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転職をすることは怖くないが、業種や職種の初心者になることは少し気構えが必要。

先日、とある方から「あなたは転職の回数が多いし、今は在宅のフリーランスとして活動してるんだから、私の転職相談に乗ってほしい!」と相談を受けました。

ちょっと違和感のある切り口でしたが、それとなくボクのことを評価してくれているのかもしれないなぁ…と思い、ひとまず受けてみることにしました。褒められることは悪い気はしませんからね。

どんなことで相談をしたいのかと若干の気構えと興味のなさを隠しながらオンライン上で話を聞いてみると、どうやら転職をした経験がないらしいことから転職をしていいものかどうかを悩んでいるとのこと。

過去に両親や親戚から「転職をすることは現在の職場への裏切りにあたるのではないか」とか「転職をする人間は物事を中途半端なまま投げ出すようなヤツだ」と呪いの言葉を散々浴びせられてきたらしく、それが彼の魂を地球の引力に縛りつけているようでした。

随分と極端な精神論を振りかざされてきた上に強権的な支配を受けてきたがために縛りから解き放たれることを願うばかりですが、ボクみたいな瑣末な人間にはそんなことできませんので、転職相談に応えるだけにしました。

どうも、ゑんどう(@ryosuke_endo)です。

転職は"リスキリング"である

世間的には大人が学び直したりすることをリスキリングと呼ぶらしいのです。すでに保有しているスキルや経験、思考や行動の仕方など、仕事をするうえで発揮しているそれらのものを刷新・更新する過程をリスキリングとすることができます。

なーんで最近はリスキリングだなんだと言われるようになったのか。

技術の進歩だとか経済の変化、業界の局面転換や業界シフトなど、そういった社会や会社が変革する状況に個人が対応するために必要となるもので、30年前よりも今は、あらゆる面での速度感が上がっているからです。

OpenAI社がChatGPTを一般公開したのは2022年11月ですが、そこからのアップデートされる機能や情報が「明日にはまったく異なること」になる可能性すらあるほどに高速化しています。

こんな世界線の中で個々のキャリアの成長と継続的な雇用されることを保証するための重要な因子として機能するのがスキルや経験などの個人が保有する人的資本なわけで、世俗がアップデートするのなら個人も...と個人にも高速アップデートが要求される世界線になってしまった。

こういうわけです。

この文脈に沿っていくと、転職もリスキリングの一種であると言えるはずです。なぜなら、新たな職種や業種に挑戦することは既存のスキルや経験が通用しない状況に追いやられるから。

これまでに保有してきたスキルや経験を捨て置きながら自らを再編成する、適応能力を高めなければならないわけで、転職をすることによって半ば強制的に自らを編成し直さなければならない状況に追いやれるわけです。

立派なリスキリングだと言えるでしょう。

転職で失うものは過去の遺物

転職をすることに心理的な敷居が高かったり、これまで身につけてきたスキルや経験を手放してしまうのではないか。ひいては、現在手にしている収入を手放さなければならないのではないか。

そんな風に戦々恐々としている人たちがいるのでしょう。冒頭の彼も親族からの呪詛があるとはいえ、彼自身も自らの"功績"を誇っており、それを捨て去っていくことへの未練がありました。

しかし、そんなものは過去の遺物です。

過去の遺物とは、過去につくられた現在では誰にも知られず旬を過ぎたもののことを言います。

過去に得てきた実績など、3ヶ月、6ヶ月、1年、2年、3年と経過していけば、どうやったって誰も覚えていない状態になり、結局、覚えているのは自分だけってことになりますよ。

それに縛られてしまう時間や感情のほうがもったいないでしょ。

同じ職場に居続ける限り、次のあなたになるような実績や成果を出す人は生まれるし、どうやったって過去の記録を塗り替える人は出てくるものですから、そんなことを気にしていては前に進めません。

前に進めなくなった人がどうなるのかいうと、いわゆる「老害」と呼ばれる存在になってしまいます。

自分の意見は曲げず、自らの主張こそが正義で、その説明をするために20分は平気で喋り続け、挙げ句の果てに自らが得てきた成功譚を延々と話し始める…。

そんな人にならないようにしたいじゃないですか。

初心者のすゝめ

転職することはつまり、業種や職種の初心者になることです。

ドラクエの転職システムよろしく、転職をすることによってレベルが1になることは決して悲観的なことでもなんでもありません。むしろ、歓迎すべきことでしょう。

それまでに得てきた知識や経験、スキルが消えるわけではありません。むしろ、それがあるからレベル1だとしても冒険を続けることができます。

まっさらな何のスキルも持ち得ていないレベル1だとしたら考えられないような選択肢を、転職を経たレベル1であれば何の問題もなく選ぶことができるでしょうし、直面した困難も乗り越えることができるはず。

初心者になることの何がいいのか。
新たなる選択肢を得ることができることでしょうね。

転職前にレベルが20まで高めてきたのに、転職をすることによってレベルが1になると、ステータス的には少しさみしい数字が並んでしまいますが、転職前に習得してきた知恵や経験がなくなるわけではありません。

発揮される能力やスキルがフルで活用できないかもしれませんが、少なくともそれまでの経験を経てきたからこそ発揮できるスキルと経験があります。

レベル1となってしまったとはいえ、それらを駆使することによって確実に転職前よりもステップアップできるようになるでしょうし、その踏み台を何段も乗り越えている人の方が魅力あるステキな人材だといえませんか。

だから、ドンドンと初心者になっていきましょうよ。

おわりに

…と、上記してきたような内容を冒頭に記述した相談主にしたのでありました。

もちろん、途中途中で「でも…」とか「だって…」とかいってましたから、戸惑いがあったのであろうことはわかります。しかし、相談を持ちかけてきたのですから、それに懸命に応えるのが筋でしょう。

あ、普段、キャリア相談とか受けている際に上記してきたような態度なのかといったら、そんなことありませんよ。彼は旧知の仲でしたから。

もちろん、転職をすることで給与が下がるとかって状況を踏まえて初心者になろうとするのって心理的な敷居も高くなるし、何よりも怖いですよね。わかります。

そういう状況を生み出してしまっている経済状況がいいとはいえませんが、少なくとも個人として幸福を得ようとするためにどうしたらいいのかってことを考えていくと、転職を選ぶこと自体はいいんじゃないですかね。

まぁ、ボクは在宅フリーランス(引きこもり失業者)ですけど。

ではでは。
ゑんどう(@ryosuke_endo)


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