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復讐に捧げる華はない

日本に時代劇がある様に、アメリカには西部劇が存在する。
要するにどちらも古典劇といえばそれまでだが、歴史的教訓という言葉が示す通り、古典には学ぶ事柄が豊富に詰まっている。

特に西部劇の番外編、または進化系と呼ぶべきか、マカロニ・ウエスタンというジャンルは今となっては古典になぞられるのだろうが、1970年代は新風に属するジャンルだった。
因みにアメリカではスパゲッティ・ウエスタンというらしい。

で、マカロニ・ウエスタンを代表する監督といえば、セルジオ・レオーネ。
俳優であれば、クリント・イーストウッド、バート・レイノルズ、ジュリアーノ・ジェンマ、フランコ・ネロが代表格なのだろう。
そこで今回紹介する作品はかなり変化球だ。
邦題「悪党に粛清を」原題は「The Salvation」である。

変わり種と呼べる根拠は、デンマークからの移民が主人公なのだ。
だが舞台はアメリカだ。
しかも主演はデンマークの至宝と称されるマッツ・ミケルセンである!

きゃっ☆

マッツ・ミケルセンといえば、悪役をやらせると主役級の配役を食ってしまうほど恐ろしい怪優でもある。
更に共演にエヴァ・グリーン女史が!
この二人といえば、ご存知の方も沢山居られるだろう、007シリーズ「カジノロワイヤル」で共演した仲だ。
更に更に、脇を固めるのがジェフリー・ディーン・モーガン、ジョナサン・サプライスと豪華俳優陣だ!

わーお!

あらすじを簡単に説明すると、ジョンを演じるマッツ・ミケルセンは兄のピーターと共に、祖国デンマークに家族を残しアメリカへ渡った。
7年後にジョンは祖国に残した妻と息子をアメリカへ呼び出す。
三人は駅馬車でジョンとピーターが住む家に向かうのだが、道中を共にする二人組の男をジョンはきな臭く感じていた。
間もなくジョンの直感が的中する。
狭い馬車の車内で妻と息子が襲われる。
ジョンは追い出される様に馬車から下ろされ、その後を必死にジョンは追う。

すると、離れた場所で息子が無惨な姿で捨てられていた。
ジョンは息子を抱き抱えながら馬車の元へと進む。

馬車が見えた地点で御者の遺体を発見するジョンは、遺体の近くの銃を抱え止まっている馬車へと向かう。

馬車の中から二人組の一人を確認したジョンは迷う事なく銃を放つ。
その音を聞いたもう一人の男が逃げ去ろうとした時、ここでもジョンは銃弾を空に響き渡るほど放つ。

結果的に妻は亡くなっていた。
急な展開に耐えられないジョンだったが、二人を抱き抱えつつ家路に向かう。

復讐劇はここまでのはずが、物語は急展開する。
馬車の二人組の一人は街を牛耳るデラルーの弟だったのだ。
デラルーの弟は刑務所から出所したばかりで、不運な事に馬車に乗り込んだのだ。

細かい説明を知らないデラルーは復讐に燃える。
先ず神父である警官のマリックと葬儀屋で町長のキーンに、弟を殺害した者をすぐに見つけ出せと注文する。
もし見つからない場合は、町人の二人を殺害すると脅すのだ。

二人は老女と足の不自由な男を生け贄としてデラルーに差し出すが、弱った人間を二人殺しても気が収まらなかったデラルーは二人を銃で殺した後、関係のない男性を殺してしまう。


更にデラルーの復讐心は燃え続ける。
そこでさらなる注文が入る。
マリックとキーンに対し、用心棒代として二倍の額を請求する。
その場に居合わせたキーンは戸惑うも、力づくではデラルーに敵わないと知ったキーンとマリックは渋々受け入れる事となる。

物語が進むに連れ、この街に住むジョンとピーターが疑われる。
恐怖に怯えた町人たちは一刻も早く平和が訪れる様にと、ジョンを生け贄としてデラルーに差し出す。

不条理な理由で囚われたジョンを思い、兄のピーターは弟を救い出す。
しかし、デラルーの手下に追われたピーターは弱り果てたジョンを人目につかない場所に隠しつつ、自らが犠牲となる。

正気を取り戻したジョンはピーターが手下の馬に引きずられる光景を見てデラルー以上に復讐を誓う。

ジョンとは逆の立場でデラルーの弟の妻であるマデリンもやり場のない怒りが灯る。
しかも亡き弟を尻目にデラルーは過去に先住民に舌を切られて以降、言葉が発せられないマデリンに対し奴隷として扱うのだ。

ここまで話し終えると復讐劇が爆発するのではと、皆様の心臓がバクバク!状態なのは想像できますよ。
それ以上にこの作品は根深い復讐劇が交差します!

後は予告編を観て想像し、本編を観て頂けると非常に嬉しいー! by 財津一郎です♪

今までの西部劇とは一味も違う演出が実に見事であると確信を得るでしょう☆

そんな感じでバイなら♪

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