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美術展レポ キング&クイーン展

"KING&QUEEN展 名画で読み解く英国王室物語"がなかなか凄かったので、レポートします。

@上野の森美術館 20201010-20210111    入館料大人 平日1,800円 土日祝2,000円

この展示は、ロンドンナショナルポートレートギャラリー(肖像専門美術館)からお借りした、歴代の英国王室の肖像画から昨今のロイヤルファミリーのポートレートまで、約90点が展示されています。

私は音声ガイドを借りるのが好きなのですが、今回は"怖い絵"シリーズで人気の作家中野京子さんと宝塚トップスターの明日海りおさんが、ナビゲートしてくれます(600円)  まるで宝塚公演"ベルサイユの薔薇"の一幕のようなセリフを聴いていると、より没入してこの世界に浸れる気がします。オススメです!

◇イギリス王家の歴史

何が凄いって、全てが実在する人の肖像画だという事。肖像画なのだから当たり前なんですが、描かれた人達のした事がハンパでない。人殺しは当たり前、不倫や近親相姦も有れば、幼少時に突然王位につくこともある。

英国王室の長い長い歴史を、おとぎ話を聞く様な映画を観ている様な、そんな気分でスタートです。

◇王様はお金持ち

展示は歴史順なので、1485年のチューダー朝から始まります。

肖像画は、富の象徴として書かれることが多いので王族の絵はとても豪華です。衣服や装飾品が時代の流行を示しており、この白く輝く丸い粒1つ1つが真珠だとしたら、このキラキラして見える四角がダイヤだとしたら、このフワフワしたものが毛皮なら、と考えると大変贅沢なものと分かると思います。

◇奥さんを殺しまくる王様

イングランド王国が始まって二代目のヘンリー8世、若干17歳で父親の後を継いだ彼は、スポーツ万能で魅力的だった様ですが、6度結婚と離婚を繰り返しており、世継ぎを残す為に宗教を変えたり王妃を殺すなど、かなりサイコパスな面があります。彼のエキセントリックな行動は映画にもなっているので、観てみる事をお勧めします。

ブーリン家の姉妹

1000日のアン

ヘンリー8世の私生活

◇盛ってなんぼ

この肖像画の"依頼者"は、本人で有る事が多いので、その絵に対して払われた対価を思うと、絵描く人が忖度するのもムリは有りません。ブサイクはイケメンに描かれて、デブはグラマラス美人に描かれたりします。これは、肖像画と言う市中の人達にイメージを売る役割にも一役買っているのです。

1665年に王位についたアン王女も、イメージ良く描れています。ブランデーが好きでアルコール中毒の為歩けなくなっていた彼女は死ぬ前には、でっぷりと太り城内は車椅子移動、死んだ時の棺桶は真四角だったと言われていたそうです。この王女も映画になっています。

女王陛下のお気に入り

イギリス王室は結婚や世継ぎなどその存在自体がいつも話題に上がり、現代でも王妃のファッションや、産まれてくる子供の性別、ウェディングドレスのデザイナーが掛けの対象にもなっています。

日本の皇室に対して、ここまで踏み込んだ話題になる事は無いと思いますが、それだけ王室が身近で有る事が伺えます。

現代まで続くイギリスの歴史を、一度に振り返れるこの展覧会、世界史が好きな人もとても楽しめると思います。王室という華やかな世界と、世継ぎ血縁に付いて考えさせられる展覧会でした。オススメです。

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◇現代のロイヤルファミリー

ポートレート

◇展覧会の後は

美術館で歩き疲れたら、さくらテラスや公園入り口のイタリアンでランチも良いですよ。私のオススメは、そこで焼き立てのピザを食べてから、みよしのあんみつですかね^_^



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