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2拠点生活のススメ|第28回|コロナが落とした影、そして光、2020年を振り返って

2019年私たち夫婦共にそれぞれの母を失い、今年1月には妻の父も亡くなり、ひとつの時代の終焉を感じさせる、2020年の幕開けとなりました。

そしてやってきたコロナ。

今年はまさに、時代だけでなく、自分が変わっていく様を肌身で感じ続けた1年。大晦日のnoteは、そんな1年を振り返ってみようと思います。

緊急事態宣言で2拠点生活がストップ

2020年2月末、徳島での暮らしをより充実させようと新居への移転を決めた。ちゃんとした仕事場を作り、友人を招けるような部屋も設けた。そんな矢先、コロナ旋風が吹き荒れる。緊急事態発言の発令、不要不急の外出が禁じられ、学校や商店が次々と休業。2拠点とはいえ、徳島の住人であるにもかかわらず、やはり徳島に留まることに躊躇を覚えずにはいられなかった。

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当初、徳島のコロナ発症者は、あの横浜に停留していたクルーズ船の乗客ただ一人だけ。全国でも発症者の少ない県ということもあり、コロナの県内進入阻止に、かなり神経質になっており、他府県ナンバーの車を監視するという動きも出ていた。

しかも、サーフィンを楽しんでいた小松海岸もロープが張られて立ち入り禁止に。ローカルサーファーでさえ、サーフィンをできないという事態になった。


コロナの影が忍び寄る

いくら拠点があって、暮らしているとはいえ、神戸ナンバーで街をうろつく度胸も無く、1ヶ月以上徳島に行くことができなかった。この時間を利用して、懸案だった事務所兼ギャラリーの閉鎖を決意。事務所機能は川西の家へと移転し、私たちの暮らしは、まさに新しい時代に入ることになった。

その頃はありがたいことにまだ仕事も忙しかったのだが、やっている仕事はすべて、コロナ騒ぎ以前に決まっていたモノ。よく考えれば、次の種まきができていないというか、そんな話がひとつも舞い込んでいないことに気付きはじめた。

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分かっていたことはいえ、夏前になって新規仕事が何も無いという心配事が現実に。ただずっと忙しくしていたので長期休暇をもらったといった脳天気な気分で、ほとんどの時間を徳島で過ごすようになる。この夏は、次々と台風がやってきて、波の無い日も少なく、また先輩や友人と徳島南部や高知へも脚を伸ばし、不安をかき消すようにサーフィンにのめり込んでいった。


突然の体調不良、これは天罰なのか!?

夏の終わり、突然右肩に激痛が走り、夜も眠れなくなった。たまらず病院に駆け込むと、「石灰沈着性腱板炎」との診断。 肩関節近くに石灰(カルシウム)が溜まり神経を圧迫しているとのこと。台風続きでサーフィンをやり過ぎたせいなのか。

先生に聞いても、原因は不明で明確な治療法が無く、肩に負荷を掛けずおとなしくしているしか手立がないとのこと。突然、サーフィンという唯一の楽しみを奪われることになってしまった。

仕方が無いので川西に引き上げ、悶々とした日々を送ること3週間。少しでも回復を早めようと針灸にも通った。ようやく痛みもマシになり、サーフィンを再開したのも束の間、今度は強烈な下腹部痛に襲われ、高熱にうなされるように。

またまた病院に駆け込むと、憩室炎との診断、おまけに腹膜炎も併発していることが分かり、入院騒ぎに。何とか1週間の点滴通いを条件に入院は回避したのだが、またまたサーフィンからは遠ざかる。

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仕事も暇なくせに、徳島に入り浸りでサーフィンばかりをしていた罰なのか・・・

そんな自虐的な発想にもなったが、違う思いも芽生えていた。言い訳じみて聞こえるかも知れないが、暇で悶々とした時間を過ごすぐらいなら、サーフィンして心もカラダも健康に保つ方がいいという気持ちに初めてなれた。これまでの私なら仕事が無いことに悶々として、ろくでもない時間の過ごし方をしていたと思う。

そんな風に考えられたのは、やはり2拠点生活を始めて、人生への向き合い方が変わってきた結果なんだと思う。仕事(お金)に縛られ、がんじがらめの人生では味わえない満ち足りた暮らし。改めてその意義を感じられたのです。


ずっとやりたかったことを、やりなさい

・・・とはいえ、この療養生活は自分自身に大きな変化をもたらすことに。食生活を見直し、本気でカラダのことを考えるようになった。前の記事にも書いたが、朝食に新しい習慣を取り入れ、カラダに変化が見られるようになってきた。

さらに仕事に関しても、考えが変わることに。ただサーフィンで他の不安や心配事を誤魔化しているだけでは、何処にも辿り着けない。ちゃんと自分と向き合って、今できることは何か、逃げるのでは無く、お金という目先のことでも無く、これからもずっと続けていけるライフワークの構築を目指すべきだと強く思ったのです。

そんな思いでアンテナを巡らせていた時、運命的な1冊の本に出会います。

「ずっとやりたかったことを、やりなさい」このタイトルだけで頭を殴られたような気がしました。自分の中にある創造性を育て、もっともっとクリエイティブにやりたいことを実現していく、そんな実践的な12週間のプログラム。

この本との出会いは、暮らしを、生き方を大きく変えるキッカケになります。

サーフィンに出かけなくても朝早く起きて、すぐ机に向かいモーニングページを書く、その経験は自分と真摯に向き合う習慣になりました。またアーティストデートという、自分自身に新しい体験をたくさんさせてやる行為によって、日常の暮らしの中にたくさんの喜びを発見するようになりました。

創造することに喜びを感じ、自分を大切に扱うようになる。大げさでも何でもなく、今人生が大きく変わりつつあると実感しています。


そしてnoteという、新たな光

コロナという制約の中で、映像の仕事が暇なら、何ができるだろう・・・ものを書くことなら川西でも徳島でもできるし、今まで映像の企画や台本制作である程度スキルもあるので、それを活かしつつ、少しでも誰かの助けになることができるかもしれない。そんな思いで、このnoteも始めました。

まだまだ読者も少ないけど、身近な人たちから、「読んでるよ」とか「面白い」とか「勇気づけられた」とかといった反応をもらい、自分の思いは間違ってはいなかったんだと、逆に勇気づけられてもいます。

このコロナの間を利用して、やりたいことをいっぱい溜め込んで、いつでも発揮できるように育てておきたい。今は、そんな思いで溢れるようになりました。

2020年、この年は自分だけで無く、世界にとっても大きな変革の年。激動の時代の中で、改めて「変わることの中にこそ希望がある」との思いを強くしました。



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