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22.高齢犬の後肢機能強化

今、WIZ-DOGで「老犬の後肢は鍛えられるのか?」と題した実験を行っています。開始したのは2023年10月、今月12月半ばに会社のインスタで結果を発表する予定です。

開始時年月齢13歳7カ月のキャバリアと15歳5か月のゴールデンレトリーバーが被験犬となっています。2頭ともスタッフの愛犬で、普通に歩き、普通に走り、食欲旺盛で元気いっぱいのイヌです。

実験内容は下記の通りです。
① 散歩中に階段を上らせる。
② ホエイプロテインを与える。
③ 毎日の散歩では連続して歩かせる。
④ 毎晩、静的ストレッチングとPROMを行う。
⑤ 毎晩、バランス運動を行う。

評価方法は2つ。「実験前後の後肢の太ももの太さを計測してその数値を比較すること」と「衰え具合についてその変化を観察すること」、それだけです。

2頭だけの試行ですので、科学的エビデンスなんてそもそも得ようとは思っていませんし、結果を金科玉条のごとく声高に主張するつもりもありません。飼い主による変化観察など、おそらくひどく恣意性の高い主観が述べられるだろうことも想定内です。ただ、こんなプロジェクトを実行することで、高齢犬の後肢機能強化策について何かしらの今後の課題が見つかったり、WIZ-DOGのスタッフやトレーナー、受講生などが老化防止対策を考えるきっかけになったりすることを期待してやってます。

ハルちゃん(キャバリア)とワグリちゃん(ゴールデンレトリーバー)

階段上り

60~80段程度の階段をゆっくり上らせます。後肢の伸筋が弱ってくるとなかなかカラダを上に持ち上げることができなくなりますし、伸筋は抗重力筋でもあるので、立位を保持する時間も短くなってしまいます。イヌは後肢よりも前肢への自重負荷が大きいので、高齢になるとどうしても後肢の筋力が衰えてきます。その防止策として取り入れたトレーニングです。

ホエイプロテイン

階段上りトレーニングの後に、規定量のホエイプロテインをヨーグルト水などに混ぜて与えます。

最初はBCAAサプリの利用を考えていましたが、筋量増加効果や乳糖不耐のリスクその他いろいろな要因を考えてホエイプロテインHタイプ(WPH)を選択しました。

実は、被験犬2頭とも普段からコラーゲンペプチドサプリを与えています。このサプリの給与目的は別にあるのですが、これにもBCAAがそれなりに含まれていますので、筋量増加目的のWPH給与量はやや少なめに設定しました。

連続した歩行

やや呼吸が荒くなる程度の運動機会を作るために、立ち止まることなくやや速足で連続して歩かせることにしました。毎日です。免疫力維持を狙ったトレーニングです。

静的ストレッチングとPROM

毎晩就寝前に後肢のみ3種類の静的ストレッチングとPROMをやらせます。ストレッチングは軟部組織の柔軟性を維持する目的、PROMは関節機能を維持する目的でやらせます。

バランス運動

毎晩就寝前にバランス運動をやらせます。しっかり外を散歩できている犬であれば、特にやらせる必要性はないのですが、高齢になるとどうしてもバランス感覚が衰えますので、飼い主の気休めも兼ねてやらせることにしています。

2頭ともそれなりに高齢ですので、様子を見て少しでも違和感を覚えたらすぐに実験を中断あるいは中止します。いい結果が得られるかどうかよりも、2頭の体調を崩させない方がはるかに大切ですので。。。あしからずよろしくお願いします。

以上が、「WIZ-DOG LABO 老犬の後肢は鍛えられるのか?」実験プロジェクトです。これからも無理しない程度にこんな実験をいろいろやってみようと思います。


科学的思考を育てるドッグトレーナースクール ウィズドッグアカデミー

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