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さまざまな家族のありかた

家族といってもさまざまなかたちがあり、あらゆるすがたが存在する。
例えばボキの家庭は子供がいないため二人家族である。
数が多いとか少ないに限らず共に暮らしているということで家族となる。

自立する前は父親を除いた4人家族であった。
実は実話でボキが小学生3年生の頃に両親は離婚をしている。
離婚の原因は定かではないが、今となっては大人の事情なのだろうと理解している。
まぁ、与太話はこの辺にしておくとして、本題に移ろう。

こういったことを考えると一つの映画を思い出す。
邦題「イカとクジラ」である。

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舞台は1986年のアメリカのブルックリン。
父親のバーナードは作家として活躍していたのだが、スランプが続き低迷気味だ。
母親のジョーンは新進作家として期待され売れっ子となっている。

バーナード自身は前衛的思考が強いと思っているが、実のところ保守的な性格だ。
どちらかというとジョーンの方が前衛的思考が強く私生活も実生活に縛られない強い意志がある。

この二人の間にウォルトとフランクという息子たちがいる。
ウォルトは父親であるバーナードが勧める文学を好み、同時にバーナードを敬愛していた。
一方のフランクはウォルトと違い、既成概念にとらわれることを嫌う性格だ。
そういったこともあり母親を敬愛していた。

二人の息子たちには仲の良い両親として映っていたが、実のところバーナードとジョーンの心は複雑な状態だった。
その理由に隠された内容とは、ジョーンはバーナードに比べ社交的であった。
そういった背景とは関係ないのだが、ジョーンは恋多き女性だったようで浮気性であった。
彼女の性格を理解していたバーナードではあったが、以前にジョーンの浮気現場を目撃したことがきっかけとなり、いつしか二人の絆に亀裂が走る。

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突如、バーナードから二人の息子に家族会議をすると告げられる。
滅多に家族会議をしなかったので二人の息子たちは即座に「離婚」という言葉が頭を駆け巡る。

不幸なことに二人の息子たちが思った事が的中する。
その後、二人の息子たちは交互に父親と母親の家を転々とする。

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離婚という問題は両親からすれば紙面的なことを済ませ、事務的なことを終えれば問題解決となるのだろうが、間に挟まれた子供にしてみれば両親が考える以上に複雑で整理不可能な課題を与えられたようなものだ。

冒頭で告げたように、ボキも両親が離婚して非常に悩まされた時期を経験している。
だからといって自身を犠牲者だとは思っていない。
元々お馬鹿さんだったのだろうか、または他人に対し希薄な感情のおかげだったのか、他の人々と比べ違った経験をできたことはラッキーと思い込んでいた。
そのため、周囲から「かわいそう」だとか、「大変ねぇ」などと言われると正直何が哀れなのか理解できなかった。
特にボキは長男ということもあり、妹や弟の手本となり一歩先を行き父親の代役として面倒を見なくてはといった責任感を意識した。
なので、ちっとも可哀想でも大変でもなかったのだ。

やや脱線してしまったが、この物語では二人の息子たちが複雑に感情を抑えていた。
長男のウォルトは自作で作った曲を披露すると周囲から絶賛される。

後に自作と称していた楽曲は盗作だとバレる。

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母親のジョーンは息子を誇りに思うのだが、ウォルトは父親を支持していたこともあり母親を軽蔑していた。
やはり父親から聞いた母親の浮気性を聞いてからだろう。
多感な時期ゆえに経験していない部分に疑問を感じやすいだのろう。

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一方のフランクは父親より母親と多くの時間を過ごしたいと思っていた。
ウォルト以上に繊細だったのか、アダルト雑誌の切り抜きを常に持ち歩き、図書館で多くの人々が勉学に執している場で切り抜きを見ながら自慰をする。
更に悪いことに自慰で処理したものを書籍になすりつける。

恐らくもっと自分を見て欲しい、かまって欲しいといった願望の表れなのだろう。
まだウォルトに比べると幼かったこともあり仕方ないといえる。
だがウォルトは思春期にありがちな強がりはするものの、実のところ愛情に飢えていたのだ。

この作品の「イカとクジラ」というネーミングについてだが、幼い頃のウォルトをジョーンは自然史博物館へ連れて行くと、イカとクジラが格闘している大きな模型を指しながら、面白おかしく説明する姿を理解できないウォルトは怖がっていた。
母親とは距離を置くものの、ウォルトには父親より母親と行った自然史博物館での記憶が脳裏に色濃く残っていたのだ。

こういったことを背景に、深海で死闘を繰り広げるマッコウクジラと大王イカが戦う姿を皮肉に描き、男と女が「離婚」で争う姿を滑稽になぞるところを暗喩としてこの作品を描いているようだ。

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ボキは離婚を経験をしていないが、この作品の核心にある「増悪」または「不公平」といった感情が大人には理解し難い子供の感情が浮き彫りにしているのかだろうと思った。
あくまで私見でしか無いが。

それにしても、長男のウォルトを演じたジェシー・アイゼンバーグが少し若い♪
相変わらず猫背で良い演技をしていたよん☆

わーお!

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