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自社が「ゆるブラック」だった場合に広報の立場でできることを考える

どうも、ゑんどう(@ryosuke_endo)です。

「ゆるブラック」ってご存知ですか。

ブラック企業といえば、過度な残業やサービス残業が当たり前で休日出勤も辞さず、休憩時間もまともに取れないような労働基準法など無視した「定額働かせ放題」を地でいく厚顔無恥な会社のことを指しますが、最近では「ゆるブラック」と称される職場があると言います。

パワハラや離職を避けるため、若手人材に向けて過度に緩やかな接し方をしてしまうがために、そんな職場の雰囲気や風潮に「成長できない」、「機会が与えられない」といった不満を抱いてしまい、離職を促進することになってしまう職場のことです。

ブラック企業では、従業員が過労やストレスにより精神的・身体的な見当を害する可能性が高いのに対し、ゆるブラックな職場では従業員のスキルやキャリア形成が停滞する可能性があることが特徴と言えるかもしれません。

どちらの環境も従業員としては満足度や生産性に悪影響を及ぼすことが想像できますし、組織全体としても最適なパフォーマンスを発揮できない可能性が高いでしょう。

仮に、自らが所属している企業が「ゆるブラック」な職場なのかもしれないと気づいてしまった場合、広報PRを担う人間として何ができるのか。今回は、それを焦点にしてみます。

人事部門との連携による実態調査

まず、「若手人材」とはどういった人たちなのかを明確にします。一般論として、20代から30代の範囲に入る若年層の労働者を指すのが適当ではないでしょうか。新卒や第二新卒、中途採用でも20代から業界によっては30代の前半までを若手と称することが考えられます。

そういった人材が離職し、職場から離脱していくことによるデメリットは何があるでしょう。

若手の人材は、新たな技術やトレンドに柔軟な態度を取れることが多いでしょう。それを基に、新たなアイディアや斬新な視点を組織内にもたらす可能性がありますし、創造性や柔軟性が組織内にもたらされます。加えて、それまでにかけてきた教育コストが無に帰すこととなり、あらゆる部門のスキルや知識の継承が進まなくなってしまい、結果として組織の弱体化を招くことになりかねません。

これは人事部門としては非常に大きな課題だと言えますし、解決することが望ましいことは言うまでもありません。

何をきっかけに気づくのかは分かりませんが、若手人材が離職していく中で、当事者に話を聞いてみたところ「どうやら自社や当該部門は、いわゆる「ゆるブラック」な状態にあるのではないか」と気づいたとして、それをすでに察知しているのか、のほほんとして気づいていないのかは置いといて、ひとまず人事部門と共に連携し、実態の把握に努めることが必要となります。

経営陣への報告と対応の検討

どんな手法によってデータを取りまとめるのかといった調査項目の精査から必要となりますし、それは各社において必要となる項目は異なることでしょうが、仕事のフィードバックや目標や成果に対する不平や不満、さらにはそういった機会が提供されているのかどうかなど、従業員が満足しているのかどうかを中心に調査項目が決められていくことでしょう。

これを単独で行うことは企業としてコストが高いでしょうから、定期的な面談前のアンケート項目や上司との面談シートなどに項目を追加することから始めることが妥当かもしれません。それを実施するための事前準備なども含めると、相応の工数が取られることになりますが、状況把握のためには必要なコストでしょう。

それらのデータが揃ったのであれば、それを丁寧に分析し経営陣に報告・共有し、対応を協議します。

ここで広報の立場として何ができるのかと言えば、現状のコミュニケーションに課題や問題があるため、これらを解消するために何がすべきなのか、何ができるのかを冷静に見極めた上で改善策についての提案をすべきです。

もしかしたら、人事評価の項目や評価システムが変更となる可能性もありますが、それらを従業員へ周知する際に「変わったよ」と発表するだけでなく、その変更する意図や目的が浸透しやすいコミュニケーションとは何か、それを埋めるためにできることは何かを検討する必要があります。

社内にメールで「人事評価が変わります」とだけ人事部通達で出されるだけなら人事部門だけで解決できますが、本質的に社内への浸透を図りたいのであれば、末端従業員に届きやすい情報とは何か、変更する経営陣の意図との溝を埋めるための方法や方策を練ること、それが広報やPRの立場ですべきことでしょう。

社内コミュニケーションの改善と円滑化

あらゆる施策には目標と実際の差分を見た上で「どうだったのか」を検証すべきです。

会社が「ゆるブラック」だったのか。
仮にそうだとしたら何が課題なのか。
それを解決するための方策は何か仮定する。
仮定が解消されるであろう方策を実施する。
実施した結果がどうだったの検証する。
検証結果をもとに新たな施策を検討・実施する。

多くの職場で、こういったことはどんな部門であったとしても行われていることでしょうが、広報部門においても同様です。こういった仮定の検証と改善実施を行い、実際に何が改善したのかを数値化することによって評価とすることができます。

社外広報の場合、広告金額換算などが評価指標とされることもあるでしょうが、正直なところ、それが高いからといって売上や利益につながるのかどうか冷静に分析しなければならないため、案外、広報部門の評価を苦労するところだったりします。

でも、ゆるブラックな職場を改善するかどうかは各種の成績や指標と突合しやすいため、実施した施策が適当だったのか不適当だったのかを評価することができます。

そういった評価を用いることは、社外に向けて情報提供としても有益なものとなるはずで、「自社はゆるブラックな状態だった」と公表することは一見すると恥ずかしいし、みっともないものだと思われるかもしれませんが、それを逆手に取れば改善策における対応を外部向けにサービス提供できる機会とも言えます。

いずれにしても、広報だからと言って人事部門の課題に向き合わなくていいのかというと全くそんなことはなく、それを解決するために利用してもらうことも立派な広報の役割だと言えるわけで、ただただ情報を外部に提供し続けることだけであれば、誰だってよくなってしまいます。

広報や広聴といった役割を担うのであれば、どこに自分が役に立つネタがあるのかを常に模索し続ける方がいいのではないでしょうか。

おわりに

「ゆるブラック」な職場が今後も増えていくのかどうかは分かりませんが、少なくとも、現状の職場に不満を抱えて離職していく人たちは一定数いるでしょうし、その理由や原因、要因は人の数だけ存在するんでしょう。

それを全て解決することは難しいかもしれませんが、少なくとも一定の母数が集まって傾向が形成されたら、解決するために動いていくことが必要となりますし、それが組織にとって必要なことであれば、貢献をすることが可能だと言えます。

安易に職域や領域を乗り越えろとは言いませんが、自らの領域から貢献できることを拡張していくことはやっておいても損はないんじゃないですかね。

ではでは。
ゑんどう(@ryosuke_endo)


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