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【博士の就職体験談】大手メーカー開発職に就いて感じた、博士に求められること①:”常識”をぶち破る力

上記連載の第12弾。今回は「会社にあふれている”ほんとうにしょうもない常識”に飲み込まれずに、目的を最大限に達成するため、現状を打破していこう」という1100字の就職体験談です。


博士課程修了後に就職した大手メーカーで、開発職として「博士としてどう貢献できるのか?」と毎日考えながら、仕事に向き合った。

そのなかで私が感じた「博士として求められること」の一つが、「常識をぶち破る力」だ。

”ほんとうにしょうもない常識”が、会社にはあふれている。

「前任の人がこうやっていたから、今もそうしているんだ」
「なんでこの設定にしたのか、今となってはわからないんだけどね~」

当時はきっと工夫して導き出したであろう過去の遺産が、わけも分からず引き継がれていることなんて、数多くある。今では非効率かつ無意味だったとしてもだ。

常識・通例を”当たり前”だと受け入れる人もいれば、まぁいいかと疑問を持ちながら放置している人もいる。

将来企業に就職する博士学生さんには、”ほんとうにしょうもない常識”にメスを入れてほしい。そして、会社や部署、プロジェクトが叶えたい目的を達成するために本当に必要なことを提示して、実際に達成まで導いてほしい。

例えば、「これはおかしいです」と言っても、誰も振り向いてはくれない。

常識を変えることは、それらが染み付いている人にとっては、かなりの労力である。常識に則れば、どんなに非効率でも達成度が及第点程度だとしても、成功は保証されている。それをわざわざ変える必要はなく、むしろ変更したときのリスクの方が大きいと感じるのだ。

一歩踏み込んで、「これはおかしいから、こうすれば、さらに効率が上がります/達成度が高まります」と提案してみてほしい。

少しは耳を傾ける人が出てくるはずだ。それでも大半は、理由をつけてモゾモゾする。

このモゾモゾを打ち破り、目的に最短かつ最善なルートで到達するために、先陣を切って行動し、提案を現実にしてほしい。

最初は大変だが、目的を達成する姿を継続して見せていれば、ほんの少しずつでも、周りが自分を認めてくれ、身近なところから風土が変わっていくはずだ。そうすれば、”ほんとうにしょうもない常識”が、少しずつ変わっていき、チームやプロジェクトの目的を達成するために「何が本当に重要なのか」を皆で考えていく雰囲気が形成されていくだろう。

博士学生さんは、研究テーマを自ら設定し「なぜこうなるのか?」とひたすら考え続けている。様々な困難にぶち当たることがあっても、自分の力や周りの協力を得ながら、なんとか打破してきたはずだ。

そんな博士学生さんには、”常識”を変える力が必ずあると私は思う。

入社したら、ほとんどの人が周りに流されていく。この記事を読んだ方は”ほんとうにしょうもない常識”に飲み込まれずに、博士課程で培った「常識をぶち破る力」を遺憾なく発揮してほしいと願う。


↓ 連載前回(第11回)の記事。

↓ 連載で書こうと思っている直近のネタを記載。

↓ 私の経歴を参考までに。

Dr. りけ子(Tsugumi)

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