たとえ話で突破する アナロジカル・コミュニケーション『才能をひらく編集工学』【無料公開#27】
8月28日発売の『才能をひらく編集工学』より、本文の一部を無料公開します。「編集工学」とはなにか、「編集工学」におけるものの見方・考え方を知ることができる第1章「編集工学とは?」と第2章「世界と自分を結びなおすアプローチ」、第3章「才能をひらく「編集思考」10のメソッド」より一部公開予定です。今回は第3章メソッド04「たとえ話で突破する アナロジカル・コミュニケーション」より一部を公開いたします。演習形式ですので、ぜひ取り組んでみてください。解説は明日公開予定です。
メソッド04 アナロジカル・コミュニケーション
何かが何かに「似ている」と思うことで、編集力は大きく動いていきます。
見た目や様子が似ているだけでなく、構造や関係性の類似に着目して類推する思考が「アナロジー」です。
アナロジーとは、「何をもって何とみなすか」(無料公開#16)。
つまり「何」と「何」のあいだの「関係の発見」から起動します。
一見関係ないことがらに関係線を柔軟に結ぶには、情報が多面的に見えている必要があります。
情報を多面的に見るためには、連想体質になること、もっと積極的に言えば、情報の「地と図」を見極め、「地」を動かして「図」の可能性を広げる力を持つことでしたね。
なるべくたくさんの角度から物事を見られるようになることで、それまで気が付かなかった組み合わせや結びつきが発見され、新たなものの見方が広がっていきます。
また、この「アナロジカル・シンキング」に強くなると、コミュニケーションの質が大きく向上します。
面倒な説明をショートカットしたり、聞く側の想像力を広げたり、好奇心を触発して話に引き込んだりと、少ない言葉で多くの情報を動かせるようになります。
人は誰かと意思疎通しようという時、正確で完全な定義によってよりも、この類推によって何かにたとえながらざっくりと印象を交換することが多いものです。
「未知」のものを「既知」のものにたとえて、説明したり、理解したりする。
ここでは、「たとえ話力」を鍛えながら、コミュニケーションにおけるアナロジーの力を実感してみましょう。
演習4 アナロジカル・コミュニケーション たとえてみたら
5歳の子どもにわかるように、以下を説明してください。「〜みたいなもの」をうまく使って。(制限時間:5分)
A:インスタグラム B:サービス残業 C:株価
Hint
・大人の会話を聞いていた5歳の子どもに、「ねぇねぇ、カブカってなに?」と聞かれたところを想像してください。はぐらかさず、子どもがピンとくるように、答えられますか? 正確に説明しようとすればするほど、きっとイメージから離れていきますね。ここは、「〜みたいなものだよ」と、上手なたとえ話/アナロジーで切り抜けましょう。
・まずは、「これって5歳児が知っているものの何に似てるかな?」と思ってみることです。
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