ナンヨウショウビン

はじめまして、ナンヨショウビンというものです。 大学を休学して世界一周をしていました…

ナンヨウショウビン

はじめまして、ナンヨショウビンというものです。 大学を休学して世界一周をしていました。 その時の経験談や日々考えたことを書こうと思っています。 旅行・サイクリング・バードウォッチング・ギター・キャンプが好き

最近の記事

「小説」わだかまり

①  「カチ」「カチ」とクリック音が、オフィスのあちらこちらから響いてくる。話し声はほとんど聞こえない空間が、この場にいる全員が目の前の仕事に集中しきっていることを教えてくれる。浩二は、都内にある小さな文具メーカーの営業部に就職してから二年がたっていた。非正規雇用を合わせても50人程度しかない小さな会社だったが、それなりに覚えることも多く、丸2年も経つと、入社したての頃に比べれば社会人として成長が感じ取れていた。最近は、百貨店などの比較的大きな営業先へも一人で回らせてもらって

    • 「世界と戦うフィルムたち」を鑑賞した

       「世界と戦うフィルムたち」という映画を鑑賞した。その映画は、若手の映画監督が、自分の長編映画を海外の映画祭に応募しまくる一部始終をドキュメンタリーにした映像作品だ。その映画を鑑賞して最初に思ったことは、この人達は物語の力を信じているんだろうなぁという感想だった。今生には様々な物語、もといストーリーが溢れている。人を感動させるストーリー、人と恋に落ちるストーリー、はたまた会社の上司を納得させるストーリーなど、人間は人に影響を与えたいと感じた場合、ストーリーを多用する。人間は論

      • 後悔しないなんて無理だ。

         「後悔しないなんて無理だ」と感じることが多くなってきた。なぜ好きだった女子にアタックしなかったんだろうか。なぜ大事な仕事を後回しにしてしまったのだろうか。もしくは友達と久々に行ったカラオケでのマイナーな曲ばかり歌ってしまったんだろうか。覆水盆に返らずというけれど、後悔したって、あのときには戻れない。やり直せないから後悔っていうんだろう。もう立派な大人と認識される年齢になってしまった。若くもなく年寄りでもない。しかし、自分の人生の行く先はなんとなく見えている。毎日毎日、出勤し

        • 強すぎるメッセージについて

          本日、人生で初めてドキュメンタリー映画を見てきました。 その映画は、若手映画監督が作品を海外の映画祭に応募する過程を詳細に綴ったもので、本当に良い映画でした。 ただ、映画の感想を書くのは後にして、「物語が持つメッセージ性」について考えついたことがあるので、徒然なるままに書き出したいと思います。 まず、映画に限らずどんな物語においても、作者の伝えたいメッセージなるものが存在します。それは、古今東西すべての物語において当てはまっていると言っていいでしょう。 そして、強いメッ

        「小説」わだかまり

          「やりがい」を飼い慣らすにはどうすればよいか。

          「やりがい」とは何なのだろうか。 人はやりがいを追い求め、やりがいを感じ、時にはやりがいに搾取される。転職活動中ということもあって、「やりがい」の正体について、自分なりに考えてみたので、ここに書き記す。 まず、やりがいを自分の言葉で翻訳してみると、他人から必要とされている実感だと思う。スキルアップとか、裁量権が大きさとか、世間一般にやりがいとみなされている他の言葉もあるけれど、それは全部「他人から必要とされている実感」に収束していくんだと思う。誰しも、誰かしらの役に立ちたい

          「やりがい」を飼い慣らすにはどうすればよいか。

          祖父が死ぬまでには、就職も結婚もしてると思ってた

          「また来たよ、じいちゃん」 さとるは、病室のベットに横たわっている祖父に呼び掛ける。 返事はない。 祖父は肺を悪くして、この8月から大学病院に入院することになった。 この間まで会話を交わせていたのだけど、ここ数日で体調が悪化したらしく、返事はおろか、もう目線を交わすことさえ叶わない。 祖父は見ざめない意識の中で何を思っているのだろうか。心地良くて快適な夢だったらいいなと思う。人生の最後に到達する場所が、苦しい場所であっていいはずがない。もう言葉を発することもかなわないから

          祖父が死ぬまでには、就職も結婚もしてると思ってた

          スリランカで野宿する

          はじめまして、ナンヨウショウビンと言います。 もう2年以上前の話になりますが、僕は半年間かけて世界一周をしていました。いわゆるバックパッカーというやつです。 その半年間でたくさんのことがあったのですが、今回はスリランカでの出来事について書いてみようかと思っています。  まず、スリランカとは中央アジアに浮かぶ島国で、日本の九州より少し大きいぐらいの面積を持っています。知らない人はgoogle mapで検索してみて下さい。インドの下(南)に涙のような形をした島が見えるはずで

          スリランカで野宿する

          一年前の悩み事って覚えてる?

           人生って悩みがある状態がデフォルトで、何も心配することがない時間のほうが希少だよね。先週の日曜に友人との会話を通じて感じた。友人は有名私立大学を卒業し、誰もが知っている大手企業に就職しているのだが、毎日心配が絶えないらしい。会員制マッチングアプリで女性と毎週のようにのデートをしているような天上人の分際で悩み事なんて贅沢の極みである。きっと重箱の隅をつつくような、くだらない悩みにばかり違いない。(ちなみに、私はつい先日振られたばかりなので多少卑屈になっている。)  ”心配”

          一年前の悩み事って覚えてる?

