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世界をもっと過大評価したい!「デザインのとびら」オンラインワークショップ

こんにちは!子どもたちの未来のための、デザイン思考を活用したワークショップ「デザインのとびら」の東郷です。

COVID-19の影響により1都7県には緊急事態宣言が出され、外出の自粛要請もあり、大変な日々ですね。こんな中、私たちとしても何か世の中の役に立てないかと考え、これまで私たちが開催してきたのものとは違うアプローチの新しいワークショップを企画し、先週の4/4(土)に実施しました。このnoteでは、その新しいワークショップの内容と裏側についてみなさんに共有したいと思います。

「オンライン×アウトドア」ワークショップ

私たちは普段、デザインの考え方をベースに、課題解決型のデザインワークショップを親子に向けて提供しています。しかし今の緊急事態では、屋内で行う集合型のワークショップを開催するのは残念ながら難しくなってしまいました。

一方子どもたちは、COVID-19対策の休校で、長い時間家で過ごすことを強いられてしまっています。彼らに対して、私たちはこれまでの「デザインのとびら」のワークショップではない、別の形で価値を提供できないか、と考え今回のイベントを企画しました。

まず、密室を避けるため「散歩の一環で実現できる屋外でのワークであること」。
そして、密集を避けるため「オンラインでの開催であること」。
この2点を基本条件として設定するという、「オンライン×アウトドア」のハイブリッドなワークショップです。

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内容は、植物の観察を通して、

1. 「見えている」と「見ている」の違いを感じる
2. 見えない部分を想像してみることの楽しさを感じる

という二つの体験を、参加してくれる親子に楽しんでもらうことです。

1. 「見えている」と「見ている」の
 違いを感じる

私たちは、日常の風景を普段どれだけ「見ている」でしょうか?
「見ている」と思っていた風景も、実は大半は「見えている」だけで、「見ている」わけではありません。

たとえば、道ばたにある街路樹や植え込み。普段はきっと、ただ単に「緑が茂っている」としか見えていないのではないでしょうか。でも実は、よく見てみると、思っていた以上に色んな種類の木や草花が生えていたり、それぞれで高さ、形、色が全く異なり、観察すればするほど不思議でおもしろい発見だらけだということに気づけます。

一度その視点を手に入れてしまうと、植物に限らず、自分のいる世界はあまりにも驚きに溢れていると気づけるし、どんどん興味が湧いてきます。エンターテイメントとして作られたコンテンツじゃなくても、もう何に触れても面白さを見いだせるようになる。まず一つ知ってほしかったのはそんな視点です。

ワークショップではそれを体感してもらうため、まず近所の公園や道から、気に入った植物を採集してきてもらいます。

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2. 見えない部分を想像してみることの
 楽しさを感じる

実際に植物をよく見てみることで得られた発見を元に、今度は見えない部分を想像をしていきます。

たとえば、どの植物もそれぞれ個性的な形なのは、きっとその植物ならではの生態があり、背景があるからです。では、実際に採集してきた植物の姿には、どんな意味があるのでしょうか?もちろん大切なのは「正解」を出すことではありません。そもそも、私たちも植物のプロではないので正解は知りません。参加者たちに期待しているのは「正解」よりも、自由な「想像」です。

ワークショップでは、観察を通して得られた発見から、植物の生態を参加者が自由気ままに想像していきます。仕上げに名前さえも新しくつけてみると、見えないものを自由に想像する楽しさに気づくことができるんです。

与えられる楽しみが限られているこんな状況だからこそ、自ら楽しみを見つけられる。二つ目に知ってほしいと思ったのはそんな体験でした。

どんなワークショップだったのか

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「観察 to 想像」ワークショップの流れはこのように進みます。
① Zoom上で簡単な流れの説明後、それぞれ外に出て近所で気に入った植物をいくつか採集してくる
② 帰宅後、Zoomに再集合し植物を一つ選んでさらにじっくり観察する
③ 観察したことをもとに、その植物の原産地や花の形、他の生物との関わり方を想像し、オリジナルで新しい名前をつける
④ 成果を互いに発表し合う
子どもはもちろん、親御さんにも同じワークをしてもらいました。

