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視点の自由研究No.118「視点_シンプルがいい」

前回、発達障害のことに触れたのですが、今回も少しそこから深掘りをしてみようと思います。言葉を扱うということへの難しさ、そこからどう対処して行くのか?そんなヒントを探ってみようと思います。

「映像制作でのコツ」

映像制作は、様々な人たちが関わるいわゆる総合芸術と呼ばれる仕事でもあります。当然多くの越えるべきハードルがあるわけですが、そこにコツがあります。
以前、このコラムでも書きましたが、そのコツは作業を分解すること。

大規模な撮影でも、難しい編集が必要なことでも、可能な限り分解していくと、最後はコミュニケーションだけが残ることがあります。しかもそのコミュニケーションも「いつ、どこで、誰が、何をするか?」だけになります。

問題はタイミングで、適切な間で各スタッフとコミュニケーションすること。制作という全体の指示系統を担う仕事柄かもしれません。適切な情報を適切なタイミングで、できるだけ簡潔に伝えることこそが大切です。

「広告もシンプルがいい」

思えば、広告業界でもよく言われることですが、広告自体もメッセージはシンプルがいいと言われます。広告は日常生活に偶然差し込まれる異物です。ほとんどの人が熱心に待ち構えて見ていることはありません。そんな人たちにメッセージを投げかけるにはシンプルであることがベストなのは必然と言えるでしょう。
広告を提案する企画書もよく1ページにつき1メッセージだけにしていく、ということはどの講義やセミナーでも聞くことです。
深い思考や練り込まれたアイデアも最後のアウトプットはとてもシンプルなものほど、効果も大きく、長い期間残るメッセージであるのは、歴史が証明してくれてもいます。

「言葉に優しさを」

情報が溢れる現代社会。コミュニケーションも複雑化し、SNSでは言葉の切り取りで起こる弊害もよく目にするようになりました。確かに他者に対して言葉がシンプルになりすぎるとコミュニケーションに不足が起きることがあります。
多様な社会へと変化を続けている今だからこそ、言葉には優しさが求められているのかもしれません。しかし、その優しさの表現も至難になってきています。一方から見ただけの優しさだけではなく、相手の立場に立つ視点が必要になって来ています。
この視点の多様さは、コミュニケーションを複雑化させ、難易度を引き上げている一因なのかなとも考えています。

「思考はシンプルに」

さて、自分の行動に少し視点を戻しましょう。そうした多様で複雑化を進めていく社会。考えを深めていくことは無限にできるし、多くの情報を知ることも無限にできる。
そうした情報の洪水の中で、溺れそうになる自分の思考ですが、冒頭に書いた通り、出来るだけ細分化し、シンプルを探すことは意外と使い道が多いと思います。

もし発達障害や言葉によるコミュニケーションで苦しさを感じているなら、出来るだけシンプルなところまで分解してみてください。実はそこに突破口が見つかることがあります。

自分の仕事を振り返りながら、培ったコツが誰かの役に立てたなら幸いです。

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