Sham Tear

DJ. 放ったらかしにしてましたが、ここでは映画と音楽のレビューを書いて行こうと思って…

Sham Tear

DJ. 放ったらかしにしてましたが、ここでは映画と音楽のレビューを書いて行こうと思ってます。 もしも気に入った記事があれば、サポートも是非お願いします。

最近の記事

映画レビュー:五十七本目「チャンス!メイドの逆襲」

休前日。 寝るまで、まだ3時間はある。 呑んでる。 「今から一本、映画でも観ようか。」 という時に、 この瞬間、一番適した一本を 私は、選んでしまった。 パナマとコロンビア、世界的に見れば「最貧国」のレッテルを貼られる両国の合作。 が、今の日本にもギリギリ当て嵌りそうな喜劇。 豪邸住まいの大統領候補が、家政婦の二人に二ヶ月も給与未払で「貧困層を救う!」とテレビでのたまい、街中に顔写真が貼られる中、家政婦たちはストレスを募らせる。 家政婦の一人が「実家に送金しなければ

    • 映画レビュー:五十六本目「Sad Vacation ラストデイズ・オブ・シド&ナンシー」

      高校生だった頃、同級生に元L⇔Rの黒沢健一が居て 彼の誘いで彼の友人でパンクスだったK君の家に行った。 自分はニューウェイヴ派だったので、うまく馴染めなかったけど なんだか流れでK君がヴォーカルを務める ハードコア・パンクバンドにベーシストとして 加入することになった。 理由は、中学の頃に同級生の兄からベースギターを譲られて 弾いてもいないのに所持しているから、だったと思う。 初ライヴは、近所の公民館のロビーでの 地元のバンド合戦みたいな会場。 そこで自分

      • 映画レビュー:五十五本目「マジカル・ガール」

        ナツいね。 タイトルの付け方が。 そうね、「COOL JAPAN」(笑)な世界であれば、マァ良し、ですか。 ですが。 本質は、白血病の少女を救おうとして、その先が面白くなる、元教職で無職の父親。 偶然知り合った女が「出玉台」と脅し稼ぎ続ける父親。 やがて毟る女の親玉に嗅ぎ付けられる。 柱立ては巧い。飽きさせなく見せる。 日本のアニメにハマる娘の描写。 父親が盗み見る娘の「エンドノート」。 「13歳になりたい」 無一文の父親は、家中の金目の物を売るが二束三文。 諦めて

        • 映画レビュー:五十四本目「私は二歳」

          また打ちのめされた。 自分も、似たような環境で育てて頂けたのだろうということを考えて。 公開が1962年。 昭和37年。 敗戦から20年足らずの日本では、この様に子育てしていたのだろうという描写に。 サラリーマンの船越英二。 専業主婦の山本富士子。 男の子を授かるも、子育てで案の定揉める。 病に罹る。 私も散々罹った。 高熱を出した私を背負って病院へ駆け込む道すがら、空を見上げて笑い出した私に 「この子は助からないかも知れない」 と母が泣いた話を思い出す。 母は、私の兄を

        映画レビュー:五十七本目「チャンス!メイドの逆襲」

          映画レビュー:五十三本目「ともしび」

          一年、空いてしまいましたね。 何本か観ていましたが、今観終わった作品について。 「さざなみ」が各国で絶賛されたこともあり、その前に制作された同じくシャーロット・ランプリング主演作「ともしび」が観たいなぁ…と思っていたら、終了寸前のGYAO!に入っていて、しかも2時間後に配信終了!と知って慌てて鑑賞。 年老いた夫婦。 妻、アンナは家政婦。 夜には舞台のワークショップへ。 ある日、夫は監獄へ。 冷静に見送る妻。 「幼い我が子に、あんなことを!」と怒鳴りに来る女性。 息子は電話

