ドードマン

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最近の記事

【禍話リライト】『怪談手帖』より「魑(すだま)」

「ホントは私の頭がおかしかったということにしてしまえばいいんです」 投資家だという50代の男性Bさんは、そのように切り出した。 それを見たことを証明出来るものが、自分以外にいないのだからと。 「もう随分昔、息子がまだ小学校に通っていた頃。妻が趣味の登山中に亡くなりまして」 余りに突然のことで虚脱感、無力感もひとかたならず、更には詳細は伏せるが、非常に無為なことで妻の側の親族と揉め、絶縁したこともあって、鬱に近い状態になってしまった。 Bさん自身母子家庭で、老母は長年の無理

    • 【禍話リライト】「封の個室」

      これは、【猟奇ユニットFEAR飯】が提供するツイキャス【禍話】にて紹介された、禍話リスナーAさんのおたよりの内容を書き起こしたものである。 一見すると、(ただちょっと変なことがあったんだ~)と思う位の印象の方もいるかもしれない。 しかし、語り手のかぁなっき氏は「ホントこういうこと言いたくないんだけど…」と前置きをしつつ、以下のように語る。 座位の状態で、縊死に至る方法。 その手段についてはあえてここでは言及はしない。 ただ言えることは、 駅や公園、商業施設のトイレの個

      • 【禍話リライト】『猟奇(仮)』より「いじめられっ子のB君」

        Aさんは若い頃に小学校の教師をやっていたが、今は長距離トラックの運転手をしている。 私とはネット上で何度かやり取りをして、親しくなってからこの話をしてくれた。 「これは俺が教師を辞める理由の話なんだけどさぁ…」 新任教師だったAさんは、学校内の問題に積極的に取り組んでいた。 小学校はトラブルが絶えない。 特に手を焼いていたのが、いじめだった。 Aさんの受け持ったクラスでもいじめが起きていた。 ある生徒が【バイキン】と呼ばれ周囲から避けられ、時には集団暴行を受けていたのだ

        • 【禍話リライト】「赤い部屋の女」

          ある大学生サークルのお話。 そのサークルの中に、順調に単位取得できていた3年生男子のグループがあった。 彼らは大学の授業やゼミでの活動以外は、そのサークルでダラダラと過ごす日々を送っていた。 夏季に入ったその日も、いつものようにサークル内で駄弁っていたそうだ。 「あ~彼女ほしいな~出来ねぇな~」 「うちのサークル、男女比率10:0だから無理だよ」 「かと言ってゼミとかでも、可愛いなって思った娘なんて大体彼氏いるし、もうだめだぁ」 「でも学生の頃から、そういうエッチなお店に

        【禍話リライト】『怪談手帖』より「魑(すだま)」

          【禍話リライト】「ピラミッドパワー」

          今から5年ほど前、50代のとある男性に年下の彼女が出来た。 それも「ちょっとお前…年下過ぎないか?」と言われるほどに、年齢に差のあるカップルだったという。 『愛に年齢は関係ない』と思う人もいるであろうが、男性の知人らが不安に思うのは、男性の人間性にあった。 この男性というのが、周囲からは『だらしない男』『ダメな男』だと認識されていた。 より詳しく言うと、最初こそ好印象を受けるものの、関わりを深めていくうちに、節度のない一面が浮き彫りになるという人物なのだという。 そして月日

          【禍話リライト】「ピラミッドパワー」

          【禍話リライト】「デスセックス」

          とある中年の男性Gさんの体験談。 秋も深まり徐々に冬に近づくある夜のこと。 借りているマンションの自室に帰って早々に、隣室の開け放された窓から何か物音が聞こえてくるのに気付いた。 よくよく聞いてみると、その物音というのが明らかに男女のまぐわいのそれだったのだという。 更に女性の出している声というのが艶めかしい扇情的な喘ぎ声などではなく、「ア‘‘ァ‘‘~~~ッ‘‘!ギモヂィ…」とデスボイスとでも形容すべき悪声であった。 (なんでこんな窓開けて…寒いじゃん!聞かせたいのかよ

          【禍話リライト】「デスセックス」

          【禍話リライト】『怪談手帖』より「星泥棒」

          「余寒さんの集めたお話って、片親の話がかなり多いですよね?」 聞き取りの席で、F君はいきなりそう言った。 面食らったが、言われてみればその通りである。 僕自身(怪談手帖の筆者 余寒氏)、母子家庭で育ったから、知らず共感して採用が多くなってしまうものか。 或いは、怪異の出現に心理的な不安状態が関係しているとすれば、ある程度は必然的な傾向であるかもしれない。 そんなことを小難しく並び立てていると、F君が苦笑しながら、 「かく言う僕もそうなんですよ。余寒さんと違って一人っ子で

          【禍話リライト】『怪談手帖』より「星泥棒」

          【禍話リライト】「びちびち金魚」

          「金魚と言うとねぇ、これが因果応報になっちゃうんだけどさぁ…」 そのような出だしで語られたのは、大分県のとある地区にいたある男性に関するお話だ。 その男性は小学生の頃、好きな女の子がいた。 しかしその女の子には、既に付き合っている男の子がいた。 そのような関係でもそこは同じ地区に住む小学生。 女の子の家に行って三人で一緒に遊ぶ位のことはしていたのだという。 例えるなら、『ドラえもんのいないのび太が、出木杉と付き合ってる静香ちゃんの気を引きたいから遊ぶ』といった状況の色恋

