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202307環境デッキの詳細

遊戯王できてない人へ。
環境デッキを理解するための記事。


1.緒言

本記事は遊戯王したいけどできてない筆者が、環境デッキの理解のため集めた情報の簡単な整理と共有である。デッキを使う上での最低限の内容は押さえられていると信じたい。

諸兄の目に本記事が留まり少しの参考になるのであれば幸いである。30000文字くらいあるので要点だけ知りたいなら7項か8項だけ見てくれてもいい

また、巻末に参考リンクをまとめている。重複した部分もあるがリンク先の方が確実かつ詳細な情報の記載があり、重要なプレイング等の一部を本記事では割愛しているため、興味のあるデッキに関しては是非、是非、是非!リンク先の一読を推奨する


2.【ピュアリィ】

《ピュアリィ》

デッキから下級モンスターをリクルートする共通効果の『メモリースペル』を多数有することで抜群の安定を誇るデッキ。テーマ内のカードの威力も高く、今年7月に行われた日本選手権で優勝したデッキでもある。全盛期と比べると一番の持ち味であった安定性に打撃を受けたが、それでも環境デッキの座は譲らない。

2.1.【ピュアリィ】の特徴と基本展開

基本戦術は2種類の下級モンスター《ピュアリィ》《ピュアリィ・リリィ》でデッキのピュアリィカードを拾ってリソースを増やし、エクシーズモンスターで妨害を構えたりライフカットしに行くことである。

《ピュアリィ》に名称ターン1が付いていないため、『メモリースペル』を使って複数回《ピュアリィ》を特殊召喚することでリソースの消費を抑えながらの展開と手札誘発の確認が可能である。

以下に展開を記載するが、手札誘発等による妨害を考慮しない展開例てあることを予め断っておく。


2.1.1.先行展開その1

『メモリースペル』1枚

①『メモリースペル』の効果でデッキから
 《ピュアリィ・リリィ》を特殊召喚
②《ピュアリィ・リリィ》の効果で
 《ピュアリィ・マイフレンド》をサーチ
③《ピュアリィ・マイフレンド》の効果で
 《ピュアリィ・デリシャスメモリー》サーチ
④《ピュアリィ・デリシャスメモリー》発動
 手札の魔法罠カードを捨てて《ピュアリィ》
 をデッキから特殊召喚
⑤《ピュアリィ》効果でデッキから
 『メモリースペル』を手札に加える
⑥《ピュアリィ・リリィ》の②効果を発動
 墓地の《ピュアリィ・デリシャスメモリー》
 を選択して《エピュアリィ・プランプ》を
 特殊召喚
⑦手札の『メモリースペル』を発動
 相手がこれに何もチェーンしなければ
 《エピュアリィ・プランプ》の効果を発動
 『メモリースペル』をX素材にする
⑧発動した『メモリースペル』で手札の魔法罠
 を捨ててデッキから《ピュアリィ》特殊召喚
 効果でデッキから『ピュアリィ魔法罠』を
 手札に加える
⑨《エピュアリィ・プランプ》効果発動
 『メモリースペル』の効果で捨てた魔法罠を
 2枚選択してX素材にすることで
 《エピュアリィ・プランプ》のX素材が5枚
⑩《エピュアリィ・プランプ》の上に重ねて
 《エクスピュアリィ・ノワール》をX召喚

《エクスピュアリィ・ノワール》と
《ピュアリィ・マイフレンド》

【ピュアリィ】というデッキを代表する展開であり大量の素材を有する《エクスピュアリィ・ノワール》という強固な制圧と《ピュアリィ・マイフレンド》維持による次ターンのリソースの確保を狙う。

対面した相手は《エクスピュアリィ・ノワール》の処理に躍起になりがちだが、後ろに構える《ピュアリィ・マイフレンド》のリソース確保及び墓地回収効果を許すと《エクスピュアリィ・ノワール》の有無に関わらずゲームエンドとなるレベルの後述する展開が可能であり、非常に優秀な盤面である。

場に残った《ピュアリィ》は《LLーアセンブリー・ナイチンゲール》や《S:Pリトルナイト》にして妨害や次ターンのリソースにする。《ピュアリィ・スリーピィメモリー》を上手く絡めることが出来れば次ターンにドローすることも可能だ。


2.1.2.先行展開その2

《ピュアリィ・スリーピィメモリー》

《ピュアリィ・スリーピィメモリー》があれば『メモリースペル』のコストが魔法罠でなくても前述の盤面に展開が可能。ただし展開途中に《ピュアリィ》の効果で『メモリースペル』か《ストレイ・ピュアリィ・ストリート》を拾う必要があるため運も絡む。まあ最初から《ピュアリィ・スリーピィメモリー》と重ね引きしているなら問題はない。

①《ピュアリィ・スリーピィメモリー》発動
 デッキから《ピュアリィ・リリィ》特殊召喚
②《ピュアリィ・リリィ》効果
 《ピュアリィ・マイフレンド》をサーチ
③《ピュアリィ・リリィ》の②効果を発動
 《エピュアリィ・ノワール》を特殊召喚
④《ピュアリィ・マイフレンド》を発動
 『メモリースペル』を手札に加える
⑤『メモリースペル』発動
 もしこれに対してチェーンなければ
 《エピュアリィ・ノワール》の②効果発動
 『メモリースペル』をX素材にしつつ
 デッキから《ピュアリープ!?》をセット
 その後『メモリースペル』の効果で
 デッキから《ピュアリィ》を特殊召喚
 ピュアリィ魔法罠を手札に加える
 このとき『メモリースペル』かもしくは
 《ストレイ・ピュアリィ・ストリート》を
 手札に加える必要がある
⑦『メモリースペル』の場合は発動してすぐ
 《エピュアリィ・ノワール》の②効果を使い
 『メモリースペル』はX素材にする
 《ストレイ・ピュアリィ・ストリート》なら
 発動しておいてエンドフェイズになったら
 《エピュアリィ・ノワール》のX素材を足す
⑧《エピュアリィ・ノワール》のX素材の数が
 4つになったらターンを終了
 相手のターンのスタンバイフェイズに
 《ピュアリィ・スリーピィメモリー》②効果
 1枚ドローする
⑨その後すぐに《ピュアリープ!?》を発動
 《エピュアリィ・ノワール》を対象にして
 《エクスピュアリィ・ノワール》に変換
⑩カード名が新しくなったので
 再度《ピュアリィ・スリーピィメモリー》の
 ②効果を発動出来るので1枚ドローする

《エピュアリィ・ノワール》と《ピュアリープ!?》

2.1.1.項では《エピュアリィ・プランプ》で墓地の魔法罠を素材にして《エクスピュアリィ・ノワール》の素材を確保したが、2.1.2.項の展開であれば《エピュアリィ・ノワール》からの《ピュアリープ!?》を使うことで手札に魔法罠が存在しない場面でも盤面を作ることが出来る。

召喚権や《ピュアリィ・マイフレンド》も絡めることで盤面はより強固になり、《エピュアリィ・ビューティ》や《エピュアリィ・プランプ》で妨害数や《エクスピュアリィ・ノワール》のX素材を増やす等、幅広く強化出来る。

《ピュアリィ・スリーピィメモリー》が制限カードであることから使用頻度が低い展開であるが、幅広い展開の始点に《エピュアリィ・ノワール》からの《ピュアリープ!?》リクルートを選択肢に入れておくのは大切な考え方だろう。


2.1.3.後攻ワンキル

《ピュアリィ・ハッピーメモリー》

①《ピュアリィ》の②効果で
 《ピュアリィ・ハッピーメモリー》を使い
 《エピュアリィ・ハピネス》を特殊召喚
②《ピュアリィ・デリシャスメモリー》発動
 相手が何もチェーンしなければ
 《エピュアリィ・ハピネス》の効果で
 《ピュアリィ・ハッピーメモリー》をX素材
 相手の場に魔法罠があれば手札に戻し、
 更に相手の場の攻撃表示モンスターに
 戦闘破壊耐性を付与する
③戦闘破壊耐性を付与したモンスターに
 《エピュアリィ・ハピネス》で攻撃して効果
 戦闘ダメージを与えつつ
 《ピュアリィ・ハッピーメモリー》をサーチ
 更に戦闘破壊耐性モンスターの攻撃力を半減
④《ピュアリィ・ハッピーメモリー》を発動
 相手が何もチェーンしなければ
 《エピュアリィ・ハピネス》効果でX素材に
⑤これを繰り返す
 《エピュアリィ・ハピネス》が複数回攻撃し
 攻撃した数だけ相手モンスターの攻撃力は
 半減してダメージも増えていく

《エピュアリィ・ハピネス》

この動きを使えば、相手の場の攻撃表示モンスターの攻撃力が2700以下なら8000ダメージ、《ピュアリィ・プリティメモリー》でLPが9000になっていたとしても2150以下なら9000ダメージを与えることが出来るため、ワンキルを狙える。

『メモリースペル』が追加で確保出来るなら《エピュアリィ・ビューティ》の効果を発動することで相手の場の守備表示モンスターの表示形式を変更してワンキルを狙うことも可能。

このワンキルパターンを相手が警戒していた場合、《ピュアリィ・ハッピーメモリー》の発動に何かカードをチェーンして発動することで《エピュアリィ・ハピネス》のX素材にする効果のタイミングを逃がすことが考えられるが、その場合《エピュアリィ・ハピネス》で攻撃する前に《エピュアリィ・プランプ》等のエクシーズモンスターで自爆特効することで《ピュアリィ・マイフレンド》の効果を起動し、墓地の《ピュアリィ・ハッピーメモリー》を回収すればいい。


