【意味がわかると怖い話・40】思い出
生まれて初めてのF1観戦!
僕の胸は高鳴りっぱなしだ。
幼い頃からミニカーを手にF1の走る映像を見ていた。
そして今、憧れのマシンが目の前に
僕のヒーローたる選手が信じられないテクニックでそれを操る。
コース真横の最前列。
唸るエンジン音。
摩擦でやけたタイヤの匂い。
全てが僕の想像を超えていく。
僕の目からは自然と涙が溢れていた。
幼少期の思い出がフラッシュバックする。
ありとあらゆる場所でミニカーを走らせたこと、寝るときもミニカーを手放さずベッドへと持ち込んだこと。
今、現実に僕の目の前にF1カーがある!?
映像などではなく事実、僕の目の前へとタイヤが飛び込んでくる。
ああ、こんなことになるなんて……。
【ネタバレ】
彼は不幸にもクラッシュ事故に巻き込まれたのだ。
クラッシュしたマシンから弾け飛んだタイヤが彼のいる客席へと飛び込む。
瞬間、彼は幼少期の思い出が走馬灯のようにフラッシュバックしたのだ。
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