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視点の自由研究No.119「視点_今の広告に必要なもの ver.2023」

2023年も師走。今年の自分たちの仕事も振り返りながら、2023年現在の広告に求めれていることを書き残しておこうと思います。果たして来年以降、広告はどう変わっていくのか?未来予想は年末の楽しみにとっておいて、今年の気づきを書いてみます。

「モラル」

まずはわかりやすく答えを記しておきましょう。今の広告に求められること、それは「モラル」だと思っています。単純な実感値なので、別の方に聞けば全く違う答えになるのでしょうが、今年の経験から見てこの「モラル」という感覚は必須条件になったと思います。

かつてはテレビCMに代表されるようにテレビ局の考査という基準がありました。考査とは各テレビ局がCMを放映するにあたり自局のブランド価値、視聴者への配慮から、放送できる基準を定めたものです。各局に担当が存在し、各局ごとに基準が変わることが通例ですが、商品の効果・効能や使用年齢表記など誰もが間違った解釈を生まないために必要な内容を定めるためにあります。

映像広告も多様化が進み、さまざまなメディアが生まれました。さらに社会の激変によるSDGsを初めてとした多様化を認めていこうという風潮から、広告表現も様々な視点から見て問題がないかが、まず求めれれるようになりました。
今年はさらにその感覚が必要とされているなと感じています。その感覚を言葉にするとまさに「モラル」ということ。

「笑いという攻撃性」

広告でも特に如実に表現が変わったのが、「笑い」の表現。最近はかつてあったような面白系のCMが減った感覚があります。自分が目にする広告もターゲット化されているからかもしれませんが面白系が減り、さらに自分がアイデアを作りクライアントに提案する際にも、面白系として笑いを用いた企画は採用されなかったりと企画自体を考える時もかなり内容に配慮することが増えたのは間違いありません。

家族という表現、夫婦というパートナー制、性的嗜好、人種、外見、才能、多様化という指標は様々な人への偏見や差別をなくすべく社会をより寛容にしてくれています。お笑いがかつて扱っていたような外見から入るようなものも今は扱い方によってはバッシングの対象になりました。

笑いという行為自体が社会からの逸脱性や差別的な落差を引き合いにした意味合いも含まれるのは、皆さんも実感があるのではないでしょうか。人間ですから笑いというものは本能的なもの。これからもなくならないでしょうが、その扱い方や表現は加速度的に変わっていくだろうと思います。

「多様化」

社会が少数派を認め、それらを守ることが当たり前になっています。人口減少など社会問題を考える上では、そうした考え方は至極当然なのだと思います。
できるなら、そうした「多様化」が人々にとって優しさであってほしいと願っています。
2023年の今、広告にもそうした優しさが必要になったなと感じている今日この頃です。



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