          映画レビュー:五十三本目「ともしび」

          映画レビュー五十二本目 ミッドナイト・ファミリー

          この、最近とんと更新御無沙汰の映画コラム、 初のレビュー依頼が来ました。凄い。意外。 作品は、深夜のメキシコシティで闇救急車を営む一家を追ったドキュメンタリー 「ミッドナイト・ファミリー」 https://www.madegood.com/midnight-family/ です。 早速、内容へ。 メキシコの首都、メキシコシティでは、 公営の救急車が人口比で20万人に1台程度しか無く 民間の「闇救急車」に頼らざるを得ない現状。 それをを生業とするオチョア家に密

          映画レビュー五十二本目 ミッドナイト・ファミリー

          映画レビュー五十一本目:プロミシング・ヤング・ウーマン

          私が一番嫌いな日本語は、「若気の至り」です。 それさえ言っとけば、どんな悪さをしても全て断罪されてしまうだろうという浅はかさ。 折しも、某ミュージシャンが過去の虐め体験(攻撃側)を笑いながら告白した記事が掘り起こされ、東京五輪開会式の音楽担当から外され、新譜すらお蔵入りにされるという事態が巻き起こった瞬間。 悪いけど、私は只々「(´?ω?`)」としか思いませんでした。 「ざまあみろ」の顔文字って、こういうヤツなんですね。 キャリアのある女優でありながら、自ら手掛けた脚本はア

          映画レビュー五十一本目:プロミシング・ヤング・ウーマン

          映画レビュー 五十本目「アメリカン・ユートピア」

          「アメリカン・ユートピア」 雨脚は然程では無いのに、ビル風にビニ傘を破壊されながら向かった金曜日の昼、TOHOシネマズ日本橋にて鑑賞。 なんで音楽映画なのにDOLBY館で上映しない?!とは思ったけど、仕方なく。 本国アメリカでは劇場が閉まっていたから配信スルーだったことを考えると、かなりの好条件だから良いか。 デイヴィッド・バーンを知ったのは、91年に解散したバンド、トーキング・ヘッズの80年発表のアルバム「リメイン・イン・ライト」辺りだったと思う。 多分、当時日本

          映画レビュー 五十本目「アメリカン・ユートピア」

          映画レビュー 四十九本目:「バニー・レークは行方不明」

          二ヶ月ぶりです。何も観てなかったワケでは無いんですよ。 でも全部お笑い。ここでレビューは書けません。 そんな一瞬ネタ切れっぽい気分の中、NHKBSでコレ。 こんなモノを13時から流す狂気。 いや、流してくれる粋。 というわけで、今では巨匠扱いだけど本人は多分映画ガイキチだった、オットー・プレミンジャー監督作のカルトな一本。 オープニングの、画面を爪で切り裂きながらのロールは、ソウル・バス。もうハズレ無し確定。 と、頭から観客は混乱する。 屋敷の敷地で兎の小さなぬいぐるみ

          映画レビュー 四十九本目:「バニー・レークは行方不明」

          映画レビュー 四十八本目:「東京流れ者」

          自分くらいの年代には、日本酒「松竹梅」のTVCMとか、TVドラマ「大都会」「西部警察」シリーズで馴染み深い名俳優、渡哲也さんの訃報。 弟の渡瀬恒彦さんの訃報も記憶に新しいうちに届けられたニュースに、ただ思ったのは「まだまだ早かった...」という想い。 今年に入って、新型コロナウイルス関連も含めて、本当に著名人の訃報が多すぎます... 個人的に思い出してしまったことの一つは、「とんねるずのみなさんのおかげです」の「食わず嫌い」コーナーに出演された時(こういう仕事もノリノリ

          映画レビュー 四十八本目:「東京流れ者」

          映画レビュー四十七本目:「少しの愛だけでも」

          旧西ドイツの映画監督、ライナー・ヴェルナー・ファスビンダーの作品に「少しの愛だけでも」というのがある。 鑑賞したのが30年近く前なので、内容はうろ覚えなのだけど、大体のあらすじを。 何処にでもいる中産階級の家庭。 息子がひとり。 母親は息子に無関心で、子供ながらの悪さをすれば体罰を奮う反面、父親はそれを詰った後に小遣いを与えるだけ。 息子は成人し家庭を持つが、借りたアパートの管理人が父親と瓜二つ。 彼は両親の為に家を建て、自分たちは貧しく暮らす。 結婚生活はすぐに破綻し

