ドラグスロア

シャッフルで流した曲を聴いてなにかを書きます。

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シャッフルで流した曲を聴いてなにかを書きます。

最近の記事

本当は歌われていない、ちっこいライブハウスで売れないバンドマンが歌っているとみんなが認識している陳腐な曲の歌詞

ロックンロールは死んだ ロックンロールは死んだ 遥か前 すでに ロックンロールは死んだ ロックンロールは死んだ そう言われて育った 僕が生まれるよりも 遥か前 滅びたんだ 僕がなかったら悲しいなと そう思う お葬式もなく ロックンロールは死んだ ロックンロールは死んだ 遥か前の話 ロックンロールは死んだ ロックンロールは死んだ あいつ以外に認めなかった 僕は信じてたあのバンドが ロックンロールだって 僕は夢見てたあのステージで 輝くロックスターを ロックンロールは

    • 日記を燃やして

      嘘みたいな本当の話。OKAくんへ。 実は今日ひどく落ち込んでいたんです。大事件と、先の見えない仕事と、削られるプライベートと、なんとか守ったプライベートに果たして削られない程の価値があったのかということ。地下のライブハウスで分からないまま酒を飲み、ふらついて新宿駅のホームにたどり着いた僕に、あなたは声をかけてくれました。 埼京線を指差しながら、池袋から乗ったのに渋谷につかなかった。渋谷はどっちだ?これ? どう考えても池袋行きの電車なんだから、あなたは渋谷を寝過ごして新宿に辿

      • Pluto

        冥王星にすら自分を投影できない僕へ。 SUNNY CAR WASHの解散ライブとか、西村賢太の死去とか、MOROHAの凱旋ライブと武道館とか、仕事漬けの日曜とか、降るよ降るよと言っておいて積もりもしない冷遇の豪雨とか、とにかくいろんなものに心を揺さぶられて何も考えられないままにして過ぎていく日々のこと。 本当は過ぎる日々に何かを言いたかったはずなのに、ビールを飲んで忘れて、そうしてはまた思い出そうとビールを飲んだ。金曜日に溜まる空き缶を眺めて、気づけば紙パックの焼酎に変わ

        • 空洞です

          冷酷なほどに寒く白いあの町に降り立って、何を思うのか考えていた。 飛行機の中は超満員で、ドアが開くのを待ちきれずに人々が立ち上がって列をなしている。早く僕も立たなきゃ。そう分かってはいながらも手に持った荷物の中を確認したり、何度も確認したシートポケットの忘れ物を確認したりしていた。窓の外は丁寧に除雪された滑走路が広がって、分厚いダウンを着た人たちが何やら作業をしていた。遠くには白く覆われた山がかすかに見えて、何度も降り立ったあの空港の景色がまるで初めて見たように新鮮に映され

        本当は歌われていない、ちっこいライブハウスで売れないバンドマンが歌っているとみんなが認識している陳腐な曲の歌詞

          香りと影

          …その見窄らしい姿に、あんなのが相方かよ と笑えて仕方がなかった。天候にも恵まれなかった。各地でウイルスが蔓延していた。何度も取りやめを考えた。逆境の俺らだ、って考えてきた。そうしてカブは壊れた。 でも、それでいいじゃないか、 2人で滝川まで来たんだよ。 最北イージュライダー ーーー 僕には旅に行く時だけ記すノートというのがある。高校の時に買った新書サイズのまっしろなノートで、通学カバンに入れていつも持ち歩いていた。何かの試験で札幌に出向いた時に暇だったから日記でも書こう

          夜空の虫とどこまでも

          朝早く起きて夜遅く家に帰る日々が続いている。 それはもちろん、仕事にありつけず低賃金で困窮するよりはよっぽどいいことだ。そのありがたみは日々ひしひしと感じている。残業代は出るし、コンビニで買い物することには躊躇しないくらいの生活は送れている。ただ帰る頃にはあたりは真っ暗だし、朝家を出るときは真っ暗で電車に乗っているうちに東方の空が白んでくることもあったりする。平日はいつもそんな感じで、休日になればいつの間にか夕方になっていることばかり。休みの前夜に明日はあれこれしたいなと思

          夜空の虫とどこまでも

          多分、風

          ここ最近あった出来事について泥酔しながら記す。泥酔しているので夢と妄想を多く含む。どんな文章でも推敲せずに投稿する。このことについては把握しながら読んでほしい。ただし「こんな夢を見た」で始まる文言についてはその掟を除外する。以上。 煙草を吸うには何が必要か。この問いに煙草と火と答えるだけでは不正解だ。ここまで聞けばある程度の人は思う。「ああ~~気持ちとかそういうことね、煙草を吸うに至る精神状態とか、そーいうことね」いや、違うのだ。煙草を吸う時点で精神状態なんていかれてるので

          人間発電所

          こんな夢を見た。  どこかで誰かが言っていたが、文章を書く上で一番重要なのは書き出しだ。戯曲でいえば序章、漫才でいえば掴み。その文章を読む気になるかどうかは書き出しの一文で決まるという。石炭をば早や積み果てつ…だとか、世界は成立している事柄の総体である…とか。一文で読者に疑問を持たせ、印象に残さなければならない。さらに衝撃的であれば尚引き付ける。だから例えば夢十夜の書き出しを引用して書き始めるような人間の文章は、一文だけで程度が知れるというものである。一番重要といわれる書き

