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プロポーズのち、嵐。妻と大笑いしたあの日。

本日、9月7日は僕にとって記念日です。

妻にプロポーズを申し込んだ日。2004年のことでした。

当時、僕は27歳で妻は35歳。付き合って間もなかったけれど、妻の年齢、難病のことを考えて「結婚しよう」と決めていました。

きっと一生に一度のことだからプロポーズは特別な場所でと思い、選んだのが神戸です。

オリックスの試合を見るために、何度も訪れた街・神戸。僕はいつも深夜バスに乗って早朝に到着し、夕方の試合までは散歩をして時間を潰していました。

その中に、最高のロケーションがあったことを思い出したんです。

港に近い三宮からぐーっと山の方へと移動していくと、観光名所の北野異人館があります。異国情緒が漂う地区ですが、その一角にえらく〝和〟を感じさせる建築物があるのをご存知でしょうか。

有名な風見鶏の館の隣、石段を登っていくと辿り着く、北野天満宮。

境内の裏手には小径が続いていて、小さな展望台につながっているんです。案内の存在感が薄く、ほとんどの参拝者がスルーしてしまうのではないでしょうか。僕はその場所――梅花園でプロポーズをすることにしました。

ということで、僕たちは初めての二人旅へ。

初日はオリックスの試合を観戦しました。暗黒期の只中にあり、近鉄との合併騒動も持ち上がった2004年シーズン。しかし、この日は5対2で勝つことができました。

その翌日が、いよいよプロポーズの日。

午前、ホテルを出て異人館へ向かいました。北野天満宮で記念撮影をして、梅花園へ。小径の入口に設置されている箱に入園料の100円を入れて、進んでいきます。

そして、展望台に到着。妻は僕の気持ちを受け入れてくれました。

ところが、ここからが大変だったんです。

街の方へと戻ってくると、どの店もシャッターを下ろしているではありませんか。人影もほとんどなし。一体、なにが起きたのか。当時はスマホなんて持っていませんでしたから、途方に暮れてしまいました。

そうこうしていると、

ボタタッ、ボタタッ。ドシャァァァァァァ。

実はこの日、大型の台風が神戸を通過したみたいなんです。

不覚にも天気予報をチェックしていなかった僕たちは、暴風雨にさらされる羽目に。タクシーも走っていなかったので、三宮から港にあるホテルまで歩くしかありませんでした。

強烈な光景でした。

最後、この道を渡ったら港!という大通りが冠水していまして。膝上くらいまで水位が上がってしまっているんですよ。

ざぶんざぶんと道を渡り、なんとか港内へ。

今度は間近で大きな波がざっぱぁんと弾けました。上から大雨、横から大波、下は水流。海皇ポセイドンのお目覚めか?ってくらいのクライシスでした。

もうホテルがノアの方舟に見えましたね。辿り着いたとき、2人で大笑いしました。妻は「忘れられない日になってよかった」と、実にらしい言葉を口にしたと思います。もう17年も前なので、記憶が曖昧ですけど。

プロポーズのち、嵐。

いつかまた、あの思い出に浸りに神戸を訪ねてみたいです。

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