見出し画像

余暇と幸福度の関係を考察

 『非生産的・受動的(テレビ・インターネット)』なスタイルで「多くの余暇(7h)」を過ごす人の幸福度は低くいが、『生産的・能動的(運動・趣味・ランニング)』なスタイルで余暇を楽しむ人は、「適度な余暇(3.5h)」の群と同じくらい幸福度が高かった。

 要するに、余暇の時間を受動的に過ごすと幸福度が低くなり、能動的に表現や創造をして、生産的な余暇を過ごすと幸福度が高くなる。

 この現象には脳のDMN(デフォルトモードネットワーク)という機能が関係している。この機能は、適度に働けば、脳に溜まった情報の整理などを行って最適化してくれるため、この情報過多な現代では重要な機能だ。

受動的なスタイル(脳が意識的な活動をしていない状態)だとDMN(デフォルトモードネットワーク)が作動するが、能動的なスタイルだとCN(セントラルネットワーク)が作動する。

 アイデアや閃きというのも、DMNによる脳の整理中に情報同士が運命的に巡り会って、生まれるものである。

 しかし、この機能が働きすぎると、副作用的に「未来に対する不安や心配」などといったネガティブな要素、意識状態が生成されてしまう。実は、この機能は、私たちが狩猟採取時代の先人から受け継いだもので、生存確立を上げる役割を担っている。

 だから「受動的で生産的でない時間 ⇄ DMNが働く」の時間が多いと、「未来に対する心配」というようなネガティブなプログラムが作動する。
 しかし、この機能が生じさせる現象は不具合でもある。なぜなら、そのような機能は、約600万年に及ぶ狩猟採取時代の環境に適合するために人間に備わったものに過ぎないからだ。

 要するに、私たち人間の脳は、約600万年も続いた狩猟採取時代の環境に最適化された人間の脳と、ほとんど変わっていない。私たちの脳は今もサバンナにいる。その環境に最適化された脳が、文明化された現代の環境にいるからミスマッチ、錯覚が生まれる。

 このミスマッチを解消して、現代に適合した意識状態を作るには、メタ認知的に人間の脳の癖を理解し、物事の錯覚を理性によって復元すればいいのではないか。自分の認知を認知する、自分の錯覚を認知して理性で直す。

 具体的には、俯瞰的、メタ認知的な角度から、上記で書いたような「錯覚が起こるメカニズム」を理解するなど。

(参照元:余暇が多すぎても幸福は下がる、重要なのはバランス、中庸!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?