人をほめることができていますか

子どもたちと生活をしていて、自分の思考傾向を考えることが増えました。できるだけ自分の意見をいうようにしています。

世間という誰かもわからない人たちの空気というか雰囲気みたいなものを感じ取って合わせた意見ではなく、それに対して自分がどう思うのかを前提に長男や次男と向き合うようにする必要があると強く思うのです。

その中で「あれ、そういえば...」と思ったことが一つ。

「ほめる」を大辞林で調べてみると...

ほめる
①高く評価していると,口に出して言う。たたえる。
②祝う。祝福する。

そんな風に書かれていますし、他の辞書をみても同義の内容が記載されています。

なにを思ったのかと言えば、子どもたちは自然とできることが増えていきますし、それをみた大人たちはなんの違和感もなく"ほめ"ます。

それは別に気にすることもないかなぁとは思うんですが、大人対子どもは自然とそうなるのであれば、大人対大人で"ほめる"ことも自然とできるんじゃないかな、と思うんですが、できてる人ってそんなに多くはないんじゃないかな。

大人をほめられる人が多くないから、できている人は魅力的な人に映ってる印象がぬぐえません。

対象が大人になった途端、そのハードルが上がるのはなぜでしょうか。

SNSの隆盛が物語るように、昨今、承認欲求が前提の世界が僕たちの住む世界です。

マズローの欲求段階説は人の欲求には段階があるとして5段階に分けて表示していて、下から生理的欲求・安全欲求・社会的欲求/所属と愛の欲求・承認(尊重)の欲求・自己実現の欲求と重なっていく中で、承認欲求は上から2番目にある高次の欲求です。

つまり、SNSがこれだけ隆盛していることの裏返しとして、我々の生活は安心と安全に恵まれ、社会的な欲求を満たされているからこそ起こっていることだというわけです。

そして、これらは別々に作用しているわけではなく、個々人によって痛みの感じ方が違うであろうことと同様で、満たされる基準は個人で異なります。なので「どこまできたら次の段階」みたいなものは存在しません。

これを考えると、子どもたちだけではなく大人であったとしても、欲求が消えるわけではありませんからほめられたいはずです。

つまり、認められたいと思っている人たちが大人になるからといって減るわけではないということ。

大人は認められたいと願うフィールドが自分で選べるから必要ないじゃないかと思われるかもしれませんが、果たして、それができている大人ってどれぐらいいますかね。


今回の本題は、人をほめることができているかどうかに焦点を当てていますが、人とほめるということは他人を認めることですから、ほめる対象がとった行為や行動を認知し、それをすごいことだと認める過程が必要なのです。

案外、この他人を認めるということができないからほめることができないのではないかと思うわけです。

なぜなら、人をほめる(認める)ということは、自分とは異なる価値観を受け入れることが前提になるから

これが苦手だというか、そもそも自分の価値観とは異なる存在を認めることができない人は一定数存在します。

そして、対象が子どもであればできるというのは上から目線で、つまり、年齢や体格で判断し、相手が何もできない人間だと思っているからなのではないでしょうか。

だから大人になって、年齢も重ねて、体格も立派になっている大人になった存在を認めることができません。

ましてや、日本人以外の人や自らの地域に住む人以外の人は、自分の暮らしてきた環境とは異なる場所で成長してきた異人のため、受け入れるのが難しかったり...

なにがいいたいのかと言えば、人をほめるためには多様性を受け止められる度量が必要であり、人間性(感情が豊かで多くを受け止められる人柄)が高い人でなければできない高次の行為だということです。

けど、これからの時代は多様性の時代です。

自分とは異なる価値を持った人達がどんどん出てきますし、その人たちと協力しなければ生き残っていくことが難しくなるかもしれません。

排他的に、自らの価値観から外れる人間を排除するのは簡単ですが、それでは逆に自分の居場所がなくなることすら考えられます。

まずは受け止めること。認めることから。

子どもが相手にできることが大人になってできない道理はありません。

なぜなら、根本的に子ども大人も自分以外の人間はすべて他人です。

その人のなにが良いところで魅力を感じる部分はどこになるのかを見つけ、認めることは難しいことではありませんよね。

人にほめられたら嬉しいのは他の人も一緒です。けど、それを相手に求めてしまうのは違います。自分がほめたんだから相手もほめるべきだというのは押し付け以外の何物でもありません。

それは自分だけが認められたいと願うわがままでしかありません。

ほめることは人に求めるものではなく、自分ができればいいことです。

そんなことを考えました、というお話。

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