N氏からの手紙:詩集『聲』について
研究會の先輩N氏から分厚い封筒が届いた。開けてみると便箋十八枚にびっしりと書き綴られた詩集『聲』の批評・感想だった。黒インクの流麗な達筆でところどころ読み取れない部分は推測で読んだ。ぼくはコロナ以前から研究會も出なくなって、すでに五年近くはご無沙汰しているのではないだろうか。
関係者に詩集を送付したのは昨年十月のことで、大方の反応(ほとんどがぼく個人宛のもの)は出尽くしたあとだったし、期待した詩誌などの出版物の反応も知る限り完全に無視された格好で、思うようには詩界に受け入れ