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2024奥多摩夏合宿

2024年度の奥多摩夏合宿の様子をまとめています。

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2024年奥多摩夏合宿 記録5 7月31日

 昨日の雨天と打って変わり、今日は再び天気が良かった。雨で濡れた地面が乾き、水蒸気のおかげでいつもよりも過ごしやすい1日だった。  夏合宿、もとい珊瑚荘では、朝に瞑想を行う。目を瞑り、周りの音への反応や興味をなるべく押し殺し、自分の意識に集中することで、リラックスしリフレッシュし、集中力を高める。  瞑想は古来より行われてきた人類共通の動作でもあり、今日でもアスリートや文化人が積極的に取り入れるライフワークの一つだ。  こうした瞑想は、自らの意識を学習における自分のことに向

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2024年奥多摩夏合宿 記録3・4 7月29・30日

 訂正情報 起床時間四時→四時半  諸事情により昨日の記録と今日の記録を同時掲載する。  朝四時半に起床し、夏合宿の朝が始まった。普段四時半に起きることなど滅多にないであろう参加者たちは、この瞬間から合宿の始まりを実感するに違いない。だがこの早起きこそ、この合宿が特別たる所以の始まりと言える。  自分もそうだったが、まだ合宿の日が浅いうちは、慣れない環境に集中が散漫になってしまう。そういうわけで昨日今日は、参加者の中にまだこの環境に慣れないものがちらほら見える。つい外を

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奥多摩合宿ー3

雨である。しかも驟雨である。川遊びもやっていられない。古民家に戻る。 山々に烟る大雨の姿は力強い。圧倒される。ただ眺めているよりほかすべがない。 しかし、涼しい。雨で昨日までの熱さが吹き飛ばされた。 そのせいか午後3時、学習を再開すると生徒全員非常によく集中する状態になった。 およそ10人。各々自分のデスクで学習を進める。英語文法の学習をする者。数学の問題をひたすら解く者。小説をどんどん書き進める者。ワープロ打ちする者。高校教科書をじっくり読んで自分で前に進む者。 思い通りで

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合宿初日

午前4時15分起床。 外はまだ暗い。ひぐらしも鳴かない。 手早く寝具を片付けて灯りを点ける。 昨夜は、夕食、シャワー、太鼓セッションの後、20時30分就寝。 驚くべきことに、すぐに全員起床して朝食。これはこれまでになく、やや和風。ご飯を食べる。 摂氏25度。午後はともかく午前は涼しい。 蝉が鳴き始める。すぐに「自己学習」に入る。 見ると全員、あらかじめのカウンセリングがあるのか、各自自分の課題を出してどんどん進め始める。 ここには「強制」はない。「義務」もない。あえて言えば「

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自然環境系投稿まとめ

自然やその体験に関する投稿まとめ

282DAY -2023奥多摩見聞録 其の11-

 合宿も終盤にさしかかり、参加者にもどことなく疲れが見え始めている。  やるべきことは分かっていても、体がそれを拒否してきている。体が別の誘惑に誘導し、本来の目的を逸らしてくる。だが、これは人間の生理的現象であり、当然生まれうる心理である。  例えそれが奥多摩であろうとも、古民家であろうとも、元来有するこの心理を誤魔化し切ることは出来ないだろう。どんな人間でもどこかで集中の結び目が解け、綻びる。そのために川遊びや間食の用意があるのだが、合宿最終日直前ともなると、それらでも

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281DAY -2023奥多摩見聞録 其の10-

 奥多摩合宿では同じような毎日が続くのではない。むしろ一年のうち最大八日間しかこの毎日を謳歌できないと言うことである。本来なら毎日いるべきである。  行うべき勉強があるとしたら、それは是非とも心地よい環境で行うべきだ。それは当然のことである。そして奥多摩以上の環境で勉強するという体験を、自分はこの合宿以外に知らない。例えば自分でこうした自然に囲まれた勉強できる環境を見つけることができるなら別だが、今日においてその機会は著しく無くなっている。  だからこそ、この八日間という

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280DAY -2023奥多摩見聞録 其の9-

 今日はとても晴れた。昨日の不安定な天気とは打って変わり、澄み切った青空が広がった。奥多摩合宿も早半分にさしかかり、とても時間の流れを感じずにはいられない。   松永先生が昨日から泊まっており、古民家の雰囲気もどこか変わった。松永先生が1人加わるだけで、合宿はよりエキサイティングになる。先生のワードセンスが笑いを誘い、学びを深める。合宿がより色鮮やかに、高みに彩られる。  先生によって、奥多摩の環境によって、生徒たちは成長する。例えば、叱られたとしても、それは後々になって