2.1.4.後手捲りその1

『メモリースペル』

相手の場に攻撃力2000以上のモンスターが存在しワンキルが難しいと思われる場面

①『メモリースペル』からスタート
 《ピュアリィ・リリィ》を特殊召喚
②《ピュアリィ・リリィ》で
 《ピュアリィ・マイフレンド》をサーチ
③《ピュアリィ・マイフレンド》で
 《ピュアリィ・ハッピーメモリー》をサーチ
④《ピュアリィ・ハッピーメモリー》を発動
 《ピュアリィ》を特殊召喚して効果発動
 デッキからピュアリィ魔法罠を手札に加える
 これが『メモリースペル』なら尚良し
⑤《ピュアリィ・リリィ》の②効果発動
 《ピュアリィ・ハッピーメモリー》対象で
 《エピュアリィ・ハピネス》を特殊召喚
⑥バトルフェイズ
 《エピュアリィ・ハピネス》で自爆特効して
 《エピュアリィ・ハピネス》の効果と
 《ピュアリィ・マイフレンド》の効果発動
⑦《ピュアリィ・マイフレンド》で
 (1)最初に発動した『メモリースペル』
 (2)《ピュアリィ・ハッピーメモリー》
 (3)他にも『メモリースペル』があれば回収
 《エピュアリィ・ハピネス》で
 『メモリースペル』をサーチ

《エピュアリィ・ハピネス》と
《ピュアリィ・マイフレンド》

《エピュアリィ・ハピネス》のサーチ効果と《ピュアリィ・マイフレンド》で墓地の『メモリースペル』を回収することで、バトルフェイズを介して大量のリソースを確保する。

メインフェイズ2では《エピュアリィ・プランプ》でX素材を大量に抱えた《天霆號アーゼウス》に繋げるのもいいし、《ピュアリィ・プリティメモリー》の②効果で相手の場のモンスターをX素材にしてもいい。

《ストレイ・ピュアリィ・ストリート》を事前に発動しておけば《エピュアリィ・ハピネス》の自爆特効でデッキから《ピュアリィ》を特殊召喚出来るため、更に多くのリソースに繋げることが可能。


2.1.5.後手捲りその2

《ピュアリィ》と『メモリースペル』

相手の場が守備表示モンスターばかりだったり大型モンスターによる妨害ばかりの場合

①《ピュアリィ》か《ピュアリィ・リリィ》
 の様なレベル1モンスターを通常召喚
②『メモリースペル』で《ピュアリィ》か
 《ピュアリィ・リリィ》を特殊召喚
③2枚のレベル1モンスターで
 《LL-アセンブリー・ナイチンゲール》
④バトルフェイズに入って
 《LL-アセンブリー・ナイチンゲール》で
 直接攻撃してメインフェイズ2で
 《ダウナード・マジシャン》を経由して
 《天霆號アーゼウス》をX召喚

《天霆號アーゼウス》

突然かなりシンプルな《LL-アセンブリー・ナイチンゲール》からの《天霆號アーゼウス》を記載したが、何が言いたいかというとこのデッキの強力な点として、『メモリースペル』から好きなだけレベル1モンスターを特殊召喚出来るので《天霆號アーゼウス》を非常に簡単に特殊召喚出来る点があるということだ。

《ピュアリィ・マイフレンド》のサーチ効果や《ピュアリィ・リリィ》、《ピュアリィ・プリティメモリー》の②効果を使って妨害を踏んで相手の妨害手段が減ってから安全に《天霆號アーゼウス》を出すのは【ピュアリィ】というデッキの強みである。

素材を残した《天霆號アーゼウス》の隣に『メモリースペル』から特殊召喚した《ピュアリィ》や《ピュアリィ・リリィ》を使って《S:Pリトルナイト》をL召喚する等すれば、盤面を捲りつつ強固な盤面でターンを返せる。


2.2.【ピュアリィ】の強みと弱み

《ピュアリィ》《ピュアリィ・リリィ》が『メモリースペル』で捨てた手札を逐一補充しつつ《エクスピュアリィ・ノワール》という強固な制圧と《ピュアリィ・マイフレンド》による大量のリカバリがデッキのパワーを非常に上げており、これが【ピュアリィ】が環境デッキたる所以である。

他の環境デッキもデッキパワーは高いが、他のデッキと比べた【ピュアリィ】の強みは、なんと言っても『メモリースペル』から展開可能という驚異の安定性である。それに加えてテーマ内の各種カードがライフカット・耐性付与・効果無効といった効果を持つことから多様な戦術の使い分けが可能で、それ故に手札誘発の受けが非常に良い。

【ピュアリィ】の弱みはまず手札の消費が非常に激しいこと。基本展開が終了した時点では手札がほぼ無くなっており、次ターンのためのリソースは《ピュアリィ・マイフレンド》等のリカバリ要素で蓄える構造になっている。そのため【ピュアリィ】に理解あるプレイヤーにはリソースの枯渇を狙ったプレイを狙われる可能性がある。

妨害数にも不安がある。制圧力の高い《エクスピュアリィ・ノワール》だが、妨害を単一のカードに依存しているため、場合によっては《エクスピュアリィ・ノワール》の処理からそのままワンキルを狙われる可能性も高い。


2.3.【ピュアリィ】の構築

以下はテンプレート構築の案である。

《ピュアリィ》の効果を多用するためデッキ内にピュアリィネームの魔法罠が多い程展開中のリソースのロスを抑えられるため、その割合を高くするのが通説である。また『メモリースペル』で捨てたカードを《エピュアリィ・プランプ》の効果で素材にするために、デッキ内のモンスターの割合は低い方がいいとされている。特に召喚権がブッキングする可能性を考えて《ピュアリィ・リリィ》の枚数を減らすことも少なくない。

《ストレイ・ピュアリィ・ストリート》

後述する【R-ACE】の存在から『無限泡影』が広く使われているため、対象耐性を付与しつつデッキの動きを強固にしてくれる《ストレイ・ピュアリィ・ストリート》は複数枚投入するのが主流になりつつある。

《ピュアリィ・マイフレンド》

枚数の変動で言うと非常に強力な《ピュアリィ・マイフレンド》は一般的に3枚採用されるが、環境によって《ドロール&ロックバード》のメイン採用が予想される場合は枚数を抑えることもある。

《強欲で貪欲な壺》

『ピュアリィ・スリーピィメモリー』が制限カードであることから前シーズンよりデッキの安定性が落ちたため、安定性を維持するため《ピュアリープ!?》も複数枚積むのが主流になっており、加えて《強欲で貪欲な壺》の採用でデッキから『メモリースペル』を拾いに行くことも増えた。


2.4.【ピュアリィ】のゲーム構成

基本的には、先行なら上記の《エクスピュアリィ・ノワール》と《ピュアリィ・マイフレンド》の盤面を目指し、後攻ならワンキル、それが難しいなら《ピュアリィ・マイフレンド》によるリソースの確保と《天霆號アーゼウス》や《エクスピュアリィ・ノワール》の鎮座を目指す。

先行展開のあと、ターンが帰ってきてからはX素材が無くなった《エクスピュアリィ・ノワール》を《S:Pリトルナイト》等に変換してライフカットとアドバンテージの確保を目指す。

《ピュアリィ・マイフレンド》

先行で妨害され展開が伸ばしにくくなったら《ピュアリィ・マイフレンド》によるリカバリ手段を残しつつピュアリィエクシーズモンスターを立てることを狙う。そのため《ピュアリィ・マイフレンド》にアクセス出来る《ピュアリィ・リリィ》は名称ターン1効果であることから是非効果を通したいモンスターである。

手札に『メモリースペル』の余裕があれば《ピュアリィ》を先に連打してデッキを回し、相手の手札誘発をチェックしてから《ピュアリィ・リリィ》に向かう。上記展開では《ピュアリィ・リリィ》を《エピュアリィ・プランプ》にしていたが、実戦では《ピュアリィ》で《ピュアリィ・デリシャスメモリー》を引き込んで《ピュアリィ》効果で《エピュアリィ・プランプ》にするプレイを目指す。特に《ピュアリィ》の②効果で相手の《増殖するG》を確認してから手札の『メモリースペル』をプレイして、《増殖するG》によるドローを最小限に抑えるプレイは重要である。

《エピュアリィ・ビューティ》

上手く誘発を当てられたり《ピュアリィ》の捲りが弱いときは《ピュアリィ》や《ピュアリィ・リリィ》を《エピュアリィ・ビューティ》にすることで1妨害にすることもある。尤も《エピュアリィ・ビューティ》は主に後攻での使用が目立つカードである。相手の守備表示モンスターを攻撃表示にすることでワンキルを狙ったり、《ピュアリィ・プリティメモリー》でモンスターを除去する使い道である。

《エピュアリィ・プランプ》

ちなみに打点になるのは割と《エピュアリィ・プランプ》だったりする。墓地の《ピュアリィ・デリシャスメモリー》を拾えばX素材に《ピュアリィ・デリシャスメモリー》が2枚になるため、攻撃力3000程度まで打点を上げつつメインフェイズ2で《エクスピュアリィ・ノワール》等に変換可能だ。もし《ピュアリープ!?》が手札にあれば先行後攻問わず《エピュアリィ・プランプ》のままターンエンドしてX素材を増やしたり《ストレイ・ピュアリィ・ストリート》で《ピュアリィ・スリーピィメモリー》のドローや耐性を付与したり等、様々な応用が可能だ。

《ドロール&ロックバード》

《ドロール&ロックバード》は【ピュアリィ】対策で稀に使用される。この対策のためドローフェイズに『メモリースペル』を使用して展開するプレイも頻出する。

《キキナガシ風鳥》

《キキナガシ風鳥》は《LL-アセンブリー・ナイチンゲール》と同じくターンを耐える役割もあるが、このカードの真骨頂は攻撃表示で特殊召喚することで確実な《天霆號アーゼウス》を狙いに行ける点である。このカードが注目されてからは、ミラーで《エクスピュアリィ・ノワール》を攻撃表示で特殊召喚するプレイも広まった。

《閃刀姫-アザレア》

【ピュアリィ】はメインギミックで魔法罠を破壊する際は《エクスピュアリィ・ノワール》まで展開しなければならない。そのため展開を阻害する魔法罠の破壊は《閃刀姫-アザレア》等のカードに依存していたが、《S:Pリトルナイト》がこれらの問題をある程度解決することになる。


2.5.【ピュアリィ】の変遷

《救いの架け橋》

【ピュアリィ】が頭角を表した際、《エクスピュアリィ・ノワール》と《ピュアリィ・マイフレンド》の布陣の強固さに着目し、自己展開中にアドバンテージを得つつ《ストレイ・ピュアリィ・ストリート》で《ピュアリィ・スリーピィメモリー》によるドローを確実に狙うゲームプランとして《救いの架け橋》を採用した構築が現れた。安定したゲームが《三戦の号》等のパワーカードの採用を無理なく可能にした。

