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元手がなくても売り物になる資源

私たちは何も持ってないようでいて、実はたくさんの資産を持っている。資産というのは貯蓄とか有価証券とか不動産のことだけを指すのではない。

SNSは個人をエンパワーメントしているといわれるが、それは言い換えると「今まで目を向けられていなかった個々人が持つものに価値を付与した」ということだ。

認知

世の中に溢れている広告マネタイズビジネスの凄いところは、「お金がない人でも、自分の認知を切り売りしてサービスを受けられる」道を切り開いたところだ。

人間が24時間の中で認識できる情報量には限りがある。その認識の椅子取りゲームにおたくの会社を入れる代わりに、サービスをください、というわけだ。

投票権

日本国民であれば1人1票の投票権がある。これも政治家にとっては喉から手が出るほど欲しいものだ。

個人情報

個人情報も多くの会社が欲しがる貴重な資産である。消費者の1人として分析する、採用可否の参考にする、目的の人と繋がるための紹介依頼など、用途は幅広い。

今日もどこかで、個人情報を渡す代わりに500円の割引クーポンを人は手にしているはずである。

口コミ

趣味でグルメの感想を書き続けて、いつのまにか影響力を持った人は世の中に意外といる。口コミを発信するのも、サービスの利用料金以外には元手のいらないものだ。

時間

時間だって、私たち全員に平等に割り振られた資産だ。時間を切り売りするのが労働力だとするなら、まさに価値の源泉である。

若くて何者でもない人間には時間がある。頭をフル回転して行動し続ければ必ず道は開ける。

資産をきちんと生かすために必要なこと

ここまで書いておいてなんだが、人間は「はい、考えてください」と言われて考えられるほど便利な脳みそをしていないことが最近になってわかってきた。適切なきっかけが与えられないと頭が回らない生き物である。

「こんな観点で何か意見はありますか?」と言われた時は何も出なかったのに、実例が発生した途端に猛烈に意見を言い出すなんてことは日常茶飯事だ。

読んだ本の一節とか、他人との会話での何気ない一言とか、他人が何かをやっている様子をじっと観察することとか、そんなちょっとした一つ一つの出来事が琴線に触れた瞬間、人々の思考は新しい地平へ飛躍する。

「人々が思考を始めるきっかけ作り」まで設計しないと、成果を出すことはできない。だからこそ、他人に「ここから先を考えてください」と委ねるときの言葉選びが大事で、相手の立場で「どんな言葉を投げかけたら思考を始めてくれるのか」を想像しないといけない。

資源の発見と、活用方法の発見。この二つが揃ってはじめて人はイキイキと輝き出すのだ。

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