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279DAY -2023奥多摩見聞録 其の8−

 朝五時、起床する。というよりしてしまう。体が奥多摩でどうするかを覚えているかのようだ。生活リズムが奥多摩モードに切り替わると、まるで僕に別の人格が宿っていて、そいつが僕を叩き起こしているように感じる。  ウルトラマンを鳴らすと、参加者がのそのそと動き始める。集団生活ならではの光景だろう。まだ薄暗い古民家の中で、単なる床に寝そべっているだけの存在に命が吹き込まれる。  朝食を食べ、瞑想を済ますと、早速作業に取り掛かる。霧雨が降り、目の前の山肌を白雲がさすり、通り過ぎてゆく

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2023奥多摩見聞録

2023年度奥多摩古民家活動記録

282DAY -2023奥多摩見聞録 其の11-

 合宿も終盤にさしかかり、参加者にもどことなく疲れが見え始めている。  やるべきことは分かっていても、体がそれを拒否してきている。体が別の誘惑に誘導し、本来の目的を逸らしてくる。だが、これは人間の生理的現象であり、当然生まれうる心理である。  例えそれが奥多摩であろうとも、古民家であろうとも、元来有するこの心理を誤魔化し切ることは出来ないだろう。どんな人間でもどこかで集中の結び目が解け、綻びる。そのために川遊びや間食の用意があるのだが、合宿最終日直前ともなると、それらでも

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281DAY -2023奥多摩見聞録 其の10-

 奥多摩合宿では同じような毎日が続くのではない。むしろ一年のうち最大八日間しかこの毎日を謳歌できないと言うことである。本来なら毎日いるべきである。  行うべき勉強があるとしたら、それは是非とも心地よい環境で行うべきだ。それは当然のことである。そして奥多摩以上の環境で勉強するという体験を、自分はこの合宿以外に知らない。例えば自分でこうした自然に囲まれた勉強できる環境を見つけることができるなら別だが、今日においてその機会は著しく無くなっている。  だからこそ、この八日間という

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280DAY -2023奥多摩見聞録 其の9-

 今日はとても晴れた。昨日の不安定な天気とは打って変わり、澄み切った青空が広がった。奥多摩合宿も早半分にさしかかり、とても時間の流れを感じずにはいられない。   松永先生が昨日から泊まっており、古民家の雰囲気もどこか変わった。松永先生が1人加わるだけで、合宿はよりエキサイティングになる。先生のワードセンスが笑いを誘い、学びを深める。合宿がより色鮮やかに、高みに彩られる。  先生によって、奥多摩の環境によって、生徒たちは成長する。例えば、叱られたとしても、それは後々になって

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279DAY -2023奥多摩見聞録 其の8−

 朝五時、起床する。というよりしてしまう。体が奥多摩でどうするかを覚えているかのようだ。生活リズムが奥多摩モードに切り替わると、まるで僕に別の人格が宿っていて、そいつが僕を叩き起こしているように感じる。  ウルトラマンを鳴らすと、参加者がのそのそと動き始める。集団生活ならではの光景だろう。まだ薄暗い古民家の中で、単なる床に寝そべっているだけの存在に命が吹き込まれる。  朝食を食べ、瞑想を済ますと、早速作業に取り掛かる。霧雨が降り、目の前の山肌を白雲がさすり、通り過ぎてゆく

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リベラルアーツ・古典読解録

リベラルアーツのブログをまとめてみた。哲学、文化、思想。あらゆるコンテンツが古典には詰まってる。

252DAY -資本主義とは何か‐

 自分がかれこれ数年に渡りリベラルアーツと呼ばれるディスカッション型授業に参加していることは周知の人もいるだろうが、改めてリベラルアーツが何なのかをここに書いておく。  教育相談事務所V-netで行われ、教育コンサルタント松永暢史先生が主催するディスカッション型授業リベラルアーツは、海外の宗教経典的古典を読むことでその思想を理解し、それらを踏まえたグローバルな視点を会得する試みである。古今東西、全世界の書物に書かれた思想に触れ、読み解くことで、現代における価値観は歴史の過程

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220DAY -リベラルアーツ「ウパデーシャ・サーハスリー」について-