《三戦の号》
《次元障壁》

《三戦の号》がパワーカードとして注目されたのは、ミラーにおける《ドロール&ロックバード》や《次元障壁》の存在によるところが大きい。手札誘発を受けてからの《三戦の号》からの《次元障壁》によるターンスキップを積極的に狙いに行く環境が始まるかと思われたが、実際はそんなことにはならず、《次元障壁》に耐性のあるデッキテーマがここぞとばかりに名乗り出たため手札誘発の需要が減ることは無かった。

結果【ピュアリィ】も手札誘発を多く採用することになり、手札コスト不足問題を迎える。

注目されたのは「手札から捨てられたときに手札を確保出来るカード」である。

《暗黒界の狩人 ブラウ》

《救いの架け橋》と違い『メモリースペル』の要求枚数が少ない『暗黒界』は非常に安定してゲームが可能だった。

が、ここで制限改訂を迎え【ピュアリィ】は《ピュアリィ・スリーピィメモリー》が制限カードに指定されたことで『メモリースペル』の総枚数が減った。これによりデッキの安定性に支障が出たことで『メモリースペル』の引き込みが重要視され、『メモリースペル』との重ね引きを要求する『暗黒界』も次第に姿を消すことになる。

《次元の裂け目》

制限改訂後真っ先に注目されたのは《次元の裂け目》だ。『メモリースペル』を引けなくても時間稼ぎが可能になる。これにより【ピュアリィ】が制限改訂後も現役であることを証明してみせた。

しかしながら【ピュアリィ】が現役であることが証明された以上、それはミラーが減らないということでもある。改訂から環境が安定してくると《次元の裂け目》が有効にならない場面が増えていった。

《強欲で貪欲な壺》

2023.07環境は最終的に《強欲で貪欲な壺》である程度のリスクと引き換えに『メモリースペル』を引き込む形で【ピュアリィ】の構築は安定している印象だ。


3.【R-ACE】

《R-ACEハイドラント》

高い展開性能を有するモンスター群による妨害耐性の厚さと《R-ACEタービュランス》による爆発的な量の魔法罠による妨害により、随一の展開の強固さを誇るデッキ。

3.1.【R-ACE】の特徴と基本展開

【R-ACE】は《R-ACEハイドラント》《R-ACEインパルス》《R-ACEプリベンター》といった単体性能の高いモンスターを多く携えたデッキテーマだ。特に《R-ACEタービュランス》は現在のOCGのカードプールでもトップクラスのアドバンテージを稼ぐ性能である。

《R-ACEタービュランス》

②の効果を読んで欲しい。サラッとデッキからカードを4枚持ってくると書いてある。ヤバい。この《R-ACEタービュランス》のカードデザインの関係で、テーマ内の魔法罠のレパートリーも非常に充実しているのも特徴だ。

こういったハイパワーのテーマはそれぞれのカードに制約を設けて他ギミックとの共存を規制するものなのだが、【R-ACE】はそういった規制が無い。自由に展開の強化が可能なので将来性が高いのも重要だ。

以下は基本展開の紹介である。


3.1.1.《R-ACEエアホイスター》

《R-ACEエアホイスター》

①《R-ACEエアホイスター》を通常召喚
 効果で《EMERGENCY!》を手札に加える
②《EMERGENCY!》を発動
 《R-ACEハイドラント》を特殊召喚して
 場の《R-ACEエアホイスター》をリリース
③《R-ACEハイドラント》の効果発動
 《R-ACEタービュランス》を手札に加える
④墓地の《R-ACEエアホイスター》と
 《EMERGENCY!》を除外することで
 手札の《R-ACEタービュランス》を特殊召喚
⑤《R-ACEタービュランス》の効果発動
 《EMERGENCY!》《RESCUE!》
 《EXTINGUISH!》《CONTAIN!》をセット

《R-ACEエアホイスター》1枚からの盤面

このデッキは《R-ACEタービュランス》の効果を如何にして通すかが重要だ。1枚から《R-ACEタービュランス》に繋がるカードは覚えておく必要がある。


3.1.2.《R-ACEハイドラント》

《R-ACEハイドラント》

①《R-ACEハイドラント》を通常召喚
 効果で《R-ACEプリベンター》をサーチ
②《R-ACEハイドラント》を素材に
 《リンクリボー》をL召喚
③墓地の《R-ACEハイドラント》を除外して
 手札の《R-ACEプリベンター》を特殊召喚
④《リンクリボー》と《R-ACEプリベンター》
 の2枚で《警衛バリケイドベルグ》をL召喚
⑤《R-ACEプリベンター》の③効果を発動
 除外の《R-ACEハイドラント》を特殊召喚
⑥《警衛バリケイドベルグ》と
 《R-ACEハイドラント》の2枚を素材にして
 《幻獣機アウローラドン》をL召喚

《R-ACEハイドラント》1枚からの盤面

《R-ACEハイドラント》1枚から展開する場合、《幻獣機アウローラドン》に繋げることが可能。あとは定石通りシンクロ召喚で盤面を作ればいい。


3.1.3.《R-ACEハイドラント》との重ね引き1

《R-ACEハイドラント》は重ね引きで真価を発揮する。《R-ACEプリベンター》《ALERT!》は実質《R-ACEタービュランス》となり、3.1.2.項の動きで《R-ACEハイドラント》1枚から《幻獣機アウローラドン》に繋げたあと

《R-ACEハイドラント》と《R-ACEタービュランス》

⑦《幻獣機アウローラドン》効果で自身と
 「幻獣機トークン」1枚の合計2枚リリース
 デッキから《幻獣機オライオン》を特殊召喚
⑧⑦で特殊召喚した《幻獣機オライオン》と
 「幻獣機トークン」2枚の合計3枚を素材に
 《ヴァレルロード・S・ドラゴン》をS召喚
⑨《ヴァレルロード・S・ドラゴン》効果
 それにチェーンで《幻獣機オライオン》効果
 「幻獣機トークン」1体を特殊召喚しつつ
 墓地の《幻獣機アウローラドン》を装備
⑩墓地の《R-ACEハイドラント》と
 《R-ACEプリベンター》の2枚を除外して
 手札の《R-ACEタービュランス》を特殊召喚
⑪《R-ACEタービュランス》の効果発動
 《EMERGENCY!》《RESCUE!》
 《EXTINGUISH!》《CONTAIN!》をセット

《R-ACEハイドラント》と
《R-ACEタービュランス》からの盤面

《ヴァレルロード・S・ドラゴン》の存在から《R-ACEタービュランス》の効果を確実に通しに行くことが出来る。


3.1.4.《R-ACEハイドラント》との重ね引き2

《幻獣機オライオン》を不採用であったり素引きしてしまっている場合も、かなり強固な盤面を作ることが可能。サイドゲームからは《幻獣機アウローラドン》の展開より頻出するので覚えておくといいだろう。

《R-ACEハイドラント》と《R-ACEタービュランス》

①《R-ACEハイドラント》を通常召喚
 効果で《R-ACEプリベンター》をサーチ
②《R-ACEハイドラント》を素材に
 《リンクリボー》をL召喚
③墓地の《R-ACEハイドラント》を除外して
 手札の《R-ACEプリベンター》を特殊召喚
④《リンクリボー》と《R-ACEプリベンター》
 の2枚で《S:Pリトルナイト》をL召喚
⑤《R-ACEプリベンター》の③効果を発動
 除外の《R-ACEハイドラント》を特殊召喚
⑥《R-ACEハイドラント》をリリースして
 墓地の《リンクリボー》効果発動
 《リンクリボー》を蘇生
⑦墓地の《R-ACEハイドラント》と
 《R-ACEプリベンター》の2枚を除外して
 手札の《R-ACEタービュランス》を特殊召喚
⑧《R-ACEタービュランス》の効果発動
 《EMERGENCY!》《RESCUE!》
 《EXTINGUISH!》《CONTAIN!》をセット

《R-ACEハイドラント》と
《R-ACEタービュランス》からの盤面

一見すると地味だが《リンクリボー》が《S:Pリトルナイト》を戦闘破壊から守り、《S:Pリトルナイト》は《原始生命態ニビル》等の除去から《R-ACEタービュランス》を守っている。

そして何より、この展開の強い点は4体目の特殊召喚が《S:Pリトルナイト》であることだ。つまり《R-ACEタービュランス》の起動効果への《無限泡影》を防いだり《原始生命態ニビル》から《R-ACEタービュランス》を逃がしたりと、様々な運用が可能だ。サイドチェンジ後にメタカードを大量に投入されたゲームでは、1ターン目は上記展開をして、ターンが帰ってきてから《幻獣機アウローラドン》で攻めることで対面のサイドカードのバリューを下げるゲームプランが重要となる。



3.1.5.《黒魔女ディアベルスター》

《黒魔女ディアベルスター》

①《黒魔女ディアベルスター》を特殊召喚
 効果で《原罪宝ースネークアイ》をセット
②《原罪宝ースネークアイ》を発動
 コストは《黒魔女ディアベルスター》
 デッキから《R-ACEハイドラント》特殊召喚
③《R-ACEハイドラント》効果で
 《R-ACEエアホイスター》を手札に加える
④《R-ACEエアホイスター》を通常召喚
 効果で《ALERT!》を手札に加える
⑤《ALERT!》を発動
 場に《R-ACEハイドラント》が存在するので
 デッキから《R-ACEタービュランス》サーチ
⑥《R-ACEハイドラント》と
 《R-ACEエアホイスター》の2枚を素材に
 《S:Pリトルナイト》をL召喚
⑦墓地の《R-ACEハイドラント》
 《R-ACEエアホイスター》の2枚を除外して
 手札の《R-ACEタービュランス》を特殊召喚
⑧《R-ACEタービュランス》の効果発動
 《EMERGENCY!》《RESCUE!》
 《EXTINGUISH!》《CONTAIN!》をセット

