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夏休みの音色よ響け

 子供を通わせている教室に、会社員時代の同僚の子供も一緒に通っていることがわかった。

 迎えに行く時間に、教室の前で少し立ち話をすることがある。彼らは共働きで、夏休みになったのに子供に夏休みらしいことをまるでさせていないとこぼしていた。

 私は夏休みらしいことばかりしている。しかしそのことは誇れることではない。何かしらネタを作らないことには、退屈で時間が過ぎるのが長すぎて、放っておくと子供らは暑さで自然発火(喧嘩)するからだ。

 工作が好きだという子供の同級生に感化されて、工作の本を図書館で借りてきた。小学生低学年には少し大がかりだが、缶と角材を使って三線が作れるという。

 そんなわけで、お買い物マラソン中の楽天で弦などを買い込み、工作の準備をしている。


 缶を使った三線は子供用の工作だとなめていたが、実際に第二次世界大戦後の沖縄で作られ、親しまれていたらしい。

 戦争で荒廃した沖縄には、三線も三線の材料もなかったが、それでも人々はありあわせのものを使って三線を作った。音楽を楽しみ、また音楽で亡き人々を悼むことは、抑えても湧き出てくる人間の営為なのであろう。缶の三線にはカンカラ三線という名前までついていて、私が弦を買った店ではカンカラ三線工作セットも売っていた。


 もうすぐ終戦記念日。新しく私が作る三線の音色は、七十余年前から受け継がれてきたものと似るはずだ。


↓私が見たものとは違うが、作り方はこんな感じである。ご興味のある方は是非。弦や馬などを工夫すれば、本格的な音色が楽しめる。

https://www.hitachi.co.jp/kids/event/summer2013/craft/detail_03.html

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