「我慢しない生き方を」IT×テレワークで広がる新しい人生 - OKHOTSK VALLEY 【#道東ではたらく】
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「我慢しない生き方を」IT×テレワークで広がる新しい人生 - OKHOTSK VALLEY 【#道東ではたらく】

ドット道東

はじめまして、松井菜依加です。
北海道・北見市出身。北見市で映像制作プロダクションに所属しながら、個人でライターとしても活動しています。

今回の「#道東ではたらく」。
オホーツク地方・北見市でテレワーク推進活動を広げている「北見市IoT推進ラボ」についてご紹介します。

いま、新しい働き方として注目を浴びている「テレワーク」。日本ではなかなか馴染みのなかった働き方の一つでしたが、この新型コロナの影響で大きな広がりを見せています。
最近様々な場所でよく耳にする「テレワーク」ですが、実は世間に大きく取り上げられる以前から、北見市が取り組んでいたことをご存知でしょうか?活動のキーマン、西野さんにお話を伺いました。

<こんな方におすすめ!>
・地元でテレワークがしたい人
・オホーツク×ITに興味がある人
・我慢のない生活がしたい人
・自由な働き方、人生を送りたい人

日本最北の10万人都市で暮らす

北海道の東側、自然に囲まれたオホーツク地方の中心に位置する北見市は、日本最北の10万人都市。その広さは、なんと北海道で一番。オホーツク海沿岸から石北峠まで、約110kmに広がる広大な土地です。北海道の中でも寒暖差が大きく夏には35℃、そして冬は-25℃まで冷え込むこともあります。

山の幸・海の幸が集まるオホーツクの台所でもあり、食べ物の美味しさは自然豊かな北海道の中でも随一。中でも北見焼肉は、全国的にも有名なグルメ。屋内はもちろん、夏になるといろんなお家の庭先からジューっとお肉の焼ける香りが。冬には氷点下の中、外で焼肉とお酒を楽しむ「北見厳寒の焼き肉まつり」が開催。日本全国、また海外からも観光客が訪れる、焼肉の街北見市の一大イベントです。

そんな北見市が取り組んでいるのが、新しい働き方「テレワーク」

2015年ごろからふるさとテレワーク推進事業を立ち上げ、Uターン・Iターンで地元に戻り働く人材を誘致するため活動を開始。「ITで地域の需要を高めよう」と、その後地元企業や北見工業大学と連携して「北見市IoT推進ラボ」を創設しました。現在も、IT企業の北見進出をあらゆる面からサポート。進出から3年間、本社と北見の往復にかかる航空運賃の50%を補助する「航空運賃補助金」をはじめ、オフィス賃料の一部を補助する「IT企業進出支援補助金」、市外からの移住者1名につき5年間で100万円を補助する「雇用補助金」など、市を挙げて全面的にサポートしていることがうかがえます。

▲熱く語る西野さん。実際の経験を元にしたお話に、ついついうなずいてしまいます。

都会と地方で感じる「2時間の差」

「都会の24時間は、地方の26時間だと思うんです」。そう語るのは、北見市テレワーク事業の火付け役の一人、マーケティングコンサルティング会社を経営する株式会社ロジカルの西野寛明さんです。

「やっぱり都会と地方って、時間の使い方が圧倒的に違うんです。例えば、都会に住んでいてリフレッシュしようと思うと、自然を感じる場所に向かうまでに何時間もかかる。それが地方だと数十分で行けたりする。細かいことかもしれないけど、”時間に対する我慢”が都会だとものすごく多いんです。

その他にも、『この仕事をするにはここに住まなきゃいけない』『地元じゃこんなことができないから、都会に住まないと』、そんな”場所に対する我慢”。都会に出て所属している会社や場所が大きくなればなるほど、自分ではない誰かの許可を得ないと動けない、なんて場面がすごくあると思っていて。自分の意思で物事が決められない、”謎の決済機構による我慢”みたいなものもありますよね。みんな知らず知らずのうちに、たくさんの我慢に縛られて生きているんです。