《黒魔女ディアベルスター》1枚からの盤面

《黒魔女ディアベルスター》は特殊召喚から《R-ACEタービュランス》まで繋げることが可能であり、強力過ぎる初動として活躍出来る。


3.2.【R-ACE】の強みと弱み

【R-ACE】は各カードのスペックの高さからリソースの質が良く、1枚初動が重なれば重なるほど攻め手になる出力の機動性がある。

先行なら手札誘発を貫通して強固な盤面を作り、後攻なら大量の手数で相手の先行盤面を崩すという、10期の遊戯王を彷彿とする殴り合いのゲームなら誰にも負けない。

そんな【R-ACE】の弱みはあくまで10期の遊戯王であること。前時代的だ。現代遊戯王は手札誘発を貫通するのは当たり前、リソースは溢れて当たり前、なにより相手のターンに盤面展開する時代なのだ。他デッキと比べると暴力的なゲーム展開することが出来ず、対戦相手の理不尽なゲームを許してしまい「今のはどうしようもない」という負けゲームを多く抱えることになるだろう。手札誘発をあまり多く積めないことも首を絞める。

それに加えて【R-ACE】特有の手札事故も存在する。【R-ACE】は《R-ACEタービュランス》の存在から『R-ACE魔法罠』をデッキに多く投入することになる。これらは重ね引きしてこそ強力だが基本的に1枚初動にならない、つまり事故要因でもあるのだ。


3.3.【R-ACE】の構築

以下はテンプレート構築の案である。

【R-ACE】の構築はメインギミックの幅が広い。1枚初動となる《R-ACEエアホイスター》は強力なので3枚採用することもあるが、ダブって引いてしまうと痛手なので枚数を減らすことが多い。《R-ACEプリベンター》は1枚初動ではないが、重ね引きのパワーを無視できないため2枚か3枚の採用が多い印象だ。《R-ACEインパルス》は相手のターンにデッキからリソースを拾えるため3枚の採用も珍しくないが、先行での動きの阻害にもなるので難しいところだ。

《幻獣機オライオン》

《幻獣機オライオン》や《ジェット・シンクロン》はデッキの不純物だが、デッキパワーの向上のため採用するのが主流に思われる。引きたくないカードがデッキにあると、デッキ枚数は少し多めの41~43枚になりがちだ。

このデッキの構築を大会入賞報告等から参考にする場合、手札誘発の比率・比重で見ることも大切だ。手札誘発を増やすほど先行での安定した展開からは遠のくが、手数のバランスを崩さない構築は意識されていると言えよう。上手く自分のゲームプランと相談したい。


3.4.【R-ACE】のゲーム構成

メイン戦での先行は《R-ACEタービュランス》を確実に通すことを意識し《幻獣機アウローラドン》等で展開して誘発を貫通する。サイドゲームからは《S:Pリトルナイト》+《R-ACEタービュランス》を目指すことで《原始生命態ニビル》や《拮抗勝負》によるリスクをケアして展開する。

後攻のゲームは相手が展開した盤面の妨害を手数で踏んで盤面を荒らし、最後は《R-ACEタービュランス》等を蓋に使うことで制圧を狙う。手数で攻めるゲームは攻めきったあとの爽快感を味わえるだろう。昨今は理不尽なゲームを仕掛けてくる対面が多いため、サイドデッキから上手くメタカードを的確に積む必要性が、他のデッキよりも求められる点に注意である。

《S:Pリトルナイト》

《S:Pリトルナイト》は先行展開では《R-ACEタービュランス》に対する《無限泡影》《エフェクト・ヴェーラー》を強要する役割も持っており、後攻の手数にもなる紛れもないエースカードである。このカードを上手く使えることが【R-ACE】の強みと言っても過言ではない。


3.5.【R-ACE】の変遷

当初注目されていなかった【R-ACE】が環境に顔を出す様になったのは《R-ACEプリベンター》《EMERGENCY!》が新規で登場してからである。

《EMERGENCY!》

《EMERGENCY!》は《R-ACEタービュランス》の効果に対する《無限泡影》をサクリファイスエスケープ出来ることで注目を集めた。流行していた《次元障壁》に対して強い立ち位置であったことも功を奏している。

その後《R-ACEタービュランス》の驚異が広く認知され、如何にして《R-ACEタービュランス》の効果を通すかが研究された。

《沼地のドロゴン》

はじめは《プロキシー・F・マジシャン》からの《沼地のドロゴン》で耐性を付与する案が知られたが、かなり限定的な用途であったため、より利便性の高いギミックにシフトしていく。

《幻獣機アウローラドン》

それが《R-ACEプリベンター》と《警衛バリケイドベルグ》からの《幻獣機アウローラドン》を使ったシンクロ召喚を使用する展開である。

《F.A.ライトニングマスター》

特に《アクセル・シンクロン》で《ジェット・シンクロン》を墓地に送ることで《虹光の宣告者》と《F.A.ライトニングマスター》の2枚を構える展開は注目された。

《S:Pリトルナイト》

現在はオーバーパワーな展開ではなく、負け筋となる《原始生命態ニビル》や《増殖するG》を重く貰わないこと、手札誘発の重ね引きに対してもある程度耐性があることから《S:Pリトルナイト》を積極的に使用する流れになっている印象だ。複数枚の投入も見受けられる。


4.【ティアラメンツ】

《ティアラメンツ・クシャトリラ》

自分相手ターン問わず動き出す変則的な動きとデッキから墓地に送る自由度の高いパフォーマンスで、他の追随を許さない圧倒的なリソース量を構えるデッキ。


4.1.【ティアラ】の特徴と基本展開

言わずもがな【ティアラメンツ】はデッキを墓地に送り、墓地の豊富なリソースで盤面を形成するデッキだ。たが、このデッキの本質は「相手のターンに展開する」という攻め手の自由度を活かした戦術であり、これによりじゃんけんで負けた後攻のゲームや《増殖するG》によるターンスキップに対してフェアなゲームを行えることこそが最大の特徴である。

それ故にプレイヤーの自力が試されるデッキでもある。入賞構築を参考にして腕の無いプレイヤーがデッキを構築し、「運が悪かった」等と言って戦績が伸びないまでがこの【ティアラメンツ】というデッキの一連の流れにも思う。

展開紹介…といきたいところだが【ティアラメンツ】はほぼ全てアドリブで展開するため、基本展開は存在しない。そこでこの場では最終盤面となるカード・ギミックだけ記載しようと思う。


4.1.1.《ティアラメンツ・ルルカロス》とティアラメンツ魔法罠

《ティアラメンツ・ルルカロス》とティアラメンツ魔法罠

主に《沼地の魔神王》が墓地に居る状態で下級ティアラメンツが墓地に送られた場合に融合召喚することになり、サイドゲームからの《原子生命態ニビル》への対策として優先的に場に出されるモンスターである。が、単体の妨害性能はそこまで高くなく《三戦の才》《無限泡影》の餌食でもある。そのため単純な1妨害として使用する意味は薄く《暗黒界の龍神王 グラファ》を優先することが多い印象だ。《ティアラメンツ・ルルカロス》が強い意味を持つのは《壱世壊を劈く弦声》《壱世壊に奏でる哀唱》といったカードの発動条件を満たすことであり、こういったカードを場に維持することで初めて強力な盤面となる。


4.1.2.《琰魔竜 レッド・デーモン・アビス》

《琰魔竜 レッド・デーモン・アビス》

下級ティアラメンツの規制を受けて墓地リソースにシンクロギミックを採用することが増え、その関係で【ティアラメンツ】は《混沌魔龍 カオスルーラー》を積極的に狙うことになった。そこで《混沌魔龍 カオスルーラー》を墓地に送りつつ1妨害を手ごろに構える選択肢として《琰魔竜 レッド・デーモン・アビス》が運用される。つまりこのカードに求められている役割は妨害性能ではなく《混沌魔龍 カオスルーラー》からの繋ぎ先なのだ。この動きをする場合、無理をして《混沌魔龍 カオスルーラー》の特殊召喚から盤面を伸ばす必要はなく、墓地に《混沌魔龍 カオスルーラー》を残して手札に《融合》等の攻め手を抱えてターンを相手に渡し、次ターンのライフカットを狙う意識も重要である。


4.1.3.《エルシャドール・ミドラーシュ》と《壱世壊に軋む爪音》

《エルシャドール・ミドラーシュ》と《壱世壊に軋む爪音》

大量展開を狙うデッキと対面したとき、驚異的な制圧力を発揮するのが《エルシャドール・ミドラーシュ》である。利便性の高さから《壱世壊に奏でる哀唱》を優先したくなることが多いが、《エルシャドール・ミドラーシュ》を守るという意味での性能は《壱世壊に軋む爪音》の方が安心である。戦闘破壊から守るだけなら《壱世壊=ペルレイノ》《壱世壊を劈く弦声》でもいいが、相手モンスターを着地に合わせて摘み取れる《壱世壊に軋む爪音》は《厄災の星ティ・フォン》等からも守ることが可能という意味で高評価だ。

《ナチュル・ビースト》と《壱世壊に軋む爪音》

【ピュアリィ】や【神碑】に対しては《エルシャドール・ミドラーシュ》ではなく《ナチュル・ビースト》で同様の盤面を作りに行く。一応記載するが、《ナチュル・ビースト》はイシズギミックが無くとも《沼地のドロゴン》の属性変化効果でのシンクロ召喚を狙う。


4.2.【ティアラ】の強みと弱み

【ティアラメンツ】の強みは言うまでもない。前述の内容を繰り返すが、「相手のターンに展開する」という攻め手の自由度を活かした戦術、これによりじゃんけんで負けた後攻のゲームや《増殖するG》によるターンスキップに対してもフェアなゲームを行えることが強みだ。

墓地のリソース量が爆発的なので目が逸れがちだが、デッキ自体の性質故のゲームの安定性はリソース量に限らない。デッキを掘ることが出来なくても《壱世壊を劈く弦声》等のテーマカードの性能は他テーマと比べ優秀なものが多く、加えて多種多様なカードを利用したシンクロ・リンク召喚でのビートダウンも十分強い。《壱世界を揺るがす鼓動》の存在もメタ・サイドゲームを有利に進める助けになる。

