おいしいイラスト集 #06 「パエリア」 …と、その周辺を巡るエッセイ
友人(シェフ)が作るパエリアをイラストにしました。
パエリアは、スペイン語でpaellaと書き、語源にはpara ella(彼女のために)という意味があるそうです。
で、きょうは「彼女のために」をテーマに書きます。
私は…
およそ20年、妻のために手料理を振る舞った記憶がほとんどありません…。
時々作っていたアレは、何と言うか…「手料理」じゃなかったです。腹が減って、取りあえず胃を満たす為にこしらえた2人分の「メシ」でした。
朝食らしきものを彼女の代わりに作ったこともありましたが、それは、前夜 泥酔して帰った「償い」です。
たった1度か2度、テレビに影響されて作った大げさな御料理は、ただただ長時間キッチンを占領しただけの「自己満足」。
妻と暮らした20年、心を込めた「手料理」と呼べるものを作っていません。
ほとんどキッチンに立たなかった私を、妻はどう見ていたのでしょうか…。
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コロナ禍に入って、妻に、今まで言われたことのない台詞を言われました。
「何か1つでいいから家事をやって欲しい」
結構育児をしているつもりでしたから、思わずこんな風に思いました。
「仕事量も給料も間違いなく俺の方が多い。育児もしてる。正直に言って、これ以上 家事に協力は…」
でも、すぐに思い直します。これを口にしては絶対ダメです。
(いかんいかん。これは良くある、妻の気持ちを理解できない夫が、仕事量とか給料とか言い始めてケンカになるやつ。危ない危ない…)。
寸前で切り替えて、結局こう言いました。
「何をして欲しい? 言ってくれたことをやるよ」と。
…妻は少々の沈黙のあと、黙って部屋に戻りました。
あれ? 様子が変です。
どうする事も出来ずしばらく突っ立っていると、妻からメールが届きます。
《何ができるか自分で考えて》と書かれていました。
あ……
まずい。非常にまずい。
自分に何ができるか考えて提案するのが、家のことにきちんと向き合っている夫の姿勢にほかならない。《言ってくれたことやるからさ…》という発言は、一見 協力的なようでいて実は何も考えていない。肝心な事は妻に任せて、精神的には参加していないに等しい。
当たり前ですけど、育児と家事は別なんですよね。
妻からしてみれば、育児だけでなく家事にもきちんと参加して欲しかった。たとえ私が仕事を多くしていたとしても、家事に無関心はダメ。余力を使ってできることをしなければ、家族の一員としてダメですよね。
……という考察を、
《何ができるか自分で考えて》というメールを受け取ってから、ほんの数秒でしたはずです。不穏な空気をいち早く察知する「危機回避能力」だけはあるんです。
しかし、今更 NGワードは取り消せない。
何を手伝うと喜ばれる?
風呂掃除?
ゴミ捨て?
洗濯か!?
…喧嘩は避けたい、正解を出せ、俺!
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恐る恐る、妻のメールに返信しました。
《…まず、今日から「食器洗い」を担当するよ。もちろん、他に気が付いたこともやります。やりながら修正していこう》
妻は部屋から出てきて、「ありがとう」と言いました。
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彼女の普段の様子を思い返してみたんです。
子供のご飯を食べさせたあと、急いで登園準備。洗い物はできずにそのまま幼稚園へ送る。帰ってきたら、ひと息つく間もなく洗濯をして、キッチンを見ると洗い物が溜まってる…。夜も同じ。ご飯を食べさせたあとようやく寝かしつけたら、やっぱり洗い物が溜まってる…。
あとで冷静に考えると、何を手伝っても正解だったんじゃないかと思いますが、とにかくもっと早く気付いてあげれば良かった。ごめんなさい。
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後日…
Twitterに《食洗機はマストアイテム!》という料理研究家の方のコメントが流れてきて…そっか、そんなことすら思いつかなかったと、またまた反省しました。
ですが、ウチの場合は、しばらく食洗機を購入しないほうが良さそうです。今、私が食器洗いをすることで、我が家は上手くいっていますから。
それから、来週 妻が誕生日を迎えます。
余計 迷惑をかけるかもしれないけど、「手料理を振る舞おうか」と提案してみようと思います。
(外食がいい!と言われませんように)
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今日も最後まで読んでくださりありがとうございます。
パエリアのイラストは、みんなのフォトギャラリーにUPしておきますね。
それでは、またnoteでお会いしましょう。
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