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見通しには不安をやわらげる力がある

イラスト:ムツナナツ

いま病院の廊下の椅子に座りながら『子ども当事者研究 わたしの心の街にはおこるちゃんがいる』という本を読んでいる。

健康診断の結果を病院スタートの9時ちょうどに聞きに来たのだが、30分以上待っている。 まわりに診察を受ける人がいればまあ仕方ないかなと思えるのだが、患者さんは誰もいない。

自分一人。

それなのになんの音沙汰もない。

あとどれくらい待てば呼ばれるのかも分からない。

このあと図書館に行って車を妻に渡さないといけないのに。 35分経って少しイライラしてきている自分がいる。 なるほど自閉症スペクトラム障害の人が先の見通しが持てずにイライラするというのはひょっとしたらこういう感覚なのかもしれないなとふと思う。

(ここから先は夜に書きました) 2行上まで書いたところで名前を呼ばれて検査結果を聞いた。 問題のない数値だったので良かった。

見通しが立たないことは、通ったことのない街灯のない暗い夜道を一人で歩くようなものかもしれない。 見通しが立つということは、少し先にライトが照らされたみたいなもの。 少し先にライトの灯りが見えることで、「怖くて不安だけど、よし、まずはあそこまでは行こう」と思える。 スマホで地図を確認することも出来ない。 分からないことは怖い。 見えないことは怖い。 見通しをしっかり伝えることはライトを照らし進む道を見せるようなもの。 見通しには不安をやわらげる力がある

ちなみに今日の病院でもだいたいどれくらい待てばいいのかを教えてもらえれば見通しが持てて楽になっただろう。 まあ、あちらにも事情はあったと思いますが。 しかし、不幸中の幸いというか、災い転じて福となすというか、今回待たされたことで普段仕事で接している自閉症の方たちの特性の「見通し不安」に思いを馳せるきっかけになり、新しい場所に僕を連れて行ってくれたので感謝したいと思う。
(2022年7月16日に書いた記事です)
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いつものように、レイアウト・タイトル・画像を決めてからこれ以降は投稿日にひろっちが追記していきます😊

イラスト:ムツナナツ

何も説明がないままひたすら待たされるのは苦痛だよね。ちゃんと受付が出来ているのか不安にもなる。よく、確認せず黙って待っていれたね。私なら「あとどれくらいですか?」って声をかけていると思うよ。たしかに、自閉症の方たちの特性の「見通し不安」を疑似体験して想像を膨らませれたのは得られた事だね。思わぬ知に触れる時って、突然まったく違う角度からやってくるんだ🙄
========☆彡
いつもこの場を訪れていただき、ありがとうございます。とっても嫌な経験だったのに、それが日常では気づけない何かを得た時“良かった”と思えたりします。その瞬間、新しい自分が芽生えているのだと思いませんか?
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