          【禍話リライト】「びちびち金魚」

          【禍話リライト】『忌魅恐NEO』より「財布の中を一緒に確認する話」

          ある男性のお話。 男性の記憶によれば、同じ職場の友人の男性と二人でドライブをしていた時のことで、運転の途中である廃墟が目に留まったのだという。 それまで廃墟を見ても行こうとも思わなかったのだが、その時は(大通りに面してるから普通に行けんのかな?途中で獣道とかだったらやめよっかな)と考えて、その廃墟に向かって車を走らせた。 すると険しい道を進んだり、藪をかき分けたりするわけでもなく、何の障害もなくその廃墟に着いたのだという。 (行けたからまぁいいや)と、整備のされていない雑

          【禍話リライト】『忌魅恐NEO』より「財布の中を一緒に確認する話」

          【禍話リライト】「消えるヤンキー」

          ある男性の中学生の頃の出来事。 学校からの帰宅途中にヤンキーから追いかけられた話だという。 その方は登下校の際は、通学路になっている大通りを通っていたのだが、その大通りに並行して、自転車一台がかろうじて通れる程の幅の田んぼ道があったのだという。 ある日一人で帰っている時、高校生位のヤンキー3人が改造した自転車に乗り、その雑草が生い茂る狭い田んぼ道を直列になって走ってきた。 そしてヤンキー3人はその方に向けて、「オイ!オイッ止まれぇ‼」と怒鳴り散らしてきたのだという。 その

          【禍話リライト】「消えるヤンキー」

          【禍話リライト】『忌魅恐NEO』より「気まずい写真の話」

          怖い話をするツイキャス【禍話】。 この禍話への怖い話の提供者の一人に【甘味さん】という方がいる。 この方は廃墟に赴いては、そこで寝泊りをするなどして廃墟内の雰囲気(或いは怪異の気配等)を味わうことを趣味としているお方だ。 この話は、彼女が【廃墟にまつわる話】として同じような趣味を持つ界隈の知り合いなどから聞いた「そりゃ~大変ですねぇ」っと思った話だという。 ある時仲間内で「甘味ちゃんって、○○っていう学校の廃墟に行ったことある?」と聞かれたそうだが、甘味さんの住んでいる地域

          【禍話リライト】『忌魅恐NEO』より「気まずい写真の話」

          【禍話リライト】『怪談手帖』より「きつねの宴席」

          職場の先輩で今は定年退職されたAさんが故郷で聞いた話。 彼が生まれた町には、かつてやんごとない御方も逗留したという、由緒正しい旅館があり、そこの女将さんというのが彼の母方の叔母だった。 この叔母さんが話していたのが、きつねに化かされた話だという。 ある時その旅館は新聞社からの紹介で、作家や画家を含めた集団のお客を迎えた。 お得意様からの紹介ということで一階と二階、それぞれで一番いい部屋を開けておき、客に選んでもらう形にしたのだが、一階の間に着いて「以前やんごとのない御一行

          【禍話リライト】『怪談手帖』より「きつねの宴席」

          【禍話リライト】「外のドアノブ」

          現在30代後半のある男性のお話。 その方は大学生時代、大学近くのアパートの一室を借り生活をしていた。 2年生になりアルバイトを始め徐々に仕事を覚えつつ、大学の講義にも出席し勉学に勤しむ。 そんな生活がルーティンワーク化していたようであり、例えるならば『気が付いたら同じ道しか歩いていなかった』という状態だったという。 そんな生活を送っていたある時、偶々それまで全然交流がなかった学部の人達と授業の中で関わることがあった。 そしてその人たちから「ちょっと飲み行きましょうよ!」と

          【禍話リライト】「外のドアノブ」

          【禍話リライト】『怪談手帖』より「ホトケサリ」

          一人暮らしをしながら、クラブで働く20代のB君から聞いた話。 10代の頃、知り合いの伝手で古くて大きい日本家屋をタダ同然で譲り受け、一家四人で住んでいたのだという。 本当に古くて、ボロボロの家で、要するにリフォーム前提の譲渡であったそうだ。 「でもねぇ、リフォームしなかったんすよぉ」 独特な口調でB君が語るところによると、彼を含めて家族はみな大変ズボラな質で、半壊しているような箇所にも手を入れず、譲られた時のままであったそうだ。 「家なんか寝起きできるスペースがあれ

          【禍話リライト】『怪談手帖』より「ホトケサリ」

          【禍話リライト】「煙の仏壇」

          体験された方の幼稚園児の頃の思い出。 その方は大学生になるまで、父親の仕事の都合で引っ越しの機会が、非常に多い家庭で育ったのだという。 基本的に引っ越し先はマンションがほとんどだったが、ある時期一軒家に借家で住んでいたことがあった。 今となってはどこの家だったかは覚えていないが、この体験はちょうどそんな家に住んでいた時の出来事だという。 その借家と隣の家の境目には壁があった。下からでは無理だが、借家の2階の屋根からその壁に上ることができた。 落下する危険や親に怒られる恐

          【禍話リライト】「煙の仏壇」

          【禍話リライト】「犬はいない」

          怖い話をするツイキャス【禍話】。 この話は、語り手担当の【かぁなっき】氏の職場にかつて勤めていたアルバイトの方から聞いたものだという。 「僕んち犬飼ってないのに、『犬飼ってますね』って言われたことあるんですよ」 こんな出だしからこの話は始まる。 その方の近所に住む人で、夜間や明け方に散歩をする人がいたのだという。 その人がある時、 「ああ、知らなかったけど、犬飼われてたんですね。室内とかでもともと飼ってるのかなぁ」 (何言ってんだこいつ…)と思いつつ、話を詳しく

          【禍話リライト】「犬はいない」