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大友克洋『ハイウェイスター』& 松本大洋 『鉄コン筋クリート』 日本人の顔と時空のミックス

大友克洋『ハイウェイスター』

「1980年頃コミックに登場した<日本人>の顔 2003/12/29
アキラ」があまりにもメジャーになってしまったので、今ではひょっとして忘れられがちのことなのかもしれない。語り尽くされているとは思うが。大友克洋氏の凄いところは、「バブル」を予感させるこの時期(1979)に、こんな風に<日本人>の顔を描いてしまったということだ。

松本大洋『鉄コン筋クリート』

一巻、一巻どれもこれもすばらしいが、通して三巻読み終えたときの何ともいえない感動。これに勝るものはない。私たち読者が(そして作者も)記憶すらしていない敗戦直後東京の、(政府の保護の対象にすらならなかった素行不良者である)「浮浪児」たちの世界に思いをはせる。また、三池闘争に動員されたやくざたちが蔓延していたある一定時期の筑豊炭鉱町の世界にも通じるものがある。もちろん、明らかに絵から分かるように、大阪通天閣周辺の世界をリアルなモデルにしているのかもしれないが、イメージの複雑系としてあらゆる時空のミックスになっているのがたまらない魅力である。
Reviewed in Japan on December 23, 2004



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