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塹壕日誌

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塹壕の奴隷博士
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記事一覧

光晴・賢治・信夫・周一

午後はなにをしていたのかわからないうちに真っ暗になる。雪の心配で外を見ながら珈琲だの紅茶だのを飲んだりうたた寝したり(今朝は四時半の早起きだった)していたらしい。金子光晴が1953年頃の『群像』に書いた詩論(エッセイ)途中まで。一見とりとめのない「論文」的な意識の対極で書かれた文章なのだが、やはり表現の発想に底知れぬものが感じられてある意味おそろしい。こういう読書にもどったのは久しぶり。ここしばらくはシュタイナーばかり読んでいて、それが独逸語の解釈の勉強のようで捗らない。今読

新型コロナとワクチンに関するメモ #1

気候変動もコロナ対応も、問題として①科学的・合理的判断(観測)と②政治的思惑(含利権・利害)と③ある種の信心が三つ巴というよりもごた混ぜになっている場合が多いと思う。①のつもりで主張していても②あるいは③と見做されることを怖れる。論者の頭の明晰さを示す試金石になっている気がする。 ③の場合、ある種の信仰に依って輸血を拒否する場合と同じようにワクチンを拒否する人もいるかも知れない。これと全く変わらないと思うが、自分の科学への信仰を証す意味でワクチン接種を主張する人もいるような

個人主義についてのメモ

「個人主義」と「利己主義」が判別されないと全体主義に堕ちてしまう(自民党憲法改悪→全体主義はこのポピュラーな誤解を利用する)。個人主義の意味は吉野源三郎『君たちはどう生きるか』でも取り上げられてたような気がする。キリスト教は(仏教も?)究極的個人主義に基づく利他主義だと思ってる。 臨済を読み始めて(禅)仏教にもキリスト教に通じる今ここにいるおまえ自身が「仏」(基督教なら「神の宮」)であるという認識(開悟!)があることを知った。少なくとも、キリスト教圏で云う個人主義(indi

自由大工団

ぼくは大工の孫で、伯父も建築家だった。祖父は遠のむかしに死んで会ったことはない(奈良で鹿と遊ぶ良い写真は見たことがある)。宮大工だったらしい。数年後「退職」してから、ぼくも「大工」になる計画が浮かんできた。今までの過去の経験もどこかで融合すると思う。 今までの仕事は基礎研究で、人類の遠大な計画に資することはあっても、直ぐにだれかの「役に立つ」というものではなかった。自分でも満足できる良い論文はたくさん書いたが、研究体制(高額な研究機器を含む)に依存する現代科学の性格として、

一色真理・詩集『幻力』 ・・・私的メモ

詩に関わる何かを語るのは限りなく気が重い。少なくとも「詩」が社会的に成立するための形而下的条件として詩集が自費出版できるだけの甲斐性と詩人仲間との交流が持続できるだけの社交性が必要だがぼくにはその双方ともに欠けているのだから。しかも今日は微熱気味で顔が火照っているときている。 文學は政治と違って嘘が効かないものであり、おためごかしの贅言はだれにでも見破られてしまう。おそろしいものだ。 一色真理『幻力(げんりき、と読むらしい)』と為平澪『生きた亡者』について。今日、前者一応

原発事故とコロナ・パンデミック (3月22日のCOVID-19関連メモ)

新コロナウィルスの感染と原発事故(そして原子爆弾)がとてもよく似ていること。原発では核分裂の制御が問題で、核分裂反応で発生する中性子(それを減速して次の核分裂反応を起こさせる)の数を制御棒の挿入によって制御して連鎖反応=核爆発が起きないような定常状態を維持している。 パンデミック(現在の処、オーバーシュートとか爆発的感染とか呼ばれているみたい)が核分裂制御に失敗して核爆発を起こしたチェルノブイリ原発に対応することになる。両者には図解できるような対応関係があって、数学的には似

三浦瑠麗氏のツイート「大衆的な民主主義の時代においては、一番の権力者は民衆です。彼らに全く受け入れられない「アート展」には持続可能性がありません。」2019年9月26日、に関するメモ

https://twitter.com/lullymiura/status/1177033118747783168?s=20 「大衆的な民主主義の時代においては、一番の権力者は民衆です。」この”命題”を分析するだけでも、三浦氏の欺瞞が明らかになりそうな気がする。 「大衆的な民主主義」。民主主義は民主主義であって、それ以上でもそれ以下でもない。”大衆的”と限定することで、民主主義の”スペクトル”を拡張しようとする意図が読み取れる。それは日本国の「権力者」が従うべき”日本国憲