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上の図のように、視点を徐々にフォーカスしていき、見えるものの解像度がどんどん上がっていくような体験をイメージしています。

ツルレスラー、ながくん、
ハートキャッチン、・・・

実際に採集、観察、想像をしてもらった結果、2時間半のワークショップで、「ツルレスラー」、「ながくん」、「ハートキャッチン」、「ムラサッキ」、「ナメカワミツメソウ」などなどの植物が参加者の皆さんの想像から生み出されました。

1枚の葉っぱからここまで展開できるのか…と、私たちもびっくりするほどの想像力を発揮してくれた参加者もいました。今回はその中から一例を紹介します。

▽ こちらが最初に書く観察シート

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▽ 次に、観察したことをもとに想像してみる想像シート

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ツルが絡み合ってるのは栄養を奪い合っているからだという「ツルレスラー」。もう観察to想像のプロです。

▽ ワーク後はこんなふうにファイリングすると、オリジナルの図鑑の完成!

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参加者してくれた親子の声

良かったところとしては、参加してくれた子どもたちから、「ほかの子の発表を聞くのがおもしろかった」、「自分で自由に想像を膨らませるのがおもしろかった!」といった声を聞けたり、親御さんたちからは、「考えるトレーニングになる」、「(息子は)普段自由に考えたことを発表する機会があまりないから、想像したことを人に話せるのが楽しいみたい」といったポジティブな声をいただけたことです。

世界を、過大評価する

こんなふうに、すっかり見慣れてしまったり、ありふれた景色であっても不思議さやおもしろさを見いだし、見えない部分にもイマジネーションを働かせることができたらどうでしょう?

大人も子どももストレスフルな毎日かもしれないけれど、少しは世界の見え方が変わるし、前向きにもなれるんじゃないかと思います。
そのような姿勢で日常を眼差すことを、私たちは「世界を、過大評価する」と言っています。

日常は凝り固まったつまらないものじゃなくて、もっと驚きや発見にあふれているはず、とよく見つめ想像をとことん働かせることで、本当に不思議でおもしろい世界が広がっていきます。「凝り固まってつまらない」と思うのは、むしろ世界をそんなふうに過小評価してしまっている「捉え方」の問題かもしれません。

うん、もっとみんな、騙されたと思って「世界を、過大評価」してみてほしい。

WORK BOOK公開 &
次回イベントのお知らせ!

せっかくなのでこのワークショップを全国の方にやってもらえるようにするため、使用したワークシートとワークの進め方を解説した「WORK BOOK」を無料公開することにしました。

誰でも楽しめる内容なので、ぜひ印刷して近所への散歩がてら植物を採集し、「観察 to 想像」してみてください。あなたの家の周りにだって、未知の植物がたくさんあるはずです。成果報告は、 #デザインのとびら #観察to想像 のハッシュタグをつけてInstagramに投稿していってもらうと、Instagram上にみんなの想像図鑑が作られていきます!

▽ 「WORK BOOK」はこの画像をクリックした先のGoogleドライブからダウンロードできます!

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さらに、第2、3、4回も開催することにしました!こちらも親子でのご参加お待ちしております。もちろん、オンラインなので全国どこからでも参加できます!

「観察 to 想像」
自然を観察して、生態を想像してみよう!
4/18(土)、4/29(水・祝)、5/9(土)
全日程 13:00-16:00 

▽ お申し込みはこちらから
Peatix申込みページへ

それではみなさま、心配事も多い毎日ですが、ストレスをためず、ソーシャルディスタンスを守ってお過ごしください。

\ ワークショップの様子を発信しています /
https://www.instagram.com/design_tobira/
Text by 東郷りん  Edit by 儘田大地
デザインのとびら

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