デッキ的な弱みではないが、【ティアラメンツ】の最大の弱みはプレイングの難しさにある。CSに参加すれば一定数は【ティアラメンツ】を使用するプレイヤーが居るのだが、終始ミス無くゲーム出来るプレイヤーは本当に一握りである。筆者の体感で言うとCSプレイヤー100人に5人程度だ。プレイすべきカードの順番を間違えたり、リソースを無駄に捌けたことにゲーム終了まで気付かなかったりという場面が非常に多い。長い間環境にありながら、頻繁にCSに参加するプレイヤーでもまともに使いこなせないというのは【ティアラメンツ】の盤外での弱みと言えよう。

デッキ的な弱みを挙げるなら、昨今の【ティアラメンツ】が抱える初動の矛盾だろう。墓地リソースとなるカードをデッキ内に多く抱えることでパワーを上げているが、それは手札でカードが腐る危険性を多く孕んだ戦い方でもある。手数が重要なデッキでありながら引き込みたくない不純物を多く採用するという矛盾は、動き出すまでの線が細かった場合それが顕著な敗因になる危険が他デッキより大きいことを示す。複数の妨害を初動に的確に打たれると、全く自分のゲームが出来ずに負けることが予想されるのである。


4.3.【ティアラ】の構築

以下はテンプレート構築の案である。

数多の規制を受けて【ティアラメンツ】はテーマ内カードが非常に少ない割合になってしまった。そんな中でもこのデッキが高いパフォーマンスを維持しているのは「墓地肥やしの期待値」を依然として高く保っていることが理由だ。リストを見てみるとデッキの半分以上を墓地リソース、デッキ内の3分の1を墓地肥やし効果を有するカードが占めている。そのため採用するカードの選出基準は単体のカードパワーよりもデッキ全体の中でのカードの役割を優先することが多い。単純な話「手札にあったら強いカード」をいくら採用しても引けなければしょうがないが、それよりも「墓地に送られたら強いカード」を入れておけば、1ゲームで20枚近い枚数を墓地に送る【ティアラメンツ】というデッキでは高い期待が出来るということだ。

《灰流うらら》

《灰流うらら》が最たる例だろう。《増殖するG》に対して強気に展開できるカードであり、手札で腐ることがほぼないため「必須カード」とまで称されるカードであるが、【ティアラメンツ】においては不採用が珍しくない。

また、レシピを眺めると採用されるカードはピンで採用されるものが多い。単純に制限カードの採用が多いということもあるが、墓地リソースを引き込む可能性があるため手札で腐るリスクを考慮し、なるだけダブりによる手数の減少を減らす狙いもある。


4.4.【ティアラ】のゲーム構成

墓地肥やし効果でデッキを掘りリソースを増やし、豊富な手段で強力なモンスターを並べて力で圧倒する。そのためまず先行展開では墓地を肥やす…と思われがちだが、実践ではその前に対面の妨害をチェックが必要だ。手札誘発を重く貰わない初動から様子見しながら展開することで初めて確実な墓地肥やしが出来る。これは《増殖するG》に対してプレイングでカバーするための重要な考えである。

《ティアラメンツ・クシャトリラ》

後攻のゲームは《ティアラメンツ・ハゥフニス》《ティアラメンツ・クシャトリラ》での墓地肥やしから《宿神像ケルドウ》《妖精伝姫ーシラユキ》等による妨害や各種融合モンスター、特に《エルシャドール・ミドラーシュ》等の着地による妨害を目指す。ターンが返ってきたら手数で相手の妨害を切り抜ける。手数が強さのデッキではあるものの4.2.項で触れた様に想像以上に余裕が無いデッキでもあるため、注意しながら熟考して攻めること。

デッキを回す上で特に意識すべきこととして、デッキ内の墓地肥やしの期待値が挙げられる。デッキ内に《増殖するG》《壱世壊=ペルレイノ》等が眠っている状態と既に減った状態とでは墓地肥やしの重要性がかなり変わってくる。墓地肥やしの前に期待値を可能な限り上げてからデッキを回すことを強く意識すべきである。


4.5.【ティアラ】の変遷

POTEでデビューしてすぐの頃は【スプライト】に注目が集まり、それほどユーザーが多いわけではなかった。イシズギミックの普及、《餅カエル》の規制、《ティアラメンツ・ルルカロス》等の強化を経て、2022年の夏に【ティアラメンツ】一強の環境となるまでの経緯があったり、その後《ティアラメンツ・キトカロス》の禁止によるデッキコンセプトの大きな変化もあったが、あまり昔の話はここでは割愛しよう。

《ティアラメンツ・キトカロス》

昨今の規制の傾向は、デッキコンセプトをあまり崩さず安定性を落とすことでデッキパワーを落とすことが多い。《ティアラメンツ・キトカロス》規制後の【ティアラメンツ】もそのレールに乗っているが、デッキの性質上なかなか安定性が落ちることは無く、数多の規制を受けて尚1年以上環境に居座り続けている。

《グローアップ・バルブ》

下級ティアラメンツの制限以降は「墓地肥やし」と「墓地リソース」の両方の性能を持つティアラメンツギミックのカードのデッキ内の枚数比率が下がったが、補填となるカードが現行のカードプールには多く存在するため、様々なギミック、特に墓地利用の概念が急成長した第7期の"シンクロ召喚"に関するギミックをデッキに盛り込むことで『墓地利用GS』という形でデッキは息を続けている。

そういった背景があり、墓地利用カードが新規で実装された場合は様々な強化・検討が期待されることで、より環境デッキとしての地位を固めている。直近では《レボリューション・シンクロン》が《混沌魔龍 カオスルーラー》に繋げつつ墓地肥やし効果もあり、加えて《ナチュル・ビースト》の素材にもなることから注目された。

《レボリューション・シンクロン》

とはいえ、エクストラデッキの最適化が進んでおらず、手札に引き込んだ墓地リソースを捨てる等の汎用性の高さもあって《黒魔女ディアベルスター》の採用が優先され、共有することでデッキが肥満気味になることを防ぐため、最近は《レボリューション・シンクロン》は不採用になりがちな印象である。


5.【ラビュリンス】

《ビッグウェルカム・ラビュリンス》

ターンスキップ級のカードをデッキから安定してリクルートする先行妨害のパフォーマンス、デッキ全体が手札誘発の様な効果を有することで後攻でも高い妨害性能を発揮、総じて環境随一の妨害性能を誇るデッキ。


5.1.【ラビュ】の特徴と基本展開

まず環境に鎮座する【ラビュリンス】は「家具型」と呼ばれる型である。「家具」とは《白銀の城の竜飾灯》《白銀の城の火吹炉》の2種類を指す。これらのカードの性能を極限まで活かすことでデッキパワーを破格に上げたのが現在の【ラビュリンス】だ。

【ラビュリンス】はテーマ内に妨害性能のある罠がほぼ存在しない珍しい罠ビートのデッキだ。主に《ビッグウェルカム・ラビュリンス》の①効果で自分の場のモンスターをバウンスし、《白銀の城のラビュリンス》の破壊効果や墓地の「家具」等の効果を誘発することでアドバンテージを稼ぐ。それに加えて《迷宮城の白銀姫》の効果でデッキ内にある妨害性能の高い通常罠をリクルートすることで、対戦相手のゲームを崩壊させることを狙う。

「家具」をはじめとした【ラビュリンス】テーマ内のモンスター群は相手のターンにもカード効果を発動できるため、非常に高い妨害性能を持つ手札誘発として機能するのも大きな特徴だ。

以下に基本展開を示す。


5.1.1.後攻での《白銀の城の狂時計》と「家具」の重ね引き

相手のターンに発動できる【ラビュリンス】の強力な展開である。

《白銀の城の狂時計》と「家具」

①《白銀の城の狂時計》の①効果発動
②その後「家具」の効果を発動
 《ビッグウェルカム・ラビュリンス》セット
③墓地の《白銀の城の狂時計》の②効果発動
 自身を場に特殊召喚
④《ビッグウェルカム・ラビュリンス》を発動
 《白銀の城のラビュリンス》を特殊召喚して
 場の《白銀の城の狂時計》を手札に戻す
⑤場の《白銀の城のラビュリンス》の効果と
 墓地の「家具」の効果を発動
 カードを1枚破壊しつつ「家具」蘇生or回収

《白銀の城のラビュリンス》

これが基本展開であり、ギミック内のカードだけで相手のターンに強力な妨害を仕掛けつつ、自分のターンの攻め手になる《白銀の城のラビュリンス》を特殊召喚できる。


5.1.2.《剣神官ムドラ》または《宿神像ケルドウ》と「家具」の重ね引き

《剣神官ムドラ》または《宿神像ケルドウ》と「家具」

①相手が墓地のカードを対象もしくは
 墓地のカードに干渉する効果を使ったとき、
 その効果にチェーンして「家具」を発動
②「家具」のコストで捨てるのは
 《剣神官ムドラ》または《宿神像ケルドウ》
③「家具」の効果にチェーンして、
 たった今墓地に捨てた《剣神官ムドラ》
 または《宿神像ケルドウ》の効果を発動
 相手の墓地のカードをデッキに戻す
④「家具」の効果で罠をセット

相手の墓地のカードをデッキに戻す

「家具」を使えば《剣神官ムドラ》《宿神像ケルドウ》を相手の意識外から発動することが出来る。この運用方法は現在分布している全ての環境デッキに非常に効果的なので、重ね引きした際は積極的に狙うことになる。自分が発動した《増殖するG》に対し相手が《墓穴の指名者》を発動したとき、この方法で《増殖するG》をデッキに戻せば対象を失った《墓穴の指名者》は不発となり《増殖するG》の効果が通るのは必須知識だ。


5.1.3.《白銀の城の召使い アリアンナ》

《白銀の城の召使い アリアンナ》はこのデッキ随一のパワーを持つ。このカード1枚からどんな広がりになるのか見てみよう。

《白銀の城の召使い アリアンナ》

①《白銀の城の召使い アリアンナ》を召喚
 効果で「家具」を手札に加える
 (ここでは《白銀の城の火吹炉》)
②手札1枚を捨て《白銀の城の火吹炉》発動
 《ビッグウェルカム・ラビュリンス》セット

