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うつ病入院生活 65日目


外泊で会った人が新型コロナに感染したため
濃厚接触者となり部屋隔離中。


【21:00 消灯】


(ガチャ)


看護師さん『おやすみなさい!』


(ガチャ)


約2カ月入院して初めてのシステム、
消灯直後のおやすみなさい。


修学旅行みたいだね。


【22:30 就寝】


寝たのはきっとこのくらいの時間。

なぜならナンプレの一つの面に
驚くほど頭を悩ませた挙句
同じ列に6が2つあるのを見つけたから。


もう知らない。
やってやんない。

あんたなんてただの暇つぶしなんだから!!


(嘘だよ)


【4:00 目覚める】


おぉ。いつもより寝ている。

うれしい。

トイレも行っておく。


【5:00 目覚める】


ちょっと明るくなり出している。
天気は悪いようだ。

そういえばさっきトイレに行った時に
勤務表を確認し忘れた。

部屋隔離のせいで看護師さんが部屋に入る
可能性が高いからちゃんと見ておかねば。


わざわざ勤務表の確認へ。


こういう時に限って夜勤の看護師さんが
2人とも詰所でバリバリ仕事している。


この状態で廊下を行ったり来たりしていたら
怪しすぎる。

一旦トイレへ避難。


これで大丈夫。


勤務表を確認。


推し!!!!!!!
同じフロア!!!!!!!!

歓喜。


【7:20 起床】


朝食の配膳は夜勤の看護師さんか
日勤の部屋担当の看護師さんが持ってきてくれる。


推しは同じフロアの担当とはいえ
どちらでもないので配膳することはないだろう。



とりあえず顔を洗って
髪もある程度整えておこう。

布団を畳んで…


『失礼しまーす。


 朝ごはんです〜。失礼します〜』


推しじゃねぇか!!!!!!!!

とんだトラップだな!!!

よかったよ!!!!

いろいろ整えておいてよかったよ!!!!!

GJ私!!!!


【8:00 朝食】

朝から推しを拝めた喜びに浸りながら
ごはんを食べる。

日曜日はパン。きょうはあんぱん。


圧倒的粒あん派だけど
推しに会えたからこしあんぱんでもうれしい。


あんぱんの包装袋や野菜ジュースのパックを
無駄に綺麗に畳んでまとめる。


下膳が推しの可能性大なのでさっきよりも整える。


髪を拾って、机の上まで綺麗にして、
推しが下げやすいように入り口付近に
おぼんを置いて。


『失礼しまーす。

 朝ごはん下げていいかな?

 失礼しました〜』


あ〜推し。

この世に存在してくれてありがとう。


私の方が一つ上なのに
子どもみたいに接してくれてありがとう。
(推しにそのつもりはない)


うおぉおおおぉぉぉぉおおおお!!!!

きょうも元気に一日過ごしましょう!!!!
(ベッドの上で)


【10:00 検温】

きょうの担当はギャル看護師さん。

きょうはメガネ。
いかがなさったかな?


『いつもカラコン付けてるじゃないですかぁ〜
 きのうすごい目痛くってぇ〜
 でも無理やり着けてたら夜膿んじゃってぇ〜

 でもメガネだと10歳老けて見えるんでぇ〜
 めっちゃ嫌なんですけどぉ〜』



ギャルに拍手。

一回痛くなったのに1日耐えてるのはさすがだ。


海外製のカラコンを通販で買っているらしく
眼科に行く度にやめなさいと言われているのに
絶対にやめたくないらしい。


頑固ギャル。


飽きないな〜。


【10:30 うだうだ】


韓国YouTuberの
インスタントラーメンモッパン動画が好きだ。

ひたすらズルズル食べてるのを見るだけ。


それだけだけど、細かい評価基準がある。


・テンション

・食事シーンに入るまでの長さ

・一口の量

・麺を吸い切るかどうか

・箸の持ち方・使い方

・手持ち皿の形・大きさ

・食べる時の表情

・頬張った時の口元

モッパンYouTuberは数多いるが
私なりの基準にクリアできている人は少ない。

ちなみに日本人のモッパンは
品が良すぎて逆に見ない。


【11:30 腹筋バキバキ計画】


4日目。


結構恥ずかしい体勢でワークアウトしてるから
推しが後ろから入ってきたらどうしよう、と
ヒヤヒヤしながら続ける。

無事に来訪者なく完了。

いい汗かきました。


【12:00 昼食】


ギャルさんが持ってきてくれた。
ありがとうございます。

カレーの味付けのおかずを
ごはんにかけて食べたい。


でも万が一推しが下膳担当だった場合
カレー色に汚れたごはん茶碗を見て
『なんちゅう食べ方しとんねん』となってしまう。


うーん。


(ビシャッ)


かけました。


美味しかったです。


下膳もギャルさんでした。


【13:00 爪切り】


ゴロゴロしてても爪は伸びる。

詰所で爪切りを借りて。


(パチッ、パチッ、パチッ)


久しぶりに爪飛散防止機能付いてない爪切りで
爪切ったわ。

爪飛びまくり。


最近はもう標準機能のはずだが。




【17:30 渋谷刺傷事件について(今の気持ち)】



またとんでもない事件が日本で起きてしまった。



中学3年生の少女が面識がない母娘を包丁で刺し
殺人未遂の容疑で現行犯逮捕された。

動機は『死刑になりたかった』。



苦しい。



どんな思いで計画して

どんな思いで包丁とナイフ2本をポケットに忍ばせ

どんな思いで現場に足を運び

どんな思いでターゲットを絞り

どんな思いで刺したのか。

しかも2人も。



きっとまた彼女の人間性を探るため
家族や親戚、学校や友達のもとをマスコミが訪れ
明日のニュースで大々的に報道されるだろう。


『真面目でいい子でした』

『おとなしい子でした』

『まさかそんなことをする子だなんて』

その情報の中に彼女の真に迫るものが
いくつ出てくるのか。


ましてや彼女に会ったこともない
スタジオのコメンテーターや
心理カウンセラーが何を話せるのか。




話がずれたが、
もう一つショックだったことがある。



『死にたいなら一人で死ね』という
言葉がネット上で蔓延っていること。



もちろん彼女がやったことは擁護できないし

被害者が亡くならなくてよかったとはいえ
ショックは計り知れない。

怖くてもう二度と外を歩けないかもしれない。
刃物を見たり触ったりできないかもしれない。


でもあまりにも冷たいんじゃないのか。

15歳という未熟な少女に
“死にたい”と強く思わせた理由も知らずに
私たちに何か言う権利があるのか。


「可哀想に」なんて
安い同情を向けることすら憚られる。



死を以て生に抗うなんて手段を
子どもに選ばせてはいけない。絶対に。

でもその選択肢を奪ったり否定することだけが
私たちの役割じゃない。

別の選択肢を与えてあげるのが
大人の役目なんじゃないのか。



あぁ。
誰も彼女を止められなかったのか。
守れなかったのか。



なんだかあまりのショックに
まとまりがない文章だけど


『たったそれだけのことで』と
彼女が責められるような報道はしてほしくない。


丁寧に慎重に取材してほしい。


彼女がこれから心から信頼できる人と出会い
心のケアをして更生できますように。

そして『死にたい』と思わなくていい日が
彼女に訪れますように。


でもまずは、被害者のケガが治って
心の傷が少しでも早く癒えますように。


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力尽きたからきょうはこれで終わり。

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