精神科への受診がもっと気軽にできますように
どうも、ゑんどう(@ryosuke_endo)です。
唐突ですが、精神科と聞いて、あなたはどんな印象を持ちますか。
「うつ病」などの精神疾患と呼ばれるものを思い浮かべる人もいるかもしれませんし、「双極性障害」といった難しい漢字が並んでいる障がいについて聞き及んだことがある、なんて人もいるでしょうね。
昭和の頃には、ベッド上で暴れたり、突然発狂する、なんだか怖い人たちが通っている怪しい施設、なんて見方をしていた節すらあると聞いたことがあります。
パット見で判断できないからこそ、取り扱うことには注意が必要なため、精神医療は長らくタブー視されてきたのかもしれません。
ですが、近年、そういった認識は薄れてきたのではないでしょうか。
少なくとも、うつ病などの精神疾患を罹患した人たちに向けた偏見などは、多少なりとも改善されてきているのだと思いたいもの。
ぼくの好きなマンガの一つに、精神科医の日常を描いた『Shrink〜精神科医ヨワイ〜』があるのですが、このマンガ、以下の記事と合わせて試し読みもできますから読んでもらいたいなぁ…と思うのです。
きっと、精神医療に関する見え方が変わりますよ。
今回は、そんな精神医療に関して考えて見る記事にしてみようと思います。
日本における精神疾患の現状
まず、日本の精神疾患がどんな状態なのか、一緒に見ていきましょう。
厚生労働省の統計によると、令和2年時点で精神疾患を有する外来患者数は約586.1万人に達しているそう。
この数字は、日本の人口の約4.6%に相当します。約20人に1人は精神疾患を理由に医療機関を受診しているってことです。率直に数を聞いてどんな印象を抱いたでしょう。
決して少なくないんですよね。
もう少し重たい話にしていきますね。
以下は厚生労働省の統計では、2023年の過労死の認定件数は247件、過労自殺の件数は212件に上っています。
過労死をすることも問題ですが、過労から自殺を試みる人たちが212人もいるって状況は、精神を傷つけられる殺人事件が212件起こっているとしたら少し見え方が変わってきます。
次いで、年間の自殺者数も見ていきましょう。
2023年(令和5年)の自殺者数は21,881人。年間で2万人以上の人が自らの命を絶っていることに衝撃を受ける人も少なくないでしょう。
もちろん、精神疾患を起点とした自殺だと断定できるわけではありませんが、少なくとも自ら死を決断し行動しなければならないほど、精神的に追い詰められている状況なのであろうことが伺えます。
そこに寄り添うことが精神医療が果たすべき役割が存在します。
『Shrink』が描く精神科医像
『Shrink』の主人公である弱井幸之助先生は、患者に寄り添う理想的な精神科医として描かれており、本当に魅力的な精神科医です。
作中で描かれる弱井先生は、患者の話をじっくりと傾聴します。偏見なく患者を受け入れます。適切な治療法を提案しますし、患者の人生全体を考慮して治療のアプローチをします。
これらの特徴は、実際に受診をする際にも大事にしたいポイントです。もし、これから受診を考えている人がいるのだとしたら、弱井先生を参考にしてみてもいいのではないでしょうか。
もちろん、あくまでも理想像として捉えておくべきで、現実に上記のすべてを満たせるかどうかは別である点も踏まえておきましょう。
作中、弱井先生は「この国にもっと精神病患者が増えればいいと思っています」と発言します。一見すると衝撃的ですよね。
その心は、精神疾患の早期発見・早期治療の重要性や、精神医療へのアクセスしやすさが向上すること期待し、社会全体の精神衛生に対する意識が向上することを目指すためであるとしています。
ですが、一方で現実の精神医療における課題にも触れています。
おそらく、多くの新規患者が経験するのが予約が数カ月先まで取れないこと。
日本における精神科医の数は約15,000人とされていますが、精神科医は1人あたり平均約366人の精神疾患患者を担当している計算となるそうで、圧倒的に不足しているが伺えます。
精神疾患を扱える医療機関が都市部に集中している一方で地方では不足している点も問題視されています。
さらに、精神疾患に対する社会の偏見も根強いものがあり、「うつ病=弱い人間がなる」などの明らかに誤った解釈をされているケースから、軽々に医療機関へアクセスできない人もいるのではないでしょうか。
などなど、マンガとはいえ、実際の医療現場で起こる問題や課題などはあるものの、ひたむきに患者へ向き合う弱井先生の姿勢をみると、ぼく自身の気持ちも穏やかになっていくことを実感します。
精神医療へのアプローチ方法
最後は簡単に、精神医療が必要だと感じた人がどうアプローチしたらいいのかを書いていきます。
症状に気づいたら早めに相談する
信頼できる医師を見つけるまで諦めない
治療は医療だけでなく「生活」で取り組む
家族や周囲の理解とサポートを大切に
こんなところでしょうか。
とくに最初に記載している、症状に気づいたら早めに相談するってのが肝です。
医師の数が不足しているってのに、気軽に相談に行ってくださいってのも変な話ですが、それは構造の話であって、個人が健康を願うこととは別問題。
自身の心理面に少しでもおかしな点があれば受診できる状況にしておくことが大事。
少し熱っぽいな、咳が出るな、悪寒がするな…
これらの症状で内科を受診するのと一緒です。
精神医療は特別なものではありません。何よりも大事にしなければならないのは心身の健康なのですから、それを守るために医療機関を受診することは何も特別な行為ではないのです。
おわりに
『Shrink』は、精神医療という複雑なテーマを分かりやすく、そして希望を持って描いた作品でなので、ぜひ、少しでも多くの方に読んでもらいたいです。
そこからの延長で、精神や発達面で障がいを持っている人たちへの向き合い方も少しずつでも言いから偏見がなくなっていけばいいと思うのです。
ではでは。
ゑんどう(@ryosuke_endo)
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