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エッセイ

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2016年7月の記事一覧

奇妙な丼

 仕事で車を走らせているとカーラジオから古いジャズ・ボーカルが流れてきた。声の主はビリー・ホリディ。とても哀しい歌「奇妙な果実」。
 これでもかというほど深く哀しく歌い上げている。
 この歌をきくと思い出す「丼」がある。

 それが、ブラックバス丼。

 琵琶湖博物館のなかにあるレストランで食いました。
 見た目はブラックバス丼とかいてなければ、何の天丼なのか分かりません。

 味?……ですか?

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探し求めて、歩きまわる・・・

オレは相棒を片手に、探し求めて歩き回る。
森のなかを、街なかを、朝を、夜を、雨の中を、風の中を。
目をこらし、空気を感じて、光をみつめ、闇にとけて、
やっと出会えた。
オレは目を輝かせる。

やっと出会えたものに、オレ以外の誰も振り向きはしない。
誰も目に留めはしない。素知らぬ顔で歩き去る。
それでもオレにとってはやっと出会えたやつ。
それは常に心と光と自然とコラボ。
ときに誰かが作った造形のこと

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趣味、、って? じゃ、仕事、、って?

趣味って何? と、考えてしまったのは、Aさんの「あれは彼の“趣味”ですから」と言うのを聞いたから。えっ? 何それ? 彼のあれをそう表現してしまうんだ? と言いたくなった自分に笑えて少し思索。

趣味ってなんだろう? とりあえずアントニムを考える。最初に浮かぶのが「仕事」。次が浮かばないので、仕事との対比で思索しよう。おそらくAさんが言いたかったのも、趣味と仕事の差異というニュアンスだと思う。
Aさ

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鬼太郎に出会う日

日曜日の朝、義務半分である老人介護的送迎をすませると、帰路である平和公園に車をとめてウオーキングをした。ウオーキングといえただ歩くわけではない。常に妄想と思索を交差させながら歩くのだ。

この日は、墓場だけあって鬼太郎に会えるだろうか?という妄想を暴走させながら彷徨っていた。
広大な墓場の周辺には、いかにもそれらしい森や沼もあり、きっと鬼太郎に会えるに違いないとタカをくくっていた。
知らず知らずう

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