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〝地獄の悪循環〟を抜け出して、強くなるためのキーワード。

年末に買ったこの本を、遂に読み終えました。

『オリックスはなぜ優勝できたのか』

深い。深すぎる本でした。なぜ優勝できたのか。

投打の柱がしっかりしていたから?
選手たちが覚醒したから?
中嶋監督の采配が冴えていたから?
ロッテとの天王山を制したから?

確かに、それらは全て優勝できた理由です。でも、この本は深いところは、このような視点から書かれているからなんです。

「オリックスはなぜ今まで優勝できなかったのか」

もうちょっと辛辣な表現に言い換えるなら、

「オリックスはなぜこんなにも長く暗黒期だったのか」

ということになります。

1996年、日本一になってからのオリックスは長く低迷しました。あなたには想像できるでしょうか?

Bクラスどころか最下位が当たり前という〝闇〟を。

ほとんどの場合、GWを迎えるころには終戦ムードが漂い、巻き返すことなくシーズンが終わっていきます。ドラフトでは1位に入団拒否されること2回。くじ運は最悪。信じられますか?

こんなことが四半世紀も繰り返される〝病み〟を。

親会社にはやる気も資金力もあるんです。でも、勝ち星にはつながらない。一体、なぜ?

著者の喜瀬雅則さんは、そこをがっつりと取材しています。

キーワードは「継承」

残念なことに、オリックスは〝成功〟も〝失敗〟も継承してこなかったみたいなんです。

強い組織って、成功も失敗も糧にしていくわけですよ。試行錯誤して、結果を分析して、それを積み重ねていって、法則を見つけていく。

しかし、オリックスはというと……、

🔵日本一を知るメンバーがごそっと抜ける
🔵経験を継承しないまま世代交代
🔵結果が出なくなって、次々と首脳陣を総入れ替え
🔵失敗を引き継ぐことなく指導方針転換
🔵さらに、近鉄との合併で不協和音
🔵なおも短命政権が続く
🔵補強しても空回り
🔵育成も今ひとつ
🔵FA選手からは「お断リックス」
🔵上手くいかないから、成功も継承されない

書き出してみると、まさに〝地獄の悪循環〟ですね笑 

では、一体どのようにここから抜け出したのか。

まずは「成功を知る人物の招聘」

そして「スカウト革命」「育成環境の整備」「選手の年齢層を考慮したチーム構成」「理に適ったトレーニング」……。

で、あとは「我慢」かな。

試行錯誤して、結果を分析して、それを積み重ねていって、法則を見つける作業をコツコツと。

オリックスの場合は、花開くまでおよそ7年。

中長期的な視野を持ってブレないことが、如何に大事で難しいか。僕はそのことをこの本から学びました。

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