映画 『ホワイトタイガー ナチス極秘戦車・宿命の砲火』

ホワイトタイガー ナチス極秘戦車・宿命の砲火(字幕版) https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B07WDRD46C/ref=cm_sw_tw_r_pv_wb_Hpni1xYiPA2tu… 遅い昼飯のついでに見終わる。もっと集中して観たかった。アマプラの非ハリウッド映画には掘り出し物が多いかも。「彼は戦車の神を信じている」。 ロシアの土俗的神秘感情のような、基督教化以前の宗教感情の名残のようなものが戦争という人間の原初的経験において

1月5日朝の高慢と偏見

https://twitter.com/koike_akira/status/1081170480084574209 ↑ 自民党の議員同士でどんな会話してるか想像がつく。。。 「こんな人たちに負けるわけにはいかないのです!」 ほんとに無教養・無思慮だが、金と権力にだけは人一倍目がないオッサンたちに日本は牛耳られてる。そういう人間たちにぼくらは苦しめられてる。 昨日、(詩の関係で)相互フォローの若い女性だと思われる人が太田弁護士を批判しているらしきツイートを見て引っかかっ

行為の正四面体

行為の正四面体。 各頂点に、 独逸語の勉強、 量子論的存在論の勉強、 サキソフォンの練習、 そして、 社會、 を置く。 その正四面体が、 人智学を抱え込んでいる。 その正四面体が、 ぐるぐる回っていて、 そこからときおり詩が飛び出してくる。 そんな生活をしようとおもふ。 (玉村豊雄・料理の四面体のパクリだ) 2012-11-26

世襲議員キチガイ殿様説

ぼくの世襲議員キチガイ殿様説は正しいと云うことですね。@motonosuke0328 自民党は堂々と推進しますよ。悪の本態を目撃することになるでしょう。原発を止めれば経済が崩壊する…このひと言が、国民と各支持基盤で十分に通用するのです。もう、実績は作りました。株価が上がった。 刃向かう百姓どもは、ノコギリ挽きにせい! と言うより、封建時代と変わっていないだけなのか、日本の民百姓どもが! そうじゃない。皆、武士のつもりで、忠信に及んでいるだけだ。 殿様の人形の前で。 黄金

年末年始の記録 2013-01-02

2012/12/30 生活保護の減額に賛成の国民が多いと言うのは本当かどうかは分かりません。問題はそれが明確な『ネオリベ戦略のキャンペーンの一環』だと云うこと。私はベーシック・インカムがいいと思います。働く者も働かざる者も等しく食うべし。見かけは健康でも、今の労働環境では働けない人も実際にいるのです。 基本的な観点は、現在の人類の生産性は極めて高く、地球上すべての人間が人間らしい暮らしをするためには十分だと云うことです。富が極端に偏在しているのです。その富裕者たちが世襲的

科學の影

研究報告會。何十件も発表があった中で、ぼくの講演が一番受けた。質問攻めにあう。ただ、日頃からボンヤリ思っていた科學観の相違がはっきりした。見えないものの影からその本体の像を描くのが科學だと私は思っているが、日本の一般の研究者は、本体が見えなきゃ科學じゃ無いと信じているらしい。 本体が見えないにも関わらず、その影を追い続けることで、正確な本体の像にたどり着くのが科學の醍醐味なのだ。技術的な進歩が本体を直接見せる何十年(百年)も以前に本体の像を得てきたのが科學の歷史である。日本

木原孝一のプラトニズム

・・・・ なぜなら、人間の二分の一、半人間としての男性の眼が見通しただけでは、この世界に在るすべてのものの意味はみえないからである。 それらのものの、全体的な意味を見いだして、それを読み取るのは、半人間である男性と、もう一つの半人間である女性の、この二つの眼が一つの眼に合致して同時に世界を凝視したときである。 私たちが全き個である人間としての自己を意識し、全体性を求めてその二つの眼の一致を求めはじめたとき、私たちは詩への渇きを感じる。詩と愛とに対する高貴なる飢えと渇きは此