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ここが地獄の一丁目。夫から訴えられる。

夫が失踪してから1ヶ月が経過した。その間、なんの音沙汰もなく、このまま何事もなく時間が過ぎていくものだと思っていた。

2022年8月5日(金)、東京家庭裁判所より2通の封書が届いた。中を見てみたけれど、なんだか難しくてよくわからない。とにかく、夫が私のことを訴えて来たということは理解したので、急いでこちらも弁護士を立てることにした。

とはいえ、弁護士なんて今まで使ったこともない。どうやって選べば良いのかわからず、法テラスに相談してみたものの埒が開かず、取り急ぎ父の知り合いが紹介してくれた弁護士を使うことにした。

初面会の日、封書が2通届いたと言って弁護士に見せると、弁護士は呆気にとられてこう言った。
「1通は離婚を申し立てたものです。もう1通は……婚姻費用を請求されています……」

なに?婚姻費用って?

夫婦は助け合う義務があるため、婚姻生活を維持するために必要な費用を分担しなければならない。例え、離婚するために争っていたとしても、離婚が成立するまでは、互いの生活を保持する義務があり、収入の多い方が少ない方に対して生活費を支払うことになるのだという。それが、婚姻費用。

通常、婚姻費用は、夫からDVを受けていた専業主婦が、やっとのことで夫から逃げ出し、離婚訴訟を起こしたものの、自分には収入がない、もしくは働きはじめたが生活費が足りない。そういうとき、夫に対し、離婚が成立するまでの間の生活費を請求する……というような使われ方をする弱者救済制度だ。

今回、弁護士が驚いたのは、五体満足で自分で会社をおこしてちゃんと働いているはずの社会人がである夫が、妻に対して生活費を無心してきた、という点だ。「これはちょっと……聞いたことがありませんね」と呆れている。

私も状況を理解して言葉を失った。

あいつ、よりによって自分の稼ぎが少ないからって、人の懐をアテにしようってか。くだらないことしてないで、ちゃんと真っ当に働けよ。まったく、恥ずかしくないのかね。

とにかく、夫よりも私の方が収入が多いので、生活費を払え、ということらしい。また、離婚調停申立書によると、離婚したい理由は選択式になっており「性格が合わない」と「性的不調和」に二重丸がついている。「精神的に虐待する」と「異性関係」にも丸がついていた。

はぁ……? 何言ってくれちゃってるの???

細かい事情を聞きたいところだが、これ以上は調停で話しましょう、ということらしい。グラグラと腑が煮えくりかえっている。とりあえず一旦持ち帰って、調停に向けて作戦を練ることになった。


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