僕はそれがすごくもったいないと思う。いろんな我慢に縛られながら息苦しく過ごすよりも、少しでも我慢のない場所で自由に暮らしたいと思うんです。それが地方でなら叶えられるな、と思って地元に帰ってきました。過ごす場所を変えるだけで1日2時間増えた感覚になるって、すごいことじゃないですか?」

そう語る西野さんは、実際に東京の証券会社で働いていた経歴があります。退職後、地元である北見市に戻り、地方での働き方を考えた際に出会ったのが「テレワーク」。株式会社ロジカルを立ち上げ、コワーキングスペースとして「TAYUMANU」を北見市中心部に開設。同時に運営を開始しました。

▲コワーキングスペース「TAYUMANU」。オホーツクのテレワーク文化の先駆けに。

当時はまだ認知度が低く、新しい概念だったコワーキングスペース。「TAYUMANU」が反響を呼び、北見市をはじめとするさまざまな団体・会社と取り組むテレワーク推進事業に発展。現在の「サテライトオフィス北見」へと繋がっていきました。

▲サテライトオフィス北見。現在はテレワークの中心地として、様々な人が利用。

「はじめは北見市も、都市部のIT企業を誘致しようとしました。テレワークという働き方と、場所を選ばないITの親和性が高いと思ったからです。でも活動していく中で、”企業ではなく人を誘致したほうがいいのでは?”とチームが気付きはじめました」。

企業にフォーカスを当てたとしても、実際に住み働くのは「人」。やはり、都市部で暮らす人に”北見に戻って来てください” ”移住してください”と言っても、実際には難しいのが現状。遊びにやってくる観光と、実際にその地で暮らす生活には大きな差があります。それならば、企業だけではなく人に焦点を当てることが大切。

そこで考えたのが、「ふるさとテレワーク」の活用。家族と一緒に北見に滞在しながら、いつもの仕事はリモートで実施。サテライトオフィスにテレビ会議がいつでもできる場所を整えることで、コミュニケーションのストレスなく業務を行うことが可能になりました。オホーツクならではの自然を感じる観光を楽しみながら、地方で暮らしていくイメージを体感してもらう。北見で暮らし働く、その生き方の良さを広げていく活動を始めたのです。

テレワークは手段?地方で生きるメリット

そのために必要なのは、まず知ってもらうこと。

楽しく自由に暮らす手段としての「テレワーク」という言葉ではなく、暮らし方と地域のビジョンを共有するべく「オホーツクバレー」に名称を変更。北見市、そしてオホーツクの魅力をよりわかりやすく伝えながら誘致を進めていくことにしました。

「テレワークって、あくまで手段の名前なんです。本質的には、”ひとりひとりが自分らしい生き方を選べる”っていうこと。それに気付いてもらうことの方がずっと大切だと思います。だからあえてテレワークという言葉を使わずに、『オホーツクバレー』というキャッチを使うようにしました」。

コミュニティは地元の中で完結してはいけない、と続ける西野さん。コミュニティの中で満足するのではなくそこから積極的に広げていかないと、それこそ一部だけが盛り上がってで終わってしまう。全国にいる人たちと、大自然の中で自由に暮らすビジョンと風土感を共有していきたい、だからあえて”北見”というワードを使うのではなく、流氷が訪れ、自然遺産もある私たちの生活フィールド”オホーツク”という広いくくりのネーミングにしたと語ります。

▲北見焼肉を広めるヤキニキストとしても活動。本当に生活を楽しんでいるのが伝わります。

「北海道の中でもオホーツクって、本当に豊かだと思うんです。自然に囲まれていて、それを肌で感じながら生活ができる。人は温かいし、食べ物も最高に美味しい。北見市はその中心に位置していて街も比較的大きいから買い物もできるし、夜にはお酒を飲みにもいける。そして地方だからこそ感じられる、ゆったりした時間の流れもある。縛られない生活を営むには最適な場所だと思うんです」。

オホーツクには「我慢しない生活」がある、と話す西野さん。電車で人に押しつぶされそうになる通勤時間や、都市から離れ羽根を伸ばすためだけに遠出する移動時間。仕事のために住む場所や環境を選ぶ、生活に対する我慢。そんな時間への我慢や、生活への我慢から開放されるのが地方で暮らすメリットだと考えます。

「最近はいろんなところで”自由に生きよう”って言葉を聞くじゃないですか。でもそれって、つまるところは”我慢しない生活を送ろう”ってことですよね。テレワークという働き方を使えば、そんな『我慢』から解放される。自分が暮らしたい場所で、好きなことをしながら好きなものに囲まれながら生活することができる。本当の意味で自由な人生を送りたい人って、実はたくさんいるんじゃないでしょうか?

