読書

【能動的三分間#4】読書という荒野

【能動的三分間】4回目は見城徹の「読書という荒野」です。

皆さんはNewsPicksというサービスをご存知でしょうか。様々なニュースに対してプロ、アマの「ピッカー」と呼ばれる人たちが発信している意見をニュースと併せて見ることができるニュースアプリです。

ひとつのニュースに対して専門家や著名人、一般人の様々な捉え方を知ることができる素晴らしいサービスです。

そのNewsPicksが「新時代の必読書」として月に1回発刊しているNewsPicks Bookの作品の一つです。見城徹さんは幻冬社の代表取締役です。NewsPicks Bookの本はいくつか読んだのですが、どれもハズレがありません。おすすめです。

この本の「肝」は「はじめに」にまざまざと書かれています。

”人間と動物を分けるものは何か。それは「言葉を持っている」という点に尽きる。・・・言葉を持たない人間は、たとえ人の形をしていても、動物と何ら変わりはないと僕は考える。赤ん坊は言葉を持たない。だから赤ん坊には人生や世界がない。人間を人間たらしめるのは言葉だ。では、人間としての言葉を獲得するにはどうすればいいのか。それは「読書」をすることに他ならない。”

赤ん坊は人間ではない、と言い切ってしまうほど言葉が人間の全てだと言う考えです。長年編集者として言葉を扱う仕事をされているからこそ辿り着く境地なのでしょう。

サラリーマンである自分の生活に置き換えてみると、言葉は武器です。ある事柄を人に伝える際に、言葉の選び方次第で結果は全く異なります。

人は外見が9割とかよく言いますが、それは浅い考えだと思います。ほとんどの人があるコミュニティに属して生きている以上、その人の評価はその人が発する言葉で決まると思います。

コミュニケーション能力が高い、低いというのは色々な評価軸があると思いますが(よく喋る、流行りに敏感、ネタが豊富など)、その人の「深み」はその人が発する言葉である程度分かるというのが私自身の経験則です。私のような若輩者が偉そうに言えたことではないですが、見城さんが言うと説得力があります。

”先日会食した某企業の社長も、会話の内容からまったく本を読んできていないことがわかった。彼は一時期、独創的な広告戦略で自社の商品ブームを起こした。しかし、読書によって鍛えられた正確な言葉で考え抜かれていない広告戦略を旧態依然と繰り返した結果、いまや苦境に喘いでいる。当たったのはたまたまだったのだ。”

本を読むと自分の知らない「他人の」言葉、考えに触れることができます。それは「自分の」世界が広がることを意味する。自分の世界が狭い人は会話ですぐにバレてしまう。見城さんはそう言いたいのではないでしょうか。私自身、戒めになる内容でした。

”本を読めば、自分の人生が生ぬるく感じるほど、過酷な環境で戦う登場人物に出会える。そのなかで我が身を振り返り、きちんと自己検証、自己嫌悪、自己否定を繰り返すことができる。読書を通じ、情けない自分と向き合ってこそ、現実世界で戦う自己を確立できるのだ。”

本の購入費に充てます。薄給なのでサポートいただけると大変助かります。本で得た知見を皆様に還元できればと思います。