アトリエ・カプリス

大阪でグラフィックデザインのチームを運営しています。「デザイン図解」という分野を立ち上…

アトリエ・カプリス

大阪でグラフィックデザインのチームを運営しています。「デザイン図解」という分野を立ち上げて、さまざまなコンサル活動や教育活動を行ってます。神戸芸術工科大学・国立明石高専非常勤講師。ワークショップデザイナー(大阪大学2期)。

マガジン

  • グラフィック・ストラクチャー

    デザイン図解式の「書いて、考える」技術。自分のアタマの整理やノート術、また会議やワークショップの可視化技術として、さまざまなノウハウを公開していきます。

最近の記事

オンライン授業「造形2回目」

 国立明石高専「造形」のオンライン授業は今日で2回目です。
  今回は「いかす」というテーマで、「今、ここにあるもの」を利用した造形作品を作ってもらいました。考えてみるとこのコロナの状況下で、いろいろ制限のある生活を強いられる中、「状況をいかす」デザイン力はとても大切ですね。  

まずはウォーミングアップでチャット機能を使った「自分の自画像」を絵文字で作ることに挑戦です。今の15〜16歳の学生は絵文字というとスタンプのようなものになるので、こういったガラケー時代の絵文字

    • 「お客さんの話は聞くな」 〜あるデザイナー師匠のおしえ〜

      「お客さんの話はまともに聞くな」-- ボクのデザインの“師匠”の一言です。そのコトバの衝撃は、30年たった今でも忘れません。記憶しているというよりは、身に染みてるといった方がいいかもしれませんね。下積みデザイナーで当時20歳そこそこだったボクにも、多少なりとも世の常識というものを持ち合わせているつもりでしたから、なんて身勝手なコトバなんだろうと思っていました。 でもデザインの仕事を長く続けていると、徐々にその真意がわかってきたような気がします。 まず一番ダメなのが「聞い

      • 事例(4)広がるケンケンガクガクの、究極の収束化

        「マニュアル化時代」などと言われてずいぶん久しくなりますが、昨今はなかなかそうも言ってられず、職務対応がケース・バイ・ケースになりマニュアル自体作りにくくなっています。 そこで問題となっているのが「ノウハウの伝承」なのですが、 職務に不慣れな人は、想定外のケースに戸惑い、 職務に慣れた人は、後輩がいちいち指示を仰ぎにくることに不合理を感じます。 そこである一定数の暗黙知をサンプリングし、それぞれの事由に共通する「法則性」を見いだし、抽象化、最大公約数化する、 「思考やオペ

        • 【事例(3)】:演じてみて、描いてみて、商品開発

          商品企画や製品開発でも「グラスト」を活用いただいています。 近年、商品開発の「考えドコロ」が変わってきています。消費者心理の研究も多方面で進んできましたが、今のように市場が成熟化してくると「買いたいものが分からない」「買った理由がわからない」などと、人のニーズは言語化されずに潜在下に眠った状態になっています。 商品企画、製品開発がはじまるのはまさに暗中模索の状態からです。「モノ」としてのデザイン、つまり素材やカタチ、大きさ、機能などの設計以前にその商品の「意味」から再構築

        オンライン授業「造形2回目」

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        • グラフィック・ストラクチャー
          6本

        記事

          【事例(2)】グラフィックで、ビジネスモデルづくり。

          2つ目の事例は、ビジネスモデルづくりです。 さまざまな企業や各種団体の、新規ビジネス立ち上げや新サービスの企画に、グラフィック・ストラクチャーを活用いただいている例です。 シークレット性が高いものが多いので具体的な事例は差し控えさせていただきますが、経営者や担当者が集まるプロジェクトに参入させてもらいながら進めています。 最近のビジネスの傾向として肌で実感することは、消費者ニーズが「潜在的な社会不安」を背景にしているケースが多いので、きわめて「収益・利益」が作りにくく一

          【事例(2)】グラフィックで、ビジネスモデルづくり。

          【事例(1)】専門家の知識と、生活者の生の声をグラストで編む。

          グラフィック・ストラクチャーの活用事例として一つ、「ぎんのライフマガジン」という広報誌の制作プロセスを紹介させてください。 「人生100年時代」とか「超高齢社会」といわれるこれからの時代を、いかに楽しく、自分らしく生きていくかという生活提案誌なのですが、この制作(編集)プロセスがじつにユニーク。 発行者は豊富な実務経験をもつ民間の介護事業者、いわばプロ中のプロですが、この編集プロセスにまったく介護知識のない「一般市民の方」に入ってもらい、「勉強会」を兼ねた公開型・参加型の

          【事例(1)】専門家の知識と、生活者の生の声をグラストで編む。

          頭の中が“もやもや”したら、デザイン図解

          アトリエ・カプリスは2008年12月にスタートしました。 アトリエ・カプリスという名前はもともと個人活動のときから使っていましたが、独立をきっかけに、よりビジネス色の濃い「デザイン図解」というカテゴリーを立ちあげました。 その言葉がいろんな人の、いろんな解釈を生んだのでしょうか。 当初は思ってもみなかった相談がたくさん寄せられます。 分野をこえた多種多様な相談を受けていると、どうやら共通して望まれているのが「考えかたのデザイン」というものなのかもしれません。 どういうこと

          頭の中が“もやもや”したら、デザイン図解

          デザイン図解式「書いて考える」ことのススメ 〜グラフィック・ストラクチャー

          「岩田さん、その可視化の技術をぜひ言語化してください。」 「“グラレコ”とどう違うんですか?」 「カプリスさんはなぜ“ファシグラ”をやらないんですか?」  ここ数年ほんとうによく質問されます。そのたびにボクはなんとなく言葉を濁してきましたし、あまりちゃんと考えようともしませんでした。しかしこのたび、あるお仕事の機会をいただき、ついにそこから逃れられなくなりました。自分たちの技術の言語化。うまく説明できるかどうか分かりませんが、せっかくですのでノウハウも含めて公開していこうと

          デザイン図解式「書いて考える」ことのススメ 〜グラフィック・ストラクチャー