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事例(4)広がるケンケンガクガクの、究極の収束化

「マニュアル化時代」などと言われてずいぶん久しくなりますが、昨今はなかなかそうも言ってられず、職務対応がケース・バイ・ケースになりマニュアル自体作りにくくなっています。

そこで問題となっているのが「ノウハウの伝承」なのですが、
職務に不慣れな人は、想定外のケースに戸惑い、
職務に慣れた人は、後輩がいちいち指示を仰ぎにくることに不合理を感じます。

そこである一定数の暗黙知をサンプリングし、それぞれの事由に共通する「法則性」を見いだし、抽象化、最大公約数化する、
「思考やオペレーションの“モデル化”」が効果的です。組織の構成員は、そのモデル図をよりどころとして職務を遂行します。

多様かつ複雑な暗黙知を集め、それらを言語化・構造化し、意味づけしながら、いかに普遍的に収斂し、それをいかに記号化レベルまで洗練させるかがポイントになります。

しかし、いかんせん完成したものが「きわめてシンプルな図」になるため、その文脈をしっかりみんなで共有しておかなければうまく組織にモデル図の真意が浸透していきません。

そこでこの編集プロセスに、グラフィック・ストラクチャーを活用します。

ここで紹介する事例はかなり特殊なケース。組織を構成する人が、すべて「スペシャリスト」である事例です。それぞれの専門分野、それぞれの専門知識があるゆえに、それぞれが「自分なりのベクトル」を持っている。個々の視点で見るとそれは大いに推奨されるべきことですが、組織として考えたときそれらを串刺しにするブランド軸が打ち出しにくいこと、またそれぞれ横の連携が取りにくくなるというデメリットが生じます。

大阪大学様からのご依頼はまさにそこを解消するモデル図づくりです。ざっと3,000人以上の教員(研究者)、15,000人以上の学生数というスケールは、理念やビジョンの浸透や方向付けがなかなか一筋縄にはいきません。

しかしこのスケールメリットを最大限にするため、全ての研究と、大学の理念を串刺しにする「いのちの構想モデル」を作り、
内外に広く発信し、戦略や社会との連携のよりどころとすることを目的にしています。

度重なる議論をグラフィック化し、時間をかけてシンプルに収斂していきました。

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