《ビッグウェルカム・ラビュリンス》セットまで

この状態でターンを相手に渡した場合、相手ターンに展開阻止のために

③《ビッグウェルカム・ラビュリンス》発動
 《白銀の城のラビュリンス》を特殊召喚し
 《白銀の城の召使い アリアンナ》バウンス
④《白銀の城のラビュリンス》の③効果と
 墓地の《白銀の城の火吹炉》の効果を発動
 相手のカードを破壊しつつ
 《白銀の城の火吹炉》を特殊召喚

相手のカードを破壊しつつ《白銀の城の火吹炉》を特殊召喚

この様な盤面になることが予想される。もし、このままターンが返ってきた場合、《白銀の城の召使い アリアンナ》は真価を発揮する。

⑤《白銀の城の召使い アリアンナ》を召喚
 効果で《迷宮城の白銀姫》を手札に加える
⑥《迷宮城の白銀姫》を特殊召喚
⑦《白銀の城の火吹炉》《迷宮城の白銀姫》
 の2枚を素材にして
 《カオス・アンヘルー混沌の双翼ー》S召喚

《カオス・アンヘルー混沌の双翼ー》S召喚まで

この盤面で攻撃力が1600+2900+3500=8000となりライフを削りきることが可能である。《白銀の城の召使い アリアンナ》1枚から1妨害を構えつつターンを挟んでのゲームエンドまで計算することが可能であり、非常に強力なモンスターであることが分かるだろう。


5.1.4.通常罠のリクルート

【ラビュリンス】の圧倒的妨害性能を支える機能である。例えば相手が【ピュアリィ】だった場合、《次元障壁》を構えることでターンスキップを強要できる。下記はあくまで一例である。

《白銀の城の召使い アリアンナ》と《白銀の城の竜飾灯》

①《白銀の城の召使い アリアンナ》を召喚
 効果で《迷宮城の白銀姫》を手札に加える
②《迷宮城の白銀姫》を特殊召喚
③手札1枚を捨て《白銀の城の竜飾灯》発動
 《ビッグウェルカム・ラビュリンス》セット
④ターンを終了
⑤相手のターンが開始したドローフェイズ
 《ビッグウェルカム・ラビュリンス》発動
⑥相手が何もチェーンが無ければ
 《迷宮城の白銀姫》の効果を発動
 デッキから《次元障壁》をセットしつつ
 《ビッグウェルカム・ラビュリンス》処理で
 《白銀の城の狂時計》を特殊召喚して
 そのまま《白銀の城の狂時計》をバウンス
⑦その後すぐ《白銀の城の狂時計》発動
⑧処理後すぐに《次元障壁》発動

《次元障壁》

《迷宮城の白銀姫》と《ビッグウェルカム・ラビュリンス》を構えるだけなので、非常に多くの組み合わせで通常罠のリクルートが可能だ。既に《白銀の城の狂時計》があるのなら《ビッグウェルカム・ラビュリンス》でなくても通常罠の種類を選ばない。このギミックは通常罠の発動にチェーンして何らかのカードを発動されるだけで崩れてしまうが、《白銀の城のラビュリンス》を予め場に出しておくことで確実なリクルートを狙える。


5.2.【ラビュ】の強みと弱み

昨今の遊戯王は理不尽な展開で対戦相手にゲームを許さないことが多い。【ラビュリンス】はそういった理不尽なゲームメイクに対し、こちらも理不尽なゲームをやり返す形のデッキだ。【ラビュリンス】の強みはその妨害性能であり、相手のゲームメイクを崩すことにかけては環境で最も高い性能を誇る。上振れた【ラビュリンス】を相手にした場合は現環境のどんなデッキもまともにカードゲームは出来ない。

罠ビートと呼ばれるデッキでありながらAoEに対する高い耐性も魅力だ。《次元障壁》や《異次元グランド》はターン中適用される効果であるため《ハーピィの羽根帚》《拮抗勝負》に耐性があるのは勿論、《ビッグウェルカム・ラビュリンス》《トランザクション・ロールバック》の様な墓地で発動する効果の罠が多いこと、妨害性能がモンスターによるところも大きいことが耐性の理由である。

しかしながら【ラビュリンス】は非常にムラがあるデッキだ。最初にドローした5枚のカードによって起こるデッキの強さが乱高下は計り知れない。「家具」はどんなに優秀な性能だとしてもデッキに3枚を2種類しか入れることが出来ず、しかも他のカードと合わせ引きしなければ性能を発揮できないため、デッキがそもそも動かないことも少なくない。

《灰流うらら》

AoEに耐性があるという話は前述したが、罠ビートでありながら各種手札誘発に弱いのも大きな弱点だ。特に《灰流うらら》は天敵とも言える存在であり、《ビッグウェルカム・ラビュリンス》を止められると妨害とリソース確保を同時に止められることになり、非常に苦しいゲームとなる。《トランザクション・ロールバック》のおかげで《灰流うらら》に対してある程度の耐性もできたが、依然として厳しいカードであることには変わりない。


5.3.【ラビュ】の構築

以下はテンプレート構築の案である。

AGOV発売前のリストであり、かつ日本選手権の日本一決定戦で使用された構築であるため、公認大会等では少し使い勝手が違う。が【ラビュリンス】の強さをシンプルかつ漏れなく活かした構築であるため、ここではテンプレートとして挙げさせて貰った。

一般に【ラビュリンス】は、対面のデッキに対してピンポイントで有効な通常罠をリクルートすることで、ターンスキップを強要する戦術を得意とする。しかしながらこの構築は《次元障壁》程しかそういった通常罠を採用していない。これは日本一決定戦という場に勝ち残った対面は【ピュアリィ】等の環境デッキのみであるというメタゲームに沿った不採用と思われる。この構築の詳細はご本人が丁寧に解説しているので、本記事末の参考リンクを一読することを強く推奨する。

《白銀の城の召使い アリアーヌ》

最近になって《白銀の城の召使い アリアーヌ》が採用される構築がちらほらと現れている。《トランザクション・ロールバック》の存在から通常罠カードを墓地に送ること、妨害を魔法罠だけでなくランク4エクシーズのモンスターでも準備できることから評価が上がっている。

《白銀の迷宮城》

《白銀の迷宮城》はボードアドバンテージを稼げるフィールド魔法だ。《ウェルカム・ラビュリンス》等の罠カードは毎ターン供給可能であるため、このカードの維持はそのまま盤面の制圧に繋がる。②の特殊召喚効果もラビュリンスモンスターでアドバンテージを稼ぐだけでなく《カオスハンター》や《深淵の結界像》で相手の動きを止める役割も可能。とはいえ単体での妨害性能は皆無なので、採用が見送られることも珍しくない。

《ウェルカム・ラビュリンス》

《ウェルカム・ラビュリンス》は3枚投入することで、先行展開の安定と天敵でもある《灰流うらら》に対する耐性を付与するのがメジャーだ。このカードで《白銀の城のラビュリンス》を特殊召喚することで、通常罠のリクルートを確実に行うことが出来るのも魅力である。が、上記構築の様に、後攻での妨害性能が皆無であることから枚数を2枚に減らすこともある。②効果が墓地に送られたターンに発動できないことから、毎ターン使用するには場に1枚と墓地に1枚の2枚体制でサイクルすることになるため、1枚まで減らす構築は珍しい印象だ。


5.4.【ラビュ】のゲーム構成

先行の場合はゲームを落とすわけにはいかない。いつでも《次元障壁》の様なターンスキップ性能を有する通常罠のリクルートを狙いつつ《白銀の城のラビュリンス》の破壊効果を的確に打ち込みたい。通常罠のリクルートに際して《ウェルカム・ラビュリンス》からの《白銀の城のラビュリンス》を使った

《トランザクション・ロールバック》

特に《灰流うらら》の警戒は怠らない。《トランザクション・ロールバック》は《ビッグウェルカム・ラビュリンス》を無効にされたあとに連続で《ビッグウェルカム・ラビュリンス》を発動できるため強力な貫通札になる他、単純にパワーのある通常罠を効果的に打ち込むことも狙える。《拮抗勝負》を採用する場合、《トランザクション・ロールバック》と組み合わせることで相手の盤面を全て除去するプレイも覚えておく必要がある。

後攻のゲームは初手の組み合わせから可能な妨害を考え、相手の先行1ターン目の展開を許さない姿勢で臨む。ただし非常にムラのあるデッキであるため、場合によってはターンが帰ってきてから《ビッグウェルカム・ラビュリンス》の墓地効果や《カオス・アンヘルー混沌の双翼ー》の除去効果を狙う。《白銀の城の召使い アリアーヌ》からの《No.41 泥酔魔獣バグースカ》の攻撃宣言から《天霆號アーゼウス》も狙える。

《スキルドレイン》

サイドゲームからは相性の悪いカードをサイドアウトすることになるが、対面のデッキを考慮して効果的な通常罠を入れ替える形で投入する。罠ビート全般に言えることだが、対面がどんなカードをサイドインしてくるか想定してゲームプランを練る必要があるため、間違っても《ハーピィの羽根帚》の様なカードを投入されると分かっていて永続罠をサイドインするようなことは避けたい。《スキルドレイン》のような強力な永続罠を使用する際は注意が必要だ。ゲームメイクもAoEを警戒して、罠を一度に大量に伏せたり同一チェーンで複数回モンスターを特殊召喚するのは避ける等のプレイを心掛ける。

「家具」は《カオス・アンヘルー混沌の双翼ー》や各種リンクモンスターを狙える《白銀の城の火吹炉》を優先してしまいがちだが、《増殖するG》を非常に重く貰う可能性がある。「家具」のコストとなる手札の補充にもなるため《白銀の城の竜飾灯》とは状況に応じて使い分けが必要になる。


5.5.【ラビュ】の変遷

【ラビュリンス】が大会環境に現れたのは《ティアラメンツ・キトカロス》が禁止カードに指定され【イシズティアラメンツ】【鉄獣戦線スプライト】が大頭していた環境だ。

《魔のデッキ破壊ウイルス》

他デッキと比べメインギミックにパワーが無い分、《次元障壁》《魔のデッキ破壊ウイルス》等のリクルートで環境デッキと渡り合った。その結果【ラビュリンス】は広く使われることになったが、一見したときのゲームプランの理解の難しさから、展開方法やゲームプランが各地で様々な変容を経ることになった。

