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『衝撃!イタリア料理はイタリアになかった』

日本でも大人気のイタリア料理、海外旅行をしていてどこにでもあるレストランのひとつかもしれません。
それだけ、世界中のひとびとから愛され支持されているのでしょう。
 
皆さまがイメージするイタリア料理とはどのようなものでしょうか。
パスタであれば、トマトソース、カルボナーラ、ボロネーゼソース、ラザニア、アーリオ・オーリオ・ペペロンチーノあたりが王道でしょうか。
また、ナポリピッツア、ミラノ風リゾット、ミネストローネなどを思い浮かべるひとも多いでしょう。
そして食材であれば、パルマ産生ハム、ボロネーゼソーセージ(モルタデッラ)パルミッジャーノチーズ、モッツァレラチーズ、ブッラータチーズ、トマト、アーティチョーク、オリーブあたりでしょうか。
 
実は世界中で支持されるイタリア料理にはエミリア・ロマーニャ州 チェセーナティコで生まれた『マルチェッラ・ハンセンMarcella Hazan』大きく関係しています。彼女は結婚後、ニューヨークに移住し、70年代にニューヨークタイムズからレシピ掲載を依頼されます。そこから料理レシピ本を出版するようになります。出版書籍『The Classic Italian Cook Book』は当初それほど人気を得られませんでしたが、徐々に彼女のレシピは人気を博していきました。
 
さて、ここでお気づきでしょうか。

今日に続くイタリアが統一されたのはわずか160年ほど前の話しです。それまではそれぞれ地域で王家や侯爵家などが小国を治めていました。ですので、それぞれの地域で愛される料理、ふるさとの味わいは大きく異なります
また、日本同様、南北に細長い国土は、気候や作物もさまざまなのです。イタリアには地域色が色濃く残るため、皆さまが想像する王道のイタリア料理は存在しないのです。そしてまた、外国で想像される料理のほどんどはエミリア・ロマーニャ州出身の『マルチェッラ・ハンセンMarcella Hazan』馴染みがあるお料理なのでしょう。
それと同時に1900年代初頭からアメリカへのイタリア人移民により広まった料理が今日、我われが想像するイタリア料理に続いているのかもしれません。
 


皆さまにイメージしてもらいやすいように王道のお料理や食材の地域をご紹介します。

◦ トマトソース(Sugo al pomodoro): トマト缶詰、瓶詰があるのでほぼ全国区ですが、乾燥パスタが有名なのは南イタリア・グラニャーノなので、南イタリアの料理のひとつでしょう。

◦ カルボナーラ(Pasta alla carbonara): 材料にペコリーノ・ロマーノチーズを使っているので、日本の皆さまもご存知のとおりローマのお料理です。

◦ ボロネーゼソース(Ragù bolognese): 王道ミートソース、名前にボローニャが入っているので、エミリア・ロマーニャ州、ボローニャのお料理です。

◦ ラザニア(Lasagna): これはクリスマスなど人が集まるときに作られるパスタ料理です。ほぼ全国のお料理で、あえてイタリア料理をあげるならコレかもしれません。生パスタを使うことが多いのですが、生パスタと言えば、やはりエミリア・ロマーニャ州でしょうか。例えば、ラザニア、フェットチーネ、ラビオリ、カッペッレッティ、この州の顔と言えるパスタです。

◦ アーリオ・オーリオ・ペペロンチーノ(Spaghetti aglio e olio): これは材料がなくても、ニンニク、オリーブオイル、唐辛子でできるシンプル簡単パスタです。ひと昔前に学生時代を過ごした人たちから、夜遊び後に食べた料理、お腹が空いてササっと作れる、お金がなくても何とかなる料理だったと聞きます。またスパゲッティを使うので、南イタリア・カンパーニャ州のお料理でしょうか。

◦ パルマ産の生ハム、ボロネーゼソーセージ(モルタデッラ)パルミッジャーノチーズ、これらの食材はエミリア・ロマーニャ州を代表する食材です。
◦ ナポリ・ピッツア: モッツァレラチーズはそのままいただくこともありますが、やはりナポリ・ピッツァとセットになる食材ですね。
各州さまざまなピッツァがありますが、世界中で人気があり、ピッツァの代表はナポリ・ピッツァでしょうか。
 

今日に続くイタリア料理の顔は、故郷を離れたイタリア人たちによって広められた家庭の味わいなのかもしれませんね。


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