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【博士のこと。】博士課程で得られるトランスファラブルスキルってなんだろう?~届ける”表現”に思いを馳せて~【博士号もちアラサー主婦の独り言。】

先日、博士人材のレジリエンスについて、ちょっとしたボヤキを書きました。その後、博士に関するあれやこれやを調べる中で、「博士課程で得られるトランスファラブル(応用可能な)スキル」について言及しているWEB記事をみつけました。

今日はそんな記事を紹介しつつ、私のちょっとした思いも添えてみようと思います。

具体性には欠けるけど「へ~ぇ」と思うスキルがあると思うので、現在または将来の博士学生さんには、紹介するWEB記事にぜひ目を通してほしいです!

~Dr. りけ子の簡単な経歴~
・国立大に入学し、学士で無機化学→修士から物理化学を専攻。
・ノリで博士進学して地獄を見るが、なんとか博士号(理学)を取得。
・卒業後は大手メーカーに開発職で就職、事業企画・技術調査なども経験。
・その後ITコンサル会社に転職するも、物足りなさを感じ退職。
・企業勤めの4年間で「博士は研究職以外でも幅広く活躍できる」と実感。
・「そんな思いを実現するお仕事」を模索中な専業主婦。

詳細な経歴はコチラの記事へ🖊

博士課程で得られる応用可能なスキル

3分もあれば読める記事。民間就職をした博士人材である私からすると、博士人材のトランスファラブルスキルを端的に示していると思いました。

実際には、博士号を取得する過程で、さまざまなキャリアで成功するために欠かせない基本的なスキルが身に付いています。そのスキルは、学術界の外でも十分に応用が可能なスキルです。

1.批判的思考と論理的推論
2.コミュニケーションスキル
3.プロジェクト管理能力
4.学習の速さ
5.協力関係の構築
6.プランニングと時間管理

博士号は、応用可能な多くのスキル、貴重な能力、そしてどのような仕事にも素早く適応して成功する力を持っていることの証なのです。

上記記事より一部抜粋

博士のスキルというと、1番目のものはよく聞くと思います。その他、イメージ的には苦手そうなコミュニケーションや管理能力なども、実はちゃんと身につけてるよ、というのが書かれているのが興味深いです。

また、4番目の「学習の速さ」については、以下のような記述がありました。

博士号を取得する過程では、新たな知識を習得するだけでなく、点と点を結び付けて適切な文脈に適用することを学びます。

上記記事より一部抜粋

私の経験上、「博士人材は、未知な分野だとしても、理解・吸収スピードが他者よりも早いから、会社でも十分やっていけるのでは?」と思っていました。最初はわからないことだらけでも、自分事として理解して落とし込むことが、博士人材は得意なんじゃないかなぁと。これを”点と点を結び付けて適切な文脈に適用する”と表現していて、どこか腑に落ちた感覚を得ました。

大学院で磨く!トランスファラブルスキルの具体例/一覧【博士向け】

1つ目の記事よりも長めの記事。文部科学省が公開している資料で書かれているトランスファラブルスキルを紹介しています。加えて、博士課程でどのようにこれらのスキルを磨いていくのか、研究活動に沿ってごく簡単に紹介しています。

本記事で書かれているトランスファラブルスキルは、1つ目の記事で提示されている6つのスキルを細分化して表現したような感じです(文章力・分析力など)。

~論文の執筆~
論文執筆は、博士課程で最も重要なタスクのひとつです。
論文投稿や、博士論文を仕上げる過程で、多くの基礎的かつ本質的なスキルが養われます。特に「文章力」「分析力」「問題解決能力」「情報検索能力」「時間管理」などのスキルを磨くことができます。

上記記事より引用

~その他、博士号取得にあたって必要になるすべての経験~
その他にも、博士号取得にあたって、様々な場面で本質的なスキルや考え方・行動特性を身につけることができます。
語学力」「言語化スキル」「スピーディーな対応力」「判断力」「統計知識」「向上心」「柔軟性」「探求心」「準備と優先順位」「知的財産権と著作権」「健康と安全」「倫理、道義と持続可能性」「資金源の創出」「起業」「一般市民との関わり」など、研究活動の中で、実に多様なスキルが磨かれることでしょう。

上記記事より引用

”その他、博士号取得にあたって必要になるすべての経験”という項目に、全てが詰め込まれ過ぎでは!?と思いましたが(笑)、博士学生さんが行う日々の研究活動と絡めて表現しようという試みは面白いなぁと思いました。

トランスファラブルスキルの身につけ方について、興味深いことが書かれていたので、以下に引用します。

~「経験の言語化」で効率的に身につける~
博士課程において、上記のようなトランスファラブルスキルを身につけることができるのですが、そのような経験を博士学生自身が「言語化」することが重要です。
日々の研究活動の中で、「自分は今、このようなスキルを習得しているのだ」「このスキルは、あの場面でも使えるだろう」など、トランスファラブルスキルの存在を意識し、「経験を言語化」することで、自分の成長に敏感になることができるでしょう。

上記記事より一部抜粋

”経験の言語化”というのは、的を得ているなぁと感じました。

博士課程に在籍しているうちに、トランスファラブルスキルを自覚することは、なかなか難しいとは思います。研究に打ち込んでいたら、外のことを知る機会はなかなか無いだろうし、学術領域と産業界とで大事にする価値観や風土は、やっぱり違うなぁと思うからです。

でも、自分のスキルを言語化できるようになれば、卒業後の進路の選択肢を広げられることに、間違いなく繋がるはず。また、博士課程在籍中に、自身の伸ばすべきスキル・補うべきスキルを判断できるようになり、より成長できるようになると思います。

~博士と社会、双方に認知してもらう”表現”とは?~

数日に1回はこうやって博士に関して何かしら綴っている私自身、博士のトランスファラブルスキルを、まだ体系化できていないし、うまく表現できていない自覚があります。

スキルを端的に表現している記事を今回読んでみて、「なるほど、こういう表現があるのか!」と勉強になることが多かったです。

一方で、博士人材の認知があまり広がっていない現在の状況で、博士人材と社会の双方に、博士のトランスファラブルスキルをどうやって伝えるのがいいのかと、ぼんやり思いました。

「博士人材が有用である」と、私のような博士人材が発信したところで、”届く”表現をしないと、皆さんの心に響かないわけだし、「博士を採用しようじゃあないか!」と社会が動かないのかなぁと。

ふと思いついた”届け方”は、「博士課程で行う研究活動の中でスキルが身につく過程・場面と、社会で実際に活用される場面を、それぞれ具体的に紹介してみる」というもの。上で紹介した2つ目の記事をより具体化するイメージです。自分事として落とし込んでもらえるように、読者が場面誘起できるように伝えるのはどうかと考えてみました。

……けれど、所詮ただの思いつきなので、より適切な”届け方”をこれから模索していきます。


普段は、博士情報のまとめ記事や経験談を綴った400字記事を上げています。
細かな情報や考え事などは、上記マガジンで掲載します~!

博士が輝ける社会となりますように!

Dr. りけ子(Tsugumi)

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