド組織ではあるものの、文鎮型の戦術構想を持った最先端型の営業戦略である。企業としてはNTTのISDN回線も全国で初めて採用することで、パンフレットも何もない状態でNTT担当者も良く理解できず、みんなで徹夜をしてアップルトーク回線と合わせて立ち上げたものです。

当時の回廊は別にして、ITの登場により限られた紙面からホームページという無限の広告に代わっていったわけだが、マーケティング理論としては世代やターゲット、ブランディング、携帯電話の普及(のちにスマホ)など、時々の社会情勢や経済情勢において目まぐるしく変遷を辿って現代に至るわけだが、営業戦略においては「基本」を徹底しながらも商品を「販売」するという事は変わらないのである。つまり、世の中にはすばらしいけれど、売れていない商品があふれているということです。そして廃業に追い込まれたり、人目につかない商品も星の数ほどあるということです。

ではなぜ、売り方の戦略と売る力を持っている人材が少ないのでしょうか。たとえ揺るぎないブランディングが築けたとしても、人が介入しない売り方があったとしても、マーケティング戦略は必要です。適格な売り方であり、適切な見せ方や販売手法というのは、普遍の法則を持っているのです。

今やIT時代であることから容易にビジネス用語を「検索」することができますが、単に「深掘り」と言って言葉を学ぶだけではダメです。実践に基づいた行動が必要です。しかも戦略、戦術に基づいた行わなければ意味の無い手法です。

これらのビジネス用語の知識が10あったとして実践経験が0と、知識は5かも知れないが1の実践経験があるのでは、後者の方が絶対的に信頼できるであろう。ハッキリ言っておこう、信頼関係の構築無くして「深掘り」はできないだろう。もし勘違いしているなら、今からでも学ぶべきである。それだけじゃないかも知れない。飲食店などは、どんなに美味しい料理だとしても流行るとは限らないし、行列ができるとは限らない。店内での上司や責任者とスタッフとのやりとり(𠮟責など)や、トイレの汚さなどはご法度でしょう。最近では町中華のお店が流行っている。メディアもこぞって紹介しているが、そこに通っているお客様は、値段よりもヒューマニズムを優先している。TVの視聴率を稼いでいる「オモウマい店」の主旨も「ヒューマングルメンタリー」となっている。そこに気付かない営業や、お客様は、どこで販売しても買い物してもダメだと思うけど。環境や雰囲気も、顧客を呼ぶことを理解していなければならない。つまり客層もしかりだわね。

課題提起、問題発見・問題解決、創造的なアイデア発想、ブランディング、説得力のある戦略ロジックなどの組み立て方、そして「コミュニケーション」など、様々な仕事のパフォーマンスを飛躍的に高めるものは「基本」の在り方であり、この「基本」を大事にしているかどうか。

現代ではキーワードさえ入力すれば、瞬時に最もな答えらしい情報が探せる時代である。大英図書館の貴重な蔵所だって、内容によりけりにしても容易に調べることができる時代である。
しかも、売る側も買う側の双方含め、誰でもできるのである。老若男女問わず誰でも容易に情報が取得できる時代にあり、なにか新しい価値を瞬時に生み出すことができるのか?強みを活かすことができないままでは、たいした差別化にはならないでしょう。だからこそ「基本」の在り方をブラッシュアップする「進化論」が求められるのである。

本質的な問い方ができているだろうか。筆者は「本質」にこだわって問いただしていることを重要視している。目的思考の根幹は「本質」であり、見えていないのであれば仮設をたててまでも問い伏せているのである。答えは「シンプル」であるということ、そして多面的な問い方であるということ。

ビジネスマンでなくても「5W1H」くらいは聞いたことがあるでしょう。「時間という過程軸」(私がいつも言っている「トキ」)。そしてハードル的に言えば「時期」や「タイミング」と言っても良いでしょう。「なぜ今なのか?」がわかりやすいかも知れない。そして「空間」という「場所の軸」、「人間関係という軸」。そして何よりも重要なのが「目的」「理由という軸」、英語と日本語の縦列と言えばわかりやすいかも知れない。「なぜならば」という言語の意味、英語は答えから先に述べるのである「Because」。そして「なぜならば」という「なにを」(仮定では「商品」としましょうか)という「内容の軸」、最後に、その「手段」を見極める「程度の軸」ということで成り立っているのが理解できるであろうか。

これらが当てはまるように、常に問いかけるように「視野」を広げているだろうか。抽象的な事項から具体的な事項へ。その逆もしかり、本質にせまるには「深掘り」する思考の大切さ、深掘りできるスキルを育てるマネジメントができているかどうか、リーダーシップを発揮できているだろうか。

商品によっては「価格」も大事な要素であり「How much」 や「 How many」 も入って、5W2hという見方もできるでしょう。要するに「情報ポイント」の「整理」が出来ているかどうかである。「話した感覚が良い」や「フィーリング」が良いだけでは、顧客の見極めどころか、継続的な売上に直結しないばかりか、再現性はかなり低く、ノウハウとして繋がりにくいと思われます。育たない育成の繰り返しだけでしょう。

ビジネス用語の単語を覚えるだけでは、いざという時に間違ったトンチンカンな回答をし兼ねないので、無理に「できる感」を出してフレームワークを多用すると、論点がずれて伝えたいことが断片化してしまうので、結局は何を言いたいのかわかりづらくなってしまいます。社内の会議や上司の前なら、後で指導や指摘をもらうことで解決するだろうが、お客様の前では、結局、「この人は何を言いたいのか」、「何を伝えようとしているのか」、と疑問や不信感を持ったままでは、継続的なアポイントには繋がらいでしょう。ようするに断られているのである。これが初対面時など、元も何ともないことである。しかも本人からすれば、良い顧客では無いと勝手に片付けてしまっているから始末が悪い。良質なお客様は、ランクアップのお客様は、ターゲット層を上げるのであれば、これらの対応ができる教育を施す必要がある。

「情報」は常に進化しているので、販売側もキチンと戦略を持って、取り組まなければならないのである。本質を必要とする「マーケティング動線(戦略)は、「質」も「量」も高めることができるのである」