【編集者篇】『ミステリと言う勿れ』と『自省録』のとっても個人的な思い出
こんにちは、編集部の小石です。
突然ですが、皆さん、テレビドラマ見ていますか?
コロナ禍になってテレビを見る機会が増えた人も多いと思います。
私は昨年の大河ドラマをつい先日見終わりました(遅いよ……!)。
個人的には、渋沢栄一よりも、栄一に縁を切られた長男の方が気になって、後半は彼の心情ばかり考えていました。どうやら、できる人よりも、できない人に惹かれるみたいです。人生落ちこぼれと開き直って生きているので、どうしてもそっちに引っ張られちゃうのです。
今週末から『鎌倉殿の13人』を見始めるので楽しみです~。やっと世間についていける!
若い頃は家にいるのがあまり好きじゃなくて外出ばかりしていたので、テレビドラマを見る機会がほとんどありませんでした。ですが、子どもを産んで外出機会が減るに伴って、ドラマを見る時間も増えるようになりました。
そんな私が今、大河ドラマ以外で楽しみにしているドラマが田村由美さん漫画原作の『ミステリと言う勿れ』(小学館)です。
ドラマ化の話を耳にしたとき、主人公の整くんの髪型が似合う人はいないだろうと思っていましたが、菅田将暉さんってどんなことでもこなしてしまうんですね。恐ろしい。
そして、私世代の田村由美さんの作品といえば『BASARA』と『7SEED』ですよね~。小学生のときから漫画が大好きだったので、もちろん両方とも読みこんでいます。単行本の発売日に、お小遣いを握りしめて、本屋へわくわくしながら買いに行ったのを今でも覚えています。
漫画の『ミステリと言う勿れ』は、2~3年ぐらい前に友人からすすめられて、5巻まで読んでいました。
しかし、ぼんやり生きている&教養が足りない私は、この漫画のキーポイントとして『自省録』がでてきていたことなんてすっかり忘れていたのです(5巻までにがっつりでてきます)。
そう、すっかり忘れながら『超訳自省録 エッセンシャル版』(ディスカヴァー/佐藤けんいち・編訳)の編集を担当していました。
「マルクス・アウレリウス……? 知らないな。2000年前のローマ皇帝なんだ。髪の毛モジャモジャだなー。」とか思いながら。本文だって、間違いがないように、読みやすいようにと注意しながら、何回も何回も読んでいたのに、まったく思い出しませんでした(笑)。
よくよく考えると『ミステリと言う勿れ』に限らず、あんなに夢中になった『BASARA』も『7SEED』も細かい中身はほとんど覚えていません。
それよりも、漫画の発売日にわくわくしながら本屋へ向かったときのことをリアルに覚えているし、『ミステリと言う勿れ』を私に読んでほしくて、その素晴らしさを熱く語る友人の様子や話した喫茶店の情景をはっきりと覚えています。
どちらも思い出すだけでニコニコしちゃう、すごく幸せな記憶です。
だから、本の内容を覚えていなくても、漫画や本を買うときにまつわる思い出が残っていれば、それでいいじゃないかと(勝手に)納得することにしました。すみません。
担当させてもらった『超訳自省録 エッセンシャル版』も、他の本たちも、できれば読んでもらった人に内容を覚えていてほしいけれど、最悪、本にまつわる楽しい思い出が残っていればいいなーと思います。
*本書の「はじめに」はnoteで読めます!
『ミステリと言う勿れ』では、岩波文庫さんの『自省録』が出典元として記載されていますが、『自省録』はいろいろな出版社から発売されています。
ここ大事なので、2回言います。
『自省録』を出版しているのは、岩波文庫さんだけじゃないのです~!!【←ここ重要!】
各社、違いをだして一番いいものを読者に届けようとしているのですが、ディスカヴァーからは2冊でています。
『超訳自省録 よりよく生きる』(ディスカヴァー/佐藤けんいち・編訳)は、原著にはない小見出しをつけて、とても読みやすく超訳しているハードカバーのおしゃれな本です。
もう1冊の『超訳自省録 エッセンシャル版』は、『超訳自省録 よりよく生きる』の文庫版です。文庫にするにあたって、いくつか収録できなかった項目もありますが、持ち運びやすくて少しお値段が安いので、気軽に手に取っていただけると思います。マルクス・アウレリウスのイケメンイラストが目印です。
たぶん2冊とも、あらゆる『自省録』のなかでも群を抜いて読みやすいと思います。
『ミステリと言う勿れ』を見て、『自省録』が気になった人はぜひチェックしてみてください! 私ももう1度、『ミステリと言う勿れ』と『超訳自省録 エッセンシャル版』を読み直しつつ、ドラマを毎週楽しみに観ようと思います。
(ディスカヴァー編集部・小石)
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