          ヒキコモリ漂流記を読んで

          皆様は髭男爵を覚えているだろうか。  今の若い人は覚えてないかもしれなが、ひと昔前のテレビえを大いに沸かせた一発屋芸人だ。ルネッサ~ンスのギャグで一世を風靡した彼らだが、最近はテレビで見ることなんてほとんどない。「そんな名前、久しぶりに聞いた(笑)」という人がほとんどだと思うが、私は最近ブックオフで彼の名前を目にした。  ブックオフで本を物色している最中に、「ヒキコモリ漂流記 完全版」というタイトルに心惹かれた。ヒキコモリなのに漂流してるの?しかも完全版てどうゆうこと? 

          ヒキコモリ漂流記を読んで

          気を遣うって難しい

          気を遣うって難しい。 社会的責任が重くなっていくにつれて、他人との距離の詰め方が下手になった。 「いや、社会人一年目が何をいうてるの」、と思われるかもしれないが、大学生になって、さらには会社に行くようになって、確かな感覚として存在している。 自分の心と、他人の心の間に薄い膜ができたみたいだ。 なぜなんだろう? それは、気を遣うことを覚えてしまったからと思う。 他人に嫌われる恐怖を覚えてしまったから、容易に距離を縮められなくなった。 「こいつは嫌な奴だ」と思われな

          気を遣うって難しい

          冷蔵庫を買ったら、東京で生きていく覚悟がついた。

          こんばんは、お疲れ様です。 私は現在、ピッカピカの新社会人です。 只、年齢が25歳なので新卒とは思えないぐらい貫録がついていますが、、、(笑) さて、タイトル通り洗濯機を買いました。 お値段なんと税抜き2万5千円!!! 洗濯機に割には安く抑えられたのだけれど、新居契約や引っ越しで多大なダメージを与えられていた僕のお財布には厳しい出費でした。 心の中では、「もうやめて、銀行口座のライフはもうゼロよ!!」と大叫びです。 実際、週一程度の洗濯サイクルだとコインランドリーほ

          冷蔵庫を買ったら、東京で生きていく覚悟がついた。

          身投げ春

           新社会人3日目、私はすし詰め状態の満員電車に揺られながら会社に向かっていた。まだ4月3日だというのに、脇汗が目立ってしまうくらい蒸し暑い。桜が咲き、春の陽気で満ち溢れる季節でも通勤は苦痛だった。小川に桜の花びらが流れていたが、風情とはとても言えないくらい汚らしい。気が付くと降車口から最も遠い場所で、歯のかけたオジサンに挟まれていた。息苦しさを感じたため目線を上にすると、自動ドアの上にある電光掲示板に「JR山手線外回り・上野・東京方面行きは人身事故のため電車が遅れております。

          社会人になる抱負

          こんばんは!! お疲れ様です。  最近は卒業論文や学会発表など学業面で忙しい日々が続いていたので、NOTEから離れておりました。久しぶりに何も考えずに文章を書いております。 誰も待ってないと思いますが、あえて言わせていただきます。 「お待たせ!!」「お帰り自分!!」  思えばこの一か月、色々なことがありました。卒業論文を書いたり、学会発表したり、報告書用に解析をやり直したり大学生活の中で一番忙しい日々を送っておりました。でも、全然疲れたとかは思ってなくて、楽しい楽しい

          社会人になる抱負

          通勤ラッシュ

           今春、就職に伴い池袋駅周辺に引っ越してきた。家賃が高い都市圏内を選んだ理由は、どうしても徒歩で勤務地まで通いたかったからだ。安い新入社員給料で毎月の家賃を払っていくことは厳しいが、歯を食いしばりながら池袋にしがみついていこうと思う。東京に引っ越してきて、まず感じたのはとにかく人が多いということだ。日本の首都なので当たり前のことなのだが、24歳までド田舎で暮らしていた人間にとっては新鮮に感じた。どこを向いても人間がいる空間に緊張してしまう。そして、通勤ラッシュなどは、まさにそ

          人生において重要なのは、「嫌われる勇気」ではななく、「嫌いになる勇気」だと思う。

          人生において重要なのは、「嫌われる勇気」ではななく、「嫌いになる勇気」だと思う。  研究室の自分の席の後ろ側には、大きな本棚があって、専門書から漫画まで、色々な種類の本が陳列されている。研究データの整理にも飽きたので、自分の後ろで、天井まで広がる本棚を眺めていると、「嫌いわれる勇気」という本が見つかった。少し前に発売された物で、アドラー心理学を解説した書籍だ。大学関連のお金で購入された痕跡がなかったため、おそらく、知らない時代の先輩が購入して置いて行ったものだろう。その先輩

          人生において重要なのは、「嫌われる勇気」ではななく、「嫌いになる勇気」だと思う。

          ハゲる恐怖と戦う心境

           僕は長年、小学校の同級生の母親が営んでいる散髪店に通っている。その人は、家族的な意味と他人的な意味が共存する、とても心地が良い距離感だ。実際、理容師としての腕もよく、私はとても気に入っている。小学生の頃から気心が知れた家族以外の大人だった。  1月5日、私は起床してすぐ、その散髪店に向かった。自転車で2分で到着するから上着なんか着ていかない、今まで何十回と通った道だ。寒さが体の骨まで浸透していく前に目的地に到着し突き破る勢いでドアを開け放つ。 「こんちわー」 「5分遅刻し

          ハゲる恐怖と戦う心境