《群雄割拠》
《御前試合》

永続罠で盤面を制圧することでイージーウィンを狙うゲームプランが広まったり、

《深淵の獣マグナムート》

《ビッグウェルカム・ラビュリンス》で「深淵の獣」を使いまわしたり、

《絶対王 バック・ジャック》
《タックルセイダー》 

《絶対王 バック・ジャック》《タックルセイダー》《魔サイの戦士》《彼岸の悪鬼ファーファレル》等の「家具」で捨てられた際に妨害となるカードを採用したり、

《能力吸収石》

「家具」をはじめとした相手のターンに効果を発動できるラビュリンスモンスターを利用し、《能力吸収石》の魔石カウンターをコントロールする等、様々な奇襲性のあるゲームプランを採用する形で変化している。


6.【神碑】

《神碑の泉》

大量の永続罠でゲームを停滞しテーマ内のカードで穴を埋めることで対面にゲームすら許さない環境随一の制圧力を誇るデッキ。《増殖するG》等が通用しない点も評価されている。


6.1.【神碑】の特徴と基本展開

多種多様な速攻魔法で相手を妨害してデッキデスを狙うデザインのカード群だが、その特徴はなんと言っても個性的な戦い方だ。

豊富なドローソースで《スキルドレイン》や《群雄割拠》といった拘束力の高い永続罠を複数枚引き込み、盤面を制圧・ロックした状態にしてから、《神碑の泉》で神碑カテゴリの速攻魔法を供給しリソースを枯らさず、時間をかけて相手のデッキをロストしていくという環境内でもかなり特徴的な戦術のデッキである。

これといった基本展開は存在しないが、各カードのプレイの幅を如何に広げるかが重要なデッキである。ここでは例としてEXデッキのカードの使い方について簡単に記載する。

6.1.1.《神碑の翼フギン》

《神碑の翼フギン》

手札を1枚捨てて《神碑の泉》をサーチする。捨てたカードが神碑速攻魔法ならサーチした《神碑の泉》ですぐリカバリ出来るため、通りさえすれば手札コストはあって無い様なもの。ただし《灰流うらら》《無限泡影》の流行から通りは非常に悪いので、ハイリスクなカードでもある。永続罠を十分に持っている場合は無理をして《神碑の泉》をサーチする必要も無いので、適宜判断が必要。


6.1.2.《厄災の星ティ・フォン》

《厄災の星ティ・フォン》

【神碑】の後手捲りの要の1つである。対戦相手の先行展開を傍観した後、返しのターンで不要な手札誘発がトンデモない捲り札に生まれ変わる。流行の《S:Pリトルナイト》を一方的に踏み潰せる他、【神碑】の天敵でもある《ナチュル・ビースト》を突破出来るのも魅力。


6.1.3.《No.41 泥睡魔獣バグースカ》

《天岩戸》

《天岩戸》は《灰流うらら》を許さず安全にドローカードを発動するための役割と、後手で対戦相手の作り上げた盤面のモンスターを不能にすることで盤面捲りの補助をする役割、加えて《厄災の星ティ・フォン》や《No.41 泥睡魔獣バグースカ》に繋げる役割もある。

《No.41 泥睡魔獣バグースカ》

《天岩戸》からX召喚して《エクスピュアリィ・ノワール》を無力化する他、このデッキにおける《No.41 泥睡魔獣バグースカ》は他デッキと比べて非常に重要だ。《天岩戸》はエンドフェイズに帰還するので伏せた永続罠を《クシャトリラ・アライズハート》や《エクソシスター・ミカエリス》等から守ることが出来ない。が、神碑速攻魔法で《神碑の牙ゲーリ》を特殊召喚して《No.41 泥睡魔獣バグースカ》にすることで、守れるどころかモンスターを無能にし、ターンを跨ぐことで《輝く炎の神碑》といった名称ターン1のカードを連打して盤面を捲りに行ける。《まどろみの神碑》での延命も可能だ。


6.2.【神碑】の強みと弱み

強みは圧倒的なメイン戦の優位性だ。先行で永続罠を重ねて引ければメイン戦は勝ったも同然、引けた永続罠によっては1枚でも十分な制圧力を誇るだろう。後攻でも数多くの捲り札で盤面に触りに行ける。特に《天岩戸》等のカードは効果的だ。もし相手がサイドからも対策していない様なら圧倒的な勝利が可能である。サイドボードの軸が定まっていない環境序盤や2,3強の環境では無双も可能だ。

弱みは立ち位置に依存しすぎること。分布が固まってサイドボードの軸がしっかりとした環境では対策され易い。加えてメインギミックからある程度の【神碑】に対して有効なギミックを有する【ティアラメンツ】や【ラビュリンス】が力をつけると苦しい環境となるだろう。

手札誘発が少ないことで、初動を引けなかった場合の急場凌ぎが困難なデッキでもある。ここで言う初動とは永続罠のことであり、神碑速攻魔法しか初手に無い場面で《神碑の翼フギン》に《無限泡影》なんて喰らった日には貧弱なゲームしか出来ない。《No.41 泥睡魔獣バグースカ》での延命も《無限泡影》で解決されると苦しい。永続罠に依存したゲームメイクは首を絞めることになる。


6.3.【神碑】の構築

このデッキの初動とも言える《スキルドレイン》《御前試合》《群雄割拠》《センサー万別》は文句なしのフル投入。強く使える場面の多い神碑速攻魔法は3枚、場面の少ない速攻魔法は1枚の採用、そして異なる永続罠の重ね引きや《神碑の泉》の素引きを狙うため《命削りの宝札》《強欲で謙虚な壺》等のドローソースで構成されている。

非常にシンプルで無駄の無い中でも【神碑】のパフォーマンスを最大限まで上げようという意思を感じる構築だ。

《強欲で貪欲な壺》と《命削りの宝札》はダブったときかなり痛手だが、それを考慮してでも1枚のパワーが高過ぎるためフルの採用、《強欲で謙虚な壺》は《命削りの宝札》と相性が良く、ドローソースの補填の他にメインを少し太らせて上記のカードのダブりを減らす意識をしているのかも知れない。

《天岩戸》は強力なカードだがダブったとき《命削りの宝札》のドロー枚数が減ってしまうためこのリストでは投入を2枚に抑えられている。広くデッキのリストを調べると3枚投入されていることも多く、それだけパワーの高いカードであることが分かる。


6.4.【神碑】のゲーム構成

繰り返しになるが、先行のゲームは基本的に永続罠の重ね引きによる盤面の制圧を狙う。制圧後に時間をかけてデッキデスを行い、相手がサレンダーしない限り時間をかけて勝利を狙う。後攻のゲームは《天岩戸》や《輝く炎の神碑》で盤面を荒らし、安全に永続罠を開くことを狙う。デッキの性質上、1本目は確実な勝ちが欲しい。

2本目以降のゲームからは相手がメタカードをサイドインしてくるため、神碑魔法でデッキから除外されたカードを逐一チェックして、対面がサイドインしたカードをチェックしながらゲームを進行する。敗色が濃厚であっても粘るだけ粘ってETEDに持ち込みたい。

3本目のETEDではデッキデスでの勝利は望めないため、ライフ差での勝利を目指すのが主となる。そのため《神碑の翼ムニン》によるライフゲインが非常に重要となる。ターンの選択権のあるゲームで後攻を選ぶ等して《拮抗勝負》を打たせない等のゲームメイクも有効だ。

《ドロール&ロックバード》
《エフェクト・ヴェーラー》

神碑速攻魔法はバトルフェイズをスキップする効果を有しており、「どうせバトルフェイズに攻撃することは無い」等と考えていると以外にもライフカットが必要な場面が訪れる。メインフェイズ終了時にバトルフェイズの宣言を必ず忘れないようにして、必ずバトルフェイズを迎えられる態勢をとること。また、《ドロール&ロックバード》や《エフェクト・ヴェーラー》を意識してドローフェイズに神碑魔法を使うことを意識したい。


6.5.【神碑】の変遷

【神碑】はロック性能がゲーム性に響くため、他の環境デッキの変遷が構築傾向や採用カードに関わることになる。

《次元の裂け目》

【ティアラメンツ】全盛期には《次元の裂け目》の採用が主流であったり、《センサー万別》の採用枚数を減らしたり等の工夫がされていた。

《インスペクト・ボーダー》
《モンスターゲート》
《スプライト・ブルー》

メインデッキに《モンスターゲート》からの《インスペクト・ボーダー》でロック性能を増したり、《神碑の泉》によるリソースの回復に注目し【スプライト】と混合させて展開に寄せた構築にしたものも存在したが、環境の変化に対応できず入賞報告は多くなかった。

《禁止令》
《魔宮の賄賂》
《パラドックス・フュージョン》

メタカードに対するメタカードをサイドインすることも多く見受けられたが、プレイヤーの練度に依存する傾向が増すにつれて徐々に採用が見送られつつある印象だ。


7.環境の構成

本当は【烙印】と【センチュリオン】も記載する予定だったのだが、筆者の理解度が低すぎて断念した。

この項目では実際の各種大会の分布や傾向から、環境の構成・構造を分析する。特に上記5デッキについて、環境における立ち位置や優位性・評価について触れる。


7.1.大会での分布について


大会での環境デッキの分布傾向について触れるが、基本的に大会の規模や性質によって変わるので一概に傾向は言えないことを断っておく。大会が行われる地域の広さ、狭さ、開催頻度の多さ、少なさ、参加者の顔ぶれの変わらなさ、人の入れ替りの激しさ等によって判断したい。ここでは例えば話、筆者が首都圏の大規模CSに参加すると仮定してメタゲームをしてみよう。

まず、プレイヤーが最も選び易い使用デッキの選択肢は【ピュアリィ】だろう。ゲームの安定性とフリースロットの豊富さから、事故的な敗けのリスクを最も回避出来るからだ。デッキパワーや相性に関係なく、そういったデッキの特徴からトップシェアは【ピュアリィ】が想定される。