IT×オホーツクが持つ可能性

▲オホーツクバレーの詳細は公式ウェブサイトから。(https://hatarabu-kitami.com/)

「我慢」から解放され、自由に生きる。そんな生き方、働き方を後押しするのが北見市IoT推進ラボの取り組み、そしてオホーツクバレーです。

現在参加しているのは、以下の3社。

・株式会社アイエンター

▲「楽しむを世界へ」を標語に掲げる通り、「自然体で楽しく仕事をしよう」というムードで、気づけば成長企業。

・株式会社要

▲遊び心たっぷりな企業文化。社長も含め、面白いことならなんでもやっちゃえ、という雰囲気があります。

・株式会社Zooops Japan

▲ライフスタイルに合わせた仕事環境推進で、TOKYOテレワークアワード推進賞受賞!

いずれも本社は全て東京にありますが、オホーツクバレーが掲げる地域ビジョンに賛同し、北見市IoT推進ラボに参画。フルリモートでの働き方が可能で、現在すでに北見市で暮らしながら働いている社員も。待遇も東京の社員と変わらないというのですから驚きです。この自然に囲まれたオホーツクで、新しい未来を一緒に作ってくれる人を募集しています。

現在は前述にもあるように、ITを利用したオホーツクだからこそ出来る技術を開発中。北見市が誇る世界的に有名なスポーツ・カーリングを利用し、選手の姿勢推計を画像だけで解析するシステムや、雪国ならではの環境を活かして道路状況を管理するシステムなど、その内容は様々です。北見工業大学や地元企業との提携もあり、地方で暮らしながら都市部で行われている開発に携わることのできる会社ばかり。

また、このオホーツクバレーを参加企業、北見市と一緒に運営するのが西野さんが代表をつとめる株式会社ロジカル(http://rogical.co.jp/)。地方と都市部を結びつけ、この北見市のテレワーク推進事業を牽引する会社です。「オホーツクバレーやサテライトオフィスの運営に携わってみたい!」「北見で新しい環境・生き方を創造していきたい!」そんな想いを持った人も募集しています。

「我慢することが嫌になってしまった人や、何かに縛られることのない自由な生き方が好きな人には本当に最高の環境だと思います。自然を取り入れた暮らしはしたいけど、買い物など都市的な経済活動も諦めたくない!という人には、北見市での暮らしはぴったりなバランス。ぜひおすすめしたいです」。

「自由=我慢しないこと」。オホーツクで本当の自由を!

▲オホーツクバレーのパンフレット。北見からグローバルな仕事を。

「都市だからできる、地方ではできない」なんて考え方は、もう昔になりつつあるこの時代。こんな今だからこそ、「テレワーク」という新しい働き方を取り入れてみませんか?
きっと、都市ではない自然とITの技術が共存する環境で、「我慢しない自由な人生」を過ごすことができるはず。日本の北端・オホーツクから、今新しい未来が生まれようとしています。


取材・文:松井 菜依加(まつい なえか)
北海道北見市出身。北海道武蔵女子短期大学卒業後、道内金融機関に6年間勤務。2020年退職、フリーライターとして「Produce One」を設立。北見市に拠点を構える映像制作プロダクション「株式会社北映Northern Films」チーフマネージャー・ライター。執筆ご依頼は下記から募集中!
mail:treeclow13★gmail.com(★→@に変更してください)

▲松井菜依加

撮影:中西拓郎(一般社団法人ドット道東)

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一般社団法人ドット道東の公式アカウントです。 2020年6月に道東のアンオフィシャルガイドブック「.doto」を発行。累計発行部数1万部を突破しました! 本誌は、2020年度日本地域情報コンテンツ大賞にて、地方創生部門最優秀賞(内閣府地方創生推進事務局長賞)を受賞しました。