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【ある日突然、心筋梗塞 2001年出版】

はじめまして! 22歳からニックネームだけは「どらみ」(当時、オーケストラ団長が ドラえもん、彼より10日 誕生日が遅いと判明!その場で妹=どらみ、になりました^^;

結婚後、姓は変わりましたが、「どらみ」は変わらず・・・(笑)

人生は上り坂もあれば 平坦な道、下り坂もあり、時に「まさか!」に遭遇することがあります。

今の家に越してきて2年目。長男中3,二男中1になり、ようやく少しほっとした 1999年 6月11日未明。 月末に誕生日を控えた 41歳のどらみ。

それまでにも いくつかの山坂を越えてきた私は、本当に突然、命がけの危機「まさか!」=急性心筋梗塞(AMI)に 出会ってしまいました。

こんな大きな病気に会いたい、なんて ひと言も言ってなかったのに・・・
(普通、誰も思わない~~^^;)


1999年6月11日の夜中、そのまま 病院のICUに緊急入院。
当時と現在の医療は隔世の感あり、くらい 違いもあるかと思いますが、

18日間の入院、カテーテル治療、心臓リハビリを経て退院した後、
一か月も経ってから、あることがきっかけで 私はPTSD(心的外傷・俗にいうトラウマ)にもなり、循環器科と心療内科受診を重ねながら、

時には また戻ってしまったんじゃないか? と
凹みながらも、励まされ、助けられ、支えられながら
少しずつ少しずつ 薄紙をはがすように 元気になっていきました。

発病後、時間をおかずに、心臓の専門医に 真夜中の病院で出会えたこと、
夫が 国内出張でもなく 病院に電話して、真夜中の救急外来に 車で運んでくれたこと・・・

数々の幸運が重なって、私は救命され、未だ、生きることを許されている・・
心療内科受診して、心が少し落ち着いてきた頃から、一時期 あれほど思い出すのが恐怖以外の何ものでもなかった「心筋梗塞」という 命がけの大きな病気の経験を、自分ひとりだけのためでいいや・・と、通院の待ち時間などを使って、入院中から 米粒のような文字で書き始めた手帳や記憶をもとに、ノートにメモ、元原稿になるようなものを作り始めました。

よい意味の「まさか!」で、この手記が 発病から2年後。

紙の「書籍」、出版されることになろうとは・・・



医療情報は 前述のとおり、とても古いのですが、

突然、予期せぬ大病に襲われた患者の気持ち、不安、焦り・・・

今、当時より ずっと高齢なのに 元気で動け、楽しく過ごせていること・・

人生観、価値観、すべてが よい意味でひっくり返った この体験記が、

ご自分、ご家族、友人、知人・・・ 

どなたか一人でも ふたりでも お役に立てば 幸甚です。




毎年人間ドック受診の 一週間後に



1999年 6月4日(金)朝から絶食で都内の病院へ。
 誕生月が6月末の私は
都内、夫職場関連の病院で 毎年なるべく6月前半に、
いわゆる「半日検診」を受けていた。
胃の検査は バリウムを飲んでX線撮影。この検査が含まれているので
ちょっとしんどくても 絶食で地下鉄、バスを乗り継ぎ、慣れ親しんだ病院へ。

実はこの検診の2か月前くらい(春)から、ちょっと気になっていることが・・。

左肘の数センチ上、毎回決まったところに、ぴりっ! と、 一瞬電流が走るような痛みが出るのが気になっていた。

 1日1回・・・気にしていると 2回、3回、そんなに頻繁じゃないけれど。
検診当日も、朝の電車やバスの中で、病院到着までに 3回くらい ぴりっ! ときたので、これ、冷房が効いた車内だからかなぁ?

問診のドクターに質問しよう、と 手帳にも忘れず メモしておいた。

検診はいつも通りに・・・


私は毎年、同じ病院で同じ半日ドックと呼ばれる 検診を受けていたので、
この都内病院のカルテには、データが蓄積されている。

検診は 例年とほぼ同じ順番で進み、安静心電図検査(1分間)も まったく問題なく 最後の胃のバリウム検査の後、
前年も このドクターだったな・・ 
温厚、穏やかな医師の問診を受けた。

カルテを見比べながら・・・

H医師は、私の体重と 総コレステロール値、その中でも「悪玉」と呼ばれる LDLコレステロール値が ともに年々 上がってきているのを気にして、 総コレステロール値が 275(前年)と、基準値よりかなり高いので、「薬物治療の対象にもなり得る」とおっしゃる。

当時、健在だった 私の両親も、血圧は低め、他に大きな問題ないのに、
コレステロール値が いつも突出して高めに出ていたので、
おそらく 家族性(遺伝要素大きい)の高コレステロール血症(脂質異常症)だったのでしょう。

わかりにくいのは、検査結果の数値が かなり高めでも、痛くもかゆくもないこと。

正直、甘くみていたので「食事に気をつけて 体重を減らしますので まだ薬は飲みたくありません」と H医師に懇願状態。

仕方ないなぁ~という表情で、
「脂質異常症の食事療法 小冊子をさしあげるので、参考にしながら、体重を少しずつ まずは2-3キロは減らして、
3か月後に、必ず 内科を再受診してください。いいですね?」

結構 厳しめ口調の言葉。
素直に頷きつつ、内心は「痩せたいけど お腹空いたな~ → 絶食で来院して、 もう ほぼ正午」 わるい子だ!(いくつだ!?)。

忘れちゃいけない、、と、問診の最後に、

「ここ2~3か月、左肘の少し上、
決まった場所に、毎日1~数回、一瞬だったり、長くても 10秒くらい、
ビリっと電流が走るような痛みがあるけれど これは どうしたらよいでしょうか?」

私の方から H医師に質問。

先ほど、体重やコレステロール値は かなり気になさっていたが、

この ビリっ! の痛みについては、

「うん、整形外科ですね。午後外来、ここから予約して、受診なさいますか?」 という 軽めのお返事。

いや、この 神経痛のような痛みは、素人考えでも、整形外科じゃない。

空腹にも耐えられなくなってきたし・・・(心の声)

「いえ、整形外科は結構です」 

お断りしてしまった。

「3か月後の 内科受診、忘れずにね」
「はい、どうもありがとうございました」

丁寧にお辞儀して、問診の部屋を後にした。

同じ半日ドックを受けた人たちが、最後に集まる部屋には、

ポットにコーヒーや紅茶 など 飲み物が準備されており、いつも入れないお砂糖を少し入れたミルクティーを飲み干すと、ロッカーで着替え。

さあ、帰りは銀座の あのお店で ひとりランチしてから帰ろう!

コレステロール値、体重の件は ちょっと気になるけど、

とにかく おいしいもの食べて 元気になってから帰ろう!
キムラヤさんの おいしいパンも家族に買って帰ろう!

ここまでは 前年と同じだった。

「まさか!」が ちょうど一週間後の真夜中に 
突然やってくることなど
誰が想像できただろう?

(To be continued  続く)

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