【ティアラメンツ】【神碑】はプレイヤーを選ぶデッキであるため、パワーの高さに反して分布は比較的少ないだろう。低い練度で使用するプレイヤーも居るだろうが、そういったプレイヤーを分布の眼中に含める必要は薄い。となると【ピュアリィ】に対するメタが最も広く普及し、【ティアラメンツ】【神碑】へのメタも必要なので少し混ざる…くらいの考えだ。

こうなると強くなるのは「【ピュアリィ】【ティアラメンツ】とメタがあまり被らないパワーデッキ」だ。【R-ACE】は【ピュアリィ】にも劣らないデッキパワーを有するため、環境に【ピュアリィ】が広まるほど入賞のチャンスが増えるだろう。【ピュアリィ】に対しデッキ相性ではなく分布相性が良いと言える。

【ラビュリンス】等はムラが激しいので常勝とはいかないが、小規模で高頻度な大会のデッキ分布に惑わされてメタが偏った場合、理不尽なゲームを押し付ける【ラビュリンス】や【神碑】の練度を身に付けたプレイヤーは旨い蜜を吸えるだろう。

まあ結論、大会の傾向を考えてプレイヤーを見て判断して欲しい。


7.2.サイドカード

このシーズンで広く使用される印象のサイドカードを記載する。「紹介するから使ってみて」ではなく「こいつらをサイドからインされる想定でゲームしようね」という意味での記載だと思って欲しい。


7.2.1.小型手札誘発のかさ増し

《灰流うらら》
《D.D.クロウ》
《エフェクト・ヴェーラー》
《無限泡影》

今期の環境デッキには全般的に《灰流うらら》《エフェクト・ヴェーラー》《無限泡影》《D.D.クロウ》といった小型の手札誘発を打ち易い。勿論これらの手札誘発で展開が完全に停止することは期待できないが、ケアのために展開を遠回りにしたり、手札を意識外から減らしたりする狙いだ。打たれる側も完全にケアした動きをするのが正解かと言われると微妙に難しい。重要なのは意識の外から打たれないこと、意識の外から打つ様に心がけることだ。



7.2.2.《ハーピィの羽根帚》《拮抗勝負》

《ハーピィの羽根帚》
《拮抗勝負》

これらのカードも今期の環境デッキには全般的に有効だ。その反面、これらのカードで妨害やリソースが完全に無くなるデッキも少ないので過信しないことと、逆に打たれる意識を常に心がけることが重要である。これらのカードが流行しているのなら、サイドゲームでターンの選択権を自分が所持している場面で後攻を選択するのも有効な場面が多いだろう。



7.2.3.ピンポイントな手札誘発

《原始生命態ニビル》
《ドロール&ロックバード》
《応戦するG》

上記した全ての環境デッキに対し非常にリターンが大きく、なんならメインからの採用によるイージーゲームで奇襲も考えられる。少なくともサイドゲームからは徹底したケアのゲームを心がける必要がある。特に《原始生命態ニビル》は《増殖するG》と重なって引き込んだとき《増殖するG》を打たずにぐっと堪え、相手に展開させてから《原始生命態ニビル》を打ち込む場面が散見されるほど、今期の環境デッキに対して期待値が高い。


7.2.4.壊獣

《海亀壊獣ガメシエル》
《エクシーズ・オーバーディレイ》

言わずもがな【ピュアリィ】における《エクスピュアリィ・ノワール》を強く意識した選択肢であり、これらのカードの有無は【ピュアリィ】対面の勝ち筋のイメージに関わる。勿論打てば勝ちということはなく、むしろ《ピュアリィ・マイフレンド》によるリカバリで相手に勝ち筋を与えることにもなる。先に《ピュアリィ・マイフレンド》を無力化する手段や、次の相手のターンの『メモリースペル』からの展開を止める手段、はたまた確実なキル手段等とワンセットで使うことになる点に注意だ。



7.2.5.《サモンリミッター》

《サモンリミッター》

先に述べた通り、現在の環境は過去の環境と比べると小型の手札誘発による手札の減少等の理由から、ライフカット・キルまでの道程が長い。そのため継続的な制圧札が有効ということで、《神の宣告》や《次元障壁》よりも《サモンリミッター》の様なカードの優先度が高まっている。とはいえ、今後【センチュリオン】の流行から《コズミック・サイクロン》等の割札が広まるとどうなるかは分からないが、少なくとも継続的な制圧札には注意すべきだろう。



7.2.6.《コズミック・サイクロン》

《コズミック・サイクロン》

上記した《サモンリミッター》等の継続的な制圧札、特に【神碑】の永続罠や《神碑の泉》を除外出来るのは重要。他にも【センチュリオン】に有効だったり、《ピュアリィ・ハッピーメモリー》て耐性付与した《ピュアリィ・マイフレンド》や、【ティアラメンツ】の各種テーマ内魔法罠に有効なので、広い対面を見ることが出来る。【ラビュリンス】対面には先行で伏せずに手札に握ったままエンドフェイズを迎え、「家具」でセットした《ビッグウェルカム・ラビュリンス》を除外するテクニックは必須知識である。


8.要点

8.1.各デッキを端的に説明

【ピュアリィ】は1番安定してて誘発耐性もある。【R-ACE】は1番手数があって1枚1枚のパワーがアホみたいに高い。【ティアラ】はリソース量が1番あるから動き出せればパワーは最強。【ラビュリンス】は1番妨害力があって対戦相手はまともにゲーム出来ない。【神碑】は1番暴力的なゲームしてて制圧力が環境の中でもダントツ。


8.2.使う側が意識すべきこと

【ピュアリィ】は手札消費が激しく少し前までは『暗黒界』等でリカバリしようとしていたが、今はそんな余裕は無い。1枚1枚のバリューを上げて堅実に攻めることが重要。回し方をミスすると《灰流うらら》1枚打たれただけで盤面が虚弱になるので注意しながら回すこと。

【R-ACE】は罪宝の登場でトンデモなく強くなった。ただし甘い考えで展開すると《原始生命態ニビル》や《ハーピィの羽根帚》で相手にイージーゲームを許す。ケアするカードを間違えずに油断なくプレイすることが重要。特にリソース量が異常に多いデッキも昨今珍しくないので、《R-ACEタービュランス》を通すことが本当に最重要な方向性なのかすら、油断せず見極めて展開すること。

【ティアラ】はリソースが多い分、そのリソースを効率的に使えないとすぐボロが出る。デッキの中に墓地に送りたいカードはどれくらいの割合で存在しているか、どうすれば無駄なく展開が可能か、相手の妨害を1:2交換する手段はないか、漏れなく考える必要がある。大変。

【ラビュリンス】は《トランザクション・ロールバック》の使いどころを丁寧に。有効な通常罠を積極的にリクルートをするのは勿論として、ライフレースを意識しながら立ち回る必要がある。《白銀の城のラビュリンス》の維持に拘らず、ライフカットまでのゲームプランをイメージしながら戦うこと。

【神碑】は多少無理してでも永続罠の重ね引きを狙うこと。もし永続罠が引けなかった場合も諦めずに《No41 泥睡魔獣バグースカ》や《S:Pリトルナイト》で妨害を立てたりして時間を稼ぐこと。1ターン凌げばトップで解決する可能性は大きい。


8.3.対面するとき意識すべきこと

【ピュアリィ】は『メモリースペル』にフリーチェーンのカードをチェーンして、場のピュアリィエクシーズモンスターの素材にしないことが想像以上に重要。また、《エクスピュアリィ・ノワール》は処理せず放っておいて、次の相手のターンの攻め手となる《ピュアリィ・マイフレンド》や残った手札を削った方が致命的な場面が多い。《灰流うらら》等の小型の手札誘発で手札を減らすのも重要だが、なるだけ自分の初手で同名の手札誘発がダブらない様にすること。

【R-ACE】はタービュランス止めるのは勿論として、どんなにリソース削っても手数が豊富なので攻めてくる場面が多い。手札誘発を連打しても1,2妨害は構えてくるので手札誘発に依存し過ぎないこと。恒久的な妨害を予め採用しておくか、速攻で8000削って終わらせるゲームプラン・キルイメージを用意しておくべき。AoEは一見すると有効に見えるが、相手が稼いだアドバンテージをプラマイゼロにするだけで、こちらがプラスになるわけではないので注意。

【ティアラ】は動き出したら早い段階で手がつけられなくなる可能性があるため、早い段階で妨害を出しきって墓地を肥やさせない方が有効な場面が多い。もし展開させてしまった場合は相手の手数をしつこいくらいに常に確認・把握し、場合によっては相手のミスを誘うプレッシャーをかけるプレイも必要。対面がリソースを無駄遣いしたと感じたら、そこに付け入る隙があると考えていいだろう。

【ラビュリンス】は理不尽なゲームを押し付けてくるが、線が細いので相手が何を狙ってプレイしているのかを把握することが重要。フリーチェーンのカードは《迷宮城の白銀姫》を警戒して無駄打ちしないことと、妨害をマストなタイミングで躊躇わず打つことを意識する。また《トランザクション・ロールバック》で削れたライフを焼き切る手段は常に意識して残しておくことと、不意の永続罠への警戒は怠らないこと。

【神碑】も理不尽なゲームを押し付けてくる。このデッキに対する一番の対策は、デッキ構築の時点で妥協せず強く意識することである。それと3本目はETEDでのライフ差での勝利を狙ってくるため、迅速なプレイで2本目までの試合を早めに終わらせる意識も重要だ。もし意識が欠けてしまっていたり、対面した際にサイドカードの引き込みが悪い場合でも、対面が永続罠を開くまでの間に出来ることを落ち着いて考えるべきである。


10.結言

散々書いておいて難だが、本記事は対人戦無しの全文エアプである。なので間違いも多いと思うので、気付いたら教えて欲しい。

遊戯王してぇ。

私の記事はゴミの様な内容かも知れないが、以下のリンク先はより洗練された内容が多いと思う。というか重要な部分は有料部分になってるので、本記事には本当にあっさりした部分しか記載できていない。デッキへの理解を深めたいなら、是非参考にして欲しい。


9.参考資料

【ピュアリィ】

【R-ACE】

【ティアラメンツ】

【ラビュリンス】

【神碑】


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