心を揺さぶるストーリーのコツ、宗選手の涙で再認識しました。
ディレクターから構成の相談を受けたとき、今ひとつ感情移入できない場合に使うアドバイスがあります。
心を揺さぶるストーリーにしたいなら……、
〝高低差〟をできるだけ激しくすることだよ。
一体、どういうことなのか? 今回は教材を用意してみました。
ハイ、おとといの試合ですね。
僕は久しぶりに叫びました。泣きそうになりました。
実はこの試合、宗佑磨という選手を主人公として見ていくと〝高低差〟の効果がわかってくるんです。
では、なにが起こったのか説明していきましょう。お手数ですが、こちらの試合経過を見ながら読んでいってください。
この日、オリックスはソフトバンクとの首位攻防戦ラストラウンドでした。負ければ優勝はかなり苦しくなり、勝てば望みがつながる。そんな大一番です。
そんな中、宗選手は1打席目、2打席目とヒットを放ち、得点を呼び込みます。3回を終わって、オリックス4点リード。
この時点で、見ている側のテンションはかなり〝高め〟。
しかし、中盤に差し掛かると、宗選手の歯車は狂っていきます。
4回表、得意の守備でタイムリーエラー。
そこから4点あったリードはみるみる1点に。
4回裏の打席は、得点圏にランナーを置いて凡退。
チームは、6回表に逆転されてしまいます。
1点を追う9回裏の打席はノーアウト一二塁でバント失敗。
もう、どん底です。宗選手も見ている側も。
構成のコツとしては、とことん〝落としまくる〟ことが大事になってきます。落としが甘いと、ストーリーの最後で得られるカタルシスが弱くなってしまいます。
では、落とし切ったらどう上げるのか。次に描くべきは上昇のきっかけです。
それは、宗選手がバントを失敗した直後に訪れました。味方が同点にしてくれたんです。
相手は球界屈指のクローザーであるモイネロ投手ですよ?
しかも、9回ツーアウトからですよ?
なんてこったァァァ!
すると、回ってくるんですねー。千載一遇のチャンスが。
10回裏です。ツーアウト満塁で、打席には宗選手!
2球目、155km/hのストレートを振り切った!
打球はセンターへと抜けていく!
オリックス、今シーズン5度目のサヨナラ!
4時間47分の激闘に終止符を打つヒットでした。
落ち切っていたテンションが、ここで爆上げされてMAXに。
僕は家で息子と一緒に見ていたのですが、ふたりとも絶叫ですよ。もちろん、現場のオリックスナインも狂喜乱舞。
上がって、落ちまくって、また上がる。これだけの〝高低差〟があったら、心が揺さぶられないわけがありません。
しかも、ベンチに帰ったあと、宗選手が涙を流すわけです。もうダメ押し。こっちの涙腺まで緩くなってしまうじゃないですか。
ヒーローインタビューの言葉もよかったです。
あー、本っっっ当に感動した!
それにしても、2年連続でこんなにもハラハラさせられる9月になろうとは。優勝の行方が決まるまでは、仕事に集中できそうにありません笑
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