 久々にリベラルアーツについての記事を書くので、リベラルアーツについて説明しようと思う。V-netが主催するリベラルアーツは、海外の宗教経典的古典を読むことでその思想を理解し、それらを踏まえたグローバルな視点を会得する試みである。古今東西、全世界の書物に書かれた思想に触れ、読み解くことで、現代における価値観は歴史の過程でどうやって成ったのか、その意味や考えは何か、それらを知り、自分自身の中での多角的かつグローバルな結論を生み出す。それがリベラルアーツだ。  これらを踏まえ、

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173DAY ‐日本一の国語おじさんの国語スキルを最大限に活かす神授業7(淮南子)‐

 久々のリベラルアーツ記事だ。最近論文みたいな文章が多く、人によってはあまり興味がないようなこともあるだろう。(古典とか相当マニアじゃないと好きになれないと思うし。)しかし、自分もブログを通して考えたことを発信していく身として、こうしたマニアックなことも趣味としてジャンジャン上げていきたい所存なのである。      今回のリベラルアーツで読んだのは、紀元前140年ごろに古代中国で成立した思想書「淮南子」である。「淮南子」は、当時の中国各地から招かれた多数の賓客(所謂諸子百家)

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145DAY ‐日本一の国語おじさんの国語スキルを最大限に活かす神授業6(トマス福音書編)‐

 今回のリベラルアーツで読んだのは、現在福音書の主流であるマルコ、マタイ、ルカ、ヨハネのもととなったといわれている聖書外伝の一つトマス福音書である。現在福音書を代表する四つのマルコ、マタイ、ルカ、ヨハネは、各所に類似点が見られつつも明らかに違うところもあり、つまりこれはこれらの四つがそれぞれイエスの言葉を交えつつ幾つかの創作が盛り込まれているということである。(ちなみにマタイとルカは、Q資料と呼ばれるイエスの言行録を参考にして書かれたという説が有力視されている。しかしQ資料は

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2022奧多摩見聞録 

2022年度の奥多摩活動をまとめました。

225DAY -秋終わりの最高の奥多摩日記-

 充電しに来た。何をかといえば、自然のエネルギーというべきか、先人の遺産というべきか、実際のところ形容し難い物を充電しに来た。  その存在をはっきりさせることは簡単ではない。私たちですら、自分自身の全てを理解できないように、自分にとって真に必要な精神状態や心の拠り所を完全に把握し切ることは難しい。  結局、現在自分にとっての充電手段の最高手は、奥多摩に行くことなのであるが、それすら果たして完全な自身の拠り所であるかは正直分からない。なぜなら、それ以上の存在があるかもしれな

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219DAY -二学期半ばの奥多摩日記❷-

 寒っむい。薪ストーブは火種のかけらもなく消えている。まさに「火桶の火も白き灰がちになりてわろし」だ。この冬が近い季節に、火が消えていいことは何もない。  古民家にはエアコンがない。夏は扇風機、冬はストーブだ。しかし一度文明から離れると、前回も書いたように普段の生活を俯瞰して見ることができる。客観視はとてもいいことだ。人間は自分のことを知り、それによって必要な技術を確立する。だから食物連鎖の頂点に君臨している。だからこそ、「火」と言う文明の原点中の原点に立ち返ることこそが、

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218DAY -二学期半ばの奥多摩日記❶-

 もう車外は暗くなり始めている。すれ違う車のヘッドライトが眩しい。車のエンジンの振動を感じるたび、自分は都会から離れているんだと実感する。暗くなりつつある外と違い、奥多摩に向かう車内はとても明るく騒がしい。本日奥多摩プチ合宿に参加する鳥取から来た小学2年生。彼が繰り広げる世界観は、とても彼が不登校だとは感じさせない。とめどなく溢れ出る言葉、饒舌も饒舌。そして話す言葉も、小2らしいヤンチャな内容から、奥深さを感じるものまでさまざまだ。こうした人間が集う、奥多摩はやはり秘境で満ち

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208DAY -中秋の奥多摩日記 2 -

 朝六時。まだ薄暗い。窓の外から見える山々の肌を、雲がさするように通り過ぎる。体が重い。創作が捗りすぎて昨日の夜遅くまで起きてしまったからだ。だが今日もやることがある。そう体に言い聞かせて寝袋から這い出る。  朝は米。昨日のゴーヤーチャンプルーに良く合う。ゴーヤの苦味がさっぱりして、重たい眠気を飛ばす。じゃがいものポタージュも、一晩寝かせたおかげなのか、一段と美味しく感じる。そして極め付けは食後のコーヒー。カフェインばっちしキメ込んで、完全に体は整った。  外に出ると、朝

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