          Mr. Noone Special

          20代はあっという間だとか、つらいのは今のうちだけだよとかいう言葉が嫌いだ。だって言葉の奥に後悔の念が見え隠れするから。 時に信じられないスピードで生活は続く。振り返って初めて時間を意識するのは愚かな行為に思えて仕方がない。だから思考のバランスをトリップメータからスピードメータに付け替えている。これは決して意識を高く持っているわけではなくて、自責の念に駆られて己の矮小さを実感するのが嫌だという弱さからくるものだ。弱い僕にとっての自己防衛だ。 全く尊敬もできないような人間に

          Mr. Noone Special

          BECAUSE

          春を待つこの頃の、思い出したような寒波にやられてしまいそうだ。寒さは人の行動を鈍化させ、思考能力を奪う。薄っぺらいコートをなるべく体に密着させ、風の通り道を塞ぐように街を歩けば空想に逃げられるような風体だが、そうもうまくいかず頭の中では晩飯は温かいスープにしようとか、そんなことしか浮かんでいない。詩的じゃない。 冬は詩的で、劇的で、美化された現象であるべきだ。少なくとも僕の好きな冬はそうだ。こうも成り下がってしまったのは誰のせいだろう。低気圧か、環境を悪化させている生産活動

          五文銭

          三途の川の渡し賃。六文銭 かつて荒れ狂う男たちがこぞって掲げ、命を懸け守った六文銭の家紋。その真意には「何時如何なる時も、死をも恐れぬ決意で臨む」という気迫が表れている。その代表格はやはり長野県上田市を総本山として戦った真田氏だろう。溢れ出る漢気には、現代に生きる僕らにもその心意気を残してやまない、 同じ男として生まれたからには、何らかの爪痕を残さなければ死ぬわけにいかない。それは歴史的なものでも、家系図を絶やさぬことでも、仕事で偉大な功績を残すことでも、誰かの記憶に強く

          光の方へ

          ラッシュアワーの渋谷駅前。スーツのサラリーマン、ショッピング帰りの若者、すでに飲んだくれた与太者、シティーボーイやら諸々、ビル群の足元を這う様にごった返していた。すでに肌寒い10月の東京だが、渋谷に集まる人々にとっては気に留めることでもない。夕闇の渋谷、一番人が集まる時間だ。僕はといえば流れに押され、不機嫌な出立でスクランブル交差点にいた。 東京の内でも、どうにか順応できる街といくら通っても決して慣れない街がある。新宿より西の中央線沿線はすべて縁側から見る庭の様に愛おしい街

          Jack Nicolson

          街を捨てよ、書を捨てよ、思い込みを捨てよ、オールドスクールを捨てよ、革ジャンとコンバースを、トレンチコートとドレスシューズの代わりに捨てよ。 僕らは何かを捨てることばかり強いられている。ぞんざいな扱いを受けて割れた水風船のように、水を足してもいつの間にか滴り落ちてしまう。滴り落ちた水は蘇ることはなく、アスファルトを濡らして蒸発するのを待つだけ。 県道沿いの小さなコインランドリーで暇をつぶす。こんな気分の時に限って退屈な顔をした奴らが乾燥機を回している。だから僕は同じく退屈

          エンジェルベイビー

          銀杏のレコードを手に入れた興奮がさめやらないまま、今日も銀杏を聴いてこれを書いているのだけど、最近の銀杏BOYZもやっぱりいい。件のとんがった青春時代の僕なら第三次とdoorしか聴かないとかほざいているだろうけど、今ひたすら聴くのは恋は永遠とエンジェルベイビー。もはやシャッフルで流した曲でタイトルを決めて書くとか前提が崩壊しているけど、身も蓋もない言い方をすれば通勤電車に揺られながら銀杏を聴いている時の方が書きたい衝動に駆られる。さあ書くぞとシャッフルで曲を流してどの曲をタイ

          エンジェルベイビー

          なんて悪意に満ちた平和なんだろう

          峯田和伸は歌った。幸せそうな恋人たちを電動ノコギリでバラバラにしたい。世界のどこかにきっと僕を待っている人がいる。あいどんわなだい。あの子に1ミリでもちょっかいかけたら殺す。高校時代の僕にとってはその言葉が全てで、神聖で、進むべき道標だった。峯田だったらこんな時どうするかと考えて、一番相応しいと思った方向に進んだ。辛いことがあると峯田に救いを求めたし、峯田は答えてくれているような気がした。 峯田にどれだけ影響を受けたかというと、こんな言葉で語るべきではないのかも知れないけど

          なんて悪意に満ちた平和なんだろう

          ベイビーレイニーデイリー

          雨に特別な感情が湧かなくなってしまった。 昔は傘をさして歩くだけで特別で劇的な日に変わったような気がして、雨の日こそ外へ出て歩くのが好きだった。傘がなくて家路を急ぐのもそれはそれで爽快で、ずぶ濡れの体を湯船で温めたときの安堵を思えばやり過ごせた。雨足を避けて軒先で紫煙を燻らすのも、喫茶店に駆け込んで雨音鑑賞と決め込むのも情緒があってよい。常連客とマスターの会話をぼんやり聴きながらコーヒーが冷めるまで居座っていたい気分になる。 雨とは、日常に強弱をつけるイミテーションのよう

          ベイビーレイニーデイリー