視点の自由研究No.031「視点_独立に必要なたったひとつのこと」
独立して早4年、クライアント、また多くのクリエイターの方々、奇跡的な運にも助けられて、なんとか継続できています。やはり起業そのものよりも継続していくことの方が遥かに大変だと改めて感じている最近です。
今回はそうした経験から得た、起業に際して最も必要だったと感じていることを書いてみたいと思います。
「営業」
結論から言ってしまうと、それは「営業」です。起業前にフリーランスを一年経験したことからも営業が一番必要だと感じていました。どんなに技術や資金、人脈があっても、起業したての会社は生まれたての赤ん坊です。そもそも認知がありません。特にスタートアップでもない限り、少人数で起業した映像制作会社では、誰にも知られていません。起業前から仲間とHPや会社案内のチラシ、名刺デザインなど全て営業ツールとして如何にクライアントやクリエイターの方達の記憶に留めてもらえるかを意識していました。
まずは認識してもらわない限り、クライアントも相談ができませんし、どんな会社かを調べたくもなりません。これは広告を仕事としてきた経験や意識が大変助けになったと思います。
「しつこさ」
そうやって営業を続けていく中で、改めて自分達の強みを自分達でも見つけていきました。それらは自分達の理念として形作られていったものです。このNOTEでも、その理念を書かせて頂きました。そうした理念は、クライアントに自分達の姿形をイメージしてもらえるための大切な商材となりました。まさにブランディングと言えるでしょう。ブランディングの大切さ、難しさ、何より継続していくことの大切さを痛感しています。
弊社のような映像制作会社では、商品自体が納品物のため先に用意されていません。クオリティの担保を宣伝するのも難しい営業です。また受注した仕事の中から、複雑になるプロジェクトで偶発的に生まれる技術もあり、それをどう告知していくのかも知恵を絞りました。
特に二人でやっているような零細企業。あっという間に忘れられてしまいがちです。継続した営業、まさに「しつこい」くらいの営業が必要でした。自分たちの気持ちとして折れない「しつこさ」と相手に忘れられないようにするための「しつこい」営業。「しつこさ」は何より気持ちとして重要な要素だと思います。
「成功はアート。失敗はサイエンス。」
起業後、会社員の方から自分は会社員向きでないという話を聞くことがありました。しかし、起業した側からするとそんな方の方が起業にこそ向いていないと思っています。起業すれば、全てのことは自分の責任です。場合によっては自分のせい以外でも、例えばコロナのような世界情勢の変化でも起こったことに対しても責務が発生します。それを誰かのせいにはできませんし、誰かが助けてくれるわけでもありません。起業後、営業するのがうちの会社の仕事だよね、とよく仲間と話しています。
映像技術も民主化が進み誰もが映像を作り出せる世の中で、起業を志すということ自体で既に十分な覚悟が必要なのは明白です。それよりも何よりも重要なことは、やはり「営業」です。
起業した方には、何を今更というお話でしたが、最後にもう一つ心に残っている言葉で締めくくりたいと思います。
それは「成功はアート。失敗はサイエンス。」ということ。成功は全ての方が同じ方法で達成できないものです。まさにアートのように千差万別で各人で成功のルートが違います。しかし、失敗する時には割と皆陥りやすい穴にハマってしまいます。成功本に頼らず、愚直に営業を続けていく、大変に地味な作業の先にしか、成功はないと思っています。
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