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退職代行モームリが利用者データを公開していたので見てみた

どうも、ゑんどう(@ryosuke_endo)です。

退職代行、流行ってますよね。流行ってるってのもどうかと思いますよ。「会社を辞めるのに直接いえないのはどうなんだ」厨も出てくるでしょうしね。

退職代行の大手といっていいのか、第一人者といえばいいのかはわかりませんが、退職代行モームリを運営する株式会社アルバトロスが20234年8月に、累計15,934名もの利用者データを公開しました。

わずか2年4ヶ月で相談件数28,000件、退職代行実施件数15,000件を突破したそうですから、想定よりも多い印象です。

この数字が表す意味ってなんなんだろうってことが素朴に気になったので、少し考えてみることにします。


採用のミスマッチ - 表面化しない構造的問題

公開されたデータを眺めてみると、新卒採用者の利用率が特に高いことがわかり、しかも早期に退職していることがわかります。

4月に15.41%、5月に14.15%もの新卒社員が退職を決意しており、この時点で採用のミスマッチが起こってるんだろうなってことが容易に想像できてしまうわけです。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000019.000103965.html
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000019.000103965.html

利用者属性を業界別に見ると、サービス業(17%)、製造業(10.6%)、医療関連(9.7%)の順で利用率が高くなっています。これらの業界に共通するのは、労働集約的な特性と、人手不足を補うための急速な技術革新やグローバル化による競争激化の影響を強く受けている点でしょうね。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000019.000103965.html
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000019.000103965.html

これらデータが示唆するのは、採用プロセスにおける情報の非対称性の問題なのかな。企業側の提示する情報と、実際の職場環境や業務内容との間にギャップが存在し、それが入社後短期間で顕在化していると考えるのが妥当でしょう。

さらに見なければならないのは、利用者の63.2%が勤続6ヶ月未満だという点。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000019.000103965.html

これは、入社直後のオンボーディングプロセスに重大な問題があることを示唆しているといえそうです。新入社員の期待と現場の実態のギャップ、そして彼らのキャリアビジョンと会社が提供できるキャリアパスのミスマッチが、早期離職の主要因となっている可能性が高いのではないでしょうか。

つまり、企業の採用プロセスと初期教育の在り方に根本的な見直しが必要であるってことで、メディアには先輩社員や上司が成長を期待して「自分で考えろ」とか言ってねえで答え教えろや!的な新人側とのギャップが発生しているなんてありますけど、その情景は端的に就労観の違いを示しているのかもしれません。

ただ、職場の実態をより正確に伝える仕組みや、入社後の期待値管理の重要性が浮き彫りになっていることは否定できないでしょうね。

退職代行サービスの台頭が示す意味

退職代行サービス利用の最大の理由として挙げられているのが「ハラスメント」が挙げられており、全体の33.9%がこれが理由だとしています。でも、この数字をそのまま受け取るべきじゃないでしょうね。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000019.000103965.html

「ハラスメント」の定義や認識って、世代によって大きく異なる可能性がありますよね。若い世代が「ハラスメント」と感じる行為の中には、従来の日本的経営では当然とされてきたコミュニケーションスタイルも含まれているかもしれませんからね。

ここには、世代間の価値観とかコミュニケーションスタイルのギャップがあるはずで、一概に一方の意見を鵜呑みにするわけには行きません。

もう少し考えると、直接の退職交渉を難しくしている日本的な組織文化の問題も無視できない気がします。

「和を乱したくない」「角が立つのを避けたい」という余計な意識が、健全なコミュニケーションを阻害し、結果として退職代行サービスの利用につながっているんじゃないでしょうか。

すでに20回以上利用されている企業の中で、人材派遣会社が64回で断トツってのも日本っぽいですよね。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000019.000103965.html

未来を見据えた組織づくりに向けて

じゃー、これらの問題に対処するために何したらいいのって話ですよ。

まずは何においても採用プロセスが大きな課題みたいですから、透明性を向上させなきゃいけないでしょうし、世代間ギャップを埋めるコミュニケーションの構築、何より組織文化の根本的な見直しが必要です。

特に重要なのは、「辞めさせない」という発想から「選ばれる会社になる」って発想の転換ですかね。

もう、企業が雇ってやってるんじゃないですからね。労働者に選ばれる側だってことを企業側も認識を改めないと、人手不足が加速化していきますよ。指数関数的に。

これって、経営者自身の意識改革が不可欠で、若手社員の価値観や期待を理解し、それに応える形で組織を変革していく勇気が必要。失敗を許容し、多様性を尊重する文化の醸成なんてのは経営者しかできませんからね。

若者をいじめたくていじめてるわけじゃないんだけど、若者から選ばれるような組織にならなきゃいけないだなんて、難しい注文ですよ。

でも、そうでもしなきゃ企業内人員の年齢は高くなっていく一方で、未来なんか考えられなくなっていっちゃいます。そのままじゃダメですよね。

おわりに

いやー、退職代行サービスの台頭は、日本企業にとって警鐘であると同時に、変革の機会なんでしょうね。この現象から学べることは、柔軟に組織を変革していくことの重要性でしょうか。

退職代行サービスの存在を否定的に捉えるのではなく、それを組織の健全性を測る一つの指標として活用し、より良い職場環境づくりに生かしていくしかありません。

そんな前向きな姿勢を持っている企業なら、選ばれる側に慣れそうな気がします。

「働きがいのある職場」、なんてのは言葉にすると簡単ですが、それを構築していくのは容易じゃありません。

だけど、経営者のみなさんはそういうヒリヒリする思いをするのがやめられないから経営者なんでしょうね。カッコいいですよ。

ではでは。
ゑんどう(@ryosuke_endo)


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