          映画レビュー四十七本目:「少しの愛だけでも」

          映画レビュー四十六本目:「可愛い悪魔」(TV作品)

          14歳の時に聴いた音楽を、人は一生愛すると言います。 自分もその頃に聴いた、イギリス産のニュー・ウェイヴやらニュー・ロマンティックやらを、未だにMP3プレイヤーのファイルから消せずにいます。 伊集院光さんが昔ラジオ番組で提唱した「中2病」は全くの正解で、大抵の人は中2の頃に聴いた音楽や観た映像、好きだった有名人や当時の習慣から、老いてもな お抜け出せない気がします。 そんな自分の多感期に観たテレビドラマが、未だにショッキングでトラウマ化していました。 VHSデッキは普

          映画レビュー四十六本目:「可愛い悪魔」(TV作品)

          映画レビュー四十五本目;「勝手にふるえてろ」

          「女は、妄想でオ●ニーできるんですよ。」 と言い切ったのは、 松任谷由実。 どっかで昔聞いた話ですが。 三十五年以上前から仲良くさせて頂いているバンド「木魚」のギタリスト、 カイシュウさんから「同級生の娘が女優の松岡茉優って最近知って、オヤジから応援してよって言われたんだよね」という話を聞いたのを、 ブルーレイの束を見てて思い出して、ようやく観ました。 気になってる映画は山ほどあっても、いざ時間を割いて何か観ようと思ってもきっかけが無いとね。 初めて全話見通し

          映画レビュー四十五本目;「勝手にふるえてろ」

          映画レビュー四十四本目 : 「NINE」

          占いを見てたら「キレイなモノを観なさい」と出て来たので、何かあったっけ?とDVDやらブルーレイやらを見直すも、ドス暗い映画ばっかり。 ま、そんなんが大好きなんですが、何かこう、カフェバー(死後30年語)の白壁に投影されてそうな映画なんて無いか? とかふざけた事を考えながらGYAO!のラインナップを眺めてたら、あったじゃん! これ! というわけで、『シカゴ』でお馴染みのロブ・マーシャル姉さん監督作品。 一応しるしておくと、フェデリコ・フェリーニ監督作「8 1/2」のブロー

          映画レビュー四十四本目 : 「NINE」

          映画レビュー四十三本目;「暗殺のオペラ」

          イタリアの巨匠、ベルナルド・ベルトルッチの名を世界に知らしめた名作。 ベルトルッチと言えば、近年の日本では「ラスト・エンペラー」が有名でしょうか。 個人的には、それよりも前の作品の方が好きです。 「ラスト・タンゴ・イン・パリ」や「ルナ」などの歪んだ愛の描き方、何処かに必ずお約束のクセを作るところ(前述2作とも、バルコニーの手摺の裏に噛んだガム を貼り付けるカットがある)などの、美しい画面構成の中に落とし穴を作るような展開がたまりません。 初期作品には、必ずダンスシーンがあり

          映画レビュー四十三本目;「暗殺のオペラ」

          映画レビュー四十二本目「ポランスキーの欲望の館」

          シドニー・ローム、と聞いて反応出来る人は、大体が既に年金受給者の筈。 または、私のように相当な早熟、マセガキだった男の子。子って。 映画熱が突然勃発した小2の頃から、映画雑誌「スクリーン」と「ロードショー」を毎月定期購読していたワケですが、確か取り始めた最初の号の「ロードショー」の表紙が彼女でした。 何故おぼえているのかと言うと、何の映画に出てる人だか分からない(小2の知識では)のに、表紙?という、この疑問もまたマセガキ。 そして、アクション映画好きの両親に連れられて家族で観

          映画レビュー四十二本目「ポランスキーの欲望の館」