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【禍話リライト】「消えるヤンキー」
ある男性の中学生の頃の出来事。
学校からの帰宅途中にヤンキーから追いかけられた話だという。
その方は登下校の際は、通学路になっている大通りを通っていたのだが、その大通りに並行して、自転車一台がかろうじて通れる程の幅の田んぼ道があったのだという。
ある日一人で帰っている時、高校生位のヤンキー3人が改造した自転車に乗り、その雑草が生い茂る狭い田んぼ道を直列になって走ってきた。
そしてヤンキー3人はその方に向けて、「オイ!オイッ止まれぇ‼」と怒鳴り散らしてきたのだという。
その光景を目の当たりにして、その方は(ウワァァァ!カツアゲされる!)と思い、大通りを必死に走って逃げた。
そしてなんとか無事に逃げ切ることができたのだが、ある疑問が生じた。
というのも、その方に並走しているヤンキー達が走っている田んぼ道は、行き止まりなのだという。
具体的には工場の跡地で、工場の門だけが残され、あとは広大な空き地があるだけとのことだが、「絶対に入るな!」と言われていた場所だった。
そこからぷつりと、ヤンキー達の声が聞こえなくなっていた。
その方からしたら、カツアゲをされたくない為必死に逃げていたのだが、よくよく考えてみたら、走りにくい田んぼ道で、尚且つ最終的には行き止まりのその道からずっと追いかけるよりも、途中で大通りの方に道を変えて追いかけてくる方が都合が良い筈だ。しかしそれっきりで、そのヤンキー達が自分を捜しにくる気配すらなかったのだという。
またおかしな点はまだあった。
下校途中であるため、その方以外にもその大通りを通って帰る学生は何人もいた筈なのだ。『自分だけヤンキーに追いかけられた。』なんてことがあったのだから、心配されるなどのことはあっていいはずなのだが、翌日登校した後も、そういった話題は全然聞かれなかった。
そこで逃げている途中で追い抜いた記憶があった知り合いに、そのことを話したところ「そんなことなかった。そんなことなってるなら、生徒指導の先生に言ってるから。『どっかの高校の悪い奴が、○○君を追いかけてました注意してください。大体どこのところのかわかるでしょ?』みたいなこと位言うよ」と返答されたのだという。
そして続けて「お前の話を信じると、結構な長い距離逃げ回ってるから、それあり得ないよ!大人とかも通ってるところだぞ」と、その方の話を夢か幻だったんだと言わんばかりに否定したのだという。
それを聞いたその方は「怖い!幻の不良や!ナニナニナニ!」と怖がりながらも、あの時の必死に走りすぎたときに感じた、生まれて初めての嘔吐く感覚を思い出し、(夢じゃねぇな…夢だったらそんなことなる訳ないし…)とそう密かに思っていたのだという。
出典:【禍話アンリミテッド 第一夜】
(2023/01/07)(9:17~) より
本記事は【猟奇ユニットFEAR飯】が、提供するツイキャス【禍話】にて語られた怖い話を一部抜粋し、【禍話 二次創作に関して】に準じリライト・投稿しています。
題名はドント氏(https://twitter.com/dontbetrue)の命名の題名に準じています。
禍話アンリミテッド 第一夜(2023年1月7日 通算288回目)https://t.co/YdgsJoh1p8
— ドント (@dontbetrue) January 7, 2023
めくれている/頼まれごと/消えるヤンキー/学校ひとりきり
●おたより「男が十人~屋根裏の髪」
たまり水とふくみ水/夜の祭り
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