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視点の自由研究No.149「視点_広告は文化と共にある」

広告に限らず、コンテンツを作っていく上で、炎上は避けたいのは常。価値観自体が目まぐるしく変わる現代、作り手側は送り出すコンテンツのメッセージ、表現、演出に至るまで、かつて以上に配慮が必要になりました。
今回は、そうした背景に文化の影響があることを考えてみたいと思います。

「文化の中にある価値観」

カンヌなどの世界の広告賞を見ているとわかりやすいですが、世界各国で広告の作り方、表現は大きく異なります。日本では最近あまり見かけることがなくなった他社製品との機能比較広告などは海外では今も作られていたりと、各国の国民性に合わせた表現がなされています。

そうした国民性には当然文化が関わっていて、価値観が中心にあるとも言えるでしょう。日本のわかりやすい価値観、ワビサビも茶道などの文化から広がり、家屋、美術などその価値観を中心に作られてもいます。

広告業界に限らず、企業の指針の中でパーパスという価値観があり、それに対しての活動やブランディングへの展開という見方もでき、「価値観」が中心にあり、周りに文化があるとも言えます。

「表現の良し悪し」

文化の中心に価値観があり、その価値観のもと、人々は日々接するコンテンツの判断をしています。そうした中で広告表現が、その文化で重視されている価値観に見事に訴えかけた場合、「良い」と思われます。逆にそうでない場合はスルーされるか、場合によっては「悪い」と思われてしまいます。

今、広告制作をしている人間として、文化の雰囲気、もっと端的に言えば社会の空気感を読むことが重要になったなと感じています。2024年の日本という文化は、私見ですが、際どい表現や、過激な演出、他者へ批判的な態度はひどく嫌われます。

勝ち負けに重点が置かれていたバブル期のような雰囲気から、誰も取り残さないため、弱者をどう掬い上げるのか、が問われていると感じています。

広告も日常に溢れるコンテンツの一つ。しかも半強制的に見せるタイプのコンテンツです。「面白い」の背景に「文化を読む」ということを決して忘れていけないことを常々感じている今日この頃です。


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