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中国で半導体の生産停止

アップル、テスラの半導体サプライヤーが中国の電力危機で生産を停止

🟩電力供給のため半導体生産停止

アップルやテスラに半導体を供給する、中国のいくつかの半導体工場で今週生産を停止しています。年末に向けた電子機器の需要のピークシーズンで、商品不足になる可能性があります。産業用電力供給を停止するという中国政府の方針への対応のため、上海郊外の江蘇州と蘇州にある工場に電力が供給されないという事態のためです。

🟩中国政府の環境政策

中国は石炭供給の逼迫と排出基準の強化により、エネルギー削減量を従来の2倍にする目標を掲げています。産業用電力供給の停止は、中国政府が最近、遼寧省、吉林省、黒竜江省などの州を対象に、総エネルギー消費量の削減に失敗したことを発端としています。目標を達成できなかったため、より厳しい罰を科すことために多くのハイテクメーカーが拠点を置く江蘇省、浙江省、広東省などの他の省は、産業用電力供給の制限の対象となっています。

半導体工場は後工程が対象

半導体後工程の最大手ASE(日月光投資控股 )の江蘇省昆山市の工場も日中の電力供給が遮断されていて、一部は工員を夜勤シフトにして生産を対応しています。東南アジアで半導体後工程の生産力が低下しているため、後工程の生産能力の低下は半導体不足の追加要因になるかもしれません。

一方で蘇州にある前工程ファンドリーのUMCの河間工場は現在ウェーハをフル稼働させています。半導体の前工程は一度電力を遮断すると、現状に回復するために非常に大きな時間がかかり影響が大くなります。中国政府もそれを理解したうえで、ハイテクの中でも影響が少ないところ狙い撃ちにして、エネルギー削減に本気で取り組む姿勢を見せているようです。

🟩まとめ

中国政府のエネルギー削減政策のため、半導体後工程の工場に電力供給が今週停止。影響は限定的だが、半導体不足の追加要因になりかねない。

政府の権力を見せつけるパフォーマンスか、本気で環境政策を進めるためか?いずれにしても、電力を突然止めさせるなんて、日本にはなかなかできない。

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