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五感をほぐすデイリーワーク「かんかくストレッチ」by デザインのとびら

お久しぶりです!デザインの考え方やモノの見方を伝え、多くの人に創造性への自信をつけてもらうために活動するチーム「デザインのとびら」東郷です。

前回の投稿から、だいぶ長い時間が空いてしまいました。約3年の間、私たちは活動を休止していたわけではなく、新しいワークの開発や学校の方々との連携を行っていました!これからまた、記事を書いていきたいと思います。

2月には東京大学が新課程として文系理系の区別がない「カレッジ・オブ・デザイン」を2027年に新設することを発表したり、

2023年度には「テクノロジー×デザインで人間の未来を変える学校」をコンセプトとした「神山まるごと高専」が開校されたりと、

神山まるごと高専のカリキュラム構想を図式化した「神山サークル」

デザインの概念が日本の教育現場における核としてどんどん浸透していることがうかがえます。わたしたちもその一端を担えるよう、邁進していければと思っています。


高校との伴走によるワークの開発

さて、デザインのとびらは2020年度から聖学院高等学校に新設されたグローバルイノベーションクラス(通称GIC)で行われている授業の1つである「STEAM」※の授業の監修・年間を通した伴走を行わせていただいています。

※STEAMとは、「科学」「技術」「工学」「芸術」「数学」の5つの頭文字を組み合わせたもので、情報の抽出・分類・比較するスキルや、課題発見・解決に向けた創造・表現のスキルを育てる教育プログラムです。

GICのみなさんに向けて、設立の初年度から開発を始め、ブラッシュアップを重ねてきたワークとして「かんかくストレッチ」というシリーズがあります。3年間のうちに種類も増え、ワークに使うシートの完成度も高まってきたので、今回の投稿から何回かに分けて、この「かんかくストレッチ」についてご紹介したいと思います。

日常的に身の回りのものごとへの観察を促すには?

「かんかくストレッチ」のコンセプトは「五感をひらき、ほぐすためのプログラム」。クオリティの高い成果物を作ることや、他者とのコラボレーションスキルを高めるような、何かの答えを出したり、すぐに世の中に役立つ方程式のようなスキルを高めることを目的としたワークではありません。

他の授業で行うような、ICTデバイスを使った作品制作や、課題発見・解決のためのプロジェクト活動をする際に最大限の力を発揮できるよう、準備体操的な位置づけとして取り組んでもらっています。

このワークでは、毎日当たり前になんとなく過ごしている世界を、普段とは違う角度や側面でじっくり観察し、疑い、気づき、表現してみる練習をします。各自が日常生活のなかで写真を撮ったり、身の回りの音を録音したりしてくるデイリーワークと、授業内でデザとびメンバーと一緒に行うワークで構成されていて、期間としては2週間〜1ヶ月程度かけて行うプログラムです。かんかくストレッチのポイントは、このデイリーワークにあります。

多くの、世の中でクリエイティブとされている人たちは、プロジェクトや作品制作にあたるときだけでなく、日常的に周囲のできごとを面白がって観ていて、感動したものや気になったものをストックしていることがほとんど。こういった、目の前に特定の目的がなくても、普段の生活のなかで、他の人は気にもとめないような些細なことをじっくり観察し、気付きを得てみることをGICのみんなにも実践してみてもらうことができないかと考えていました。(ここでの観察とは、視覚による知覚だけでなく聴覚などすべての感覚を使ってものごとを認識することを指します)

ただ、日常的に五感を研ぎ澄ましてみてね!と言っても、部活に勉強にプライベートに忙しい高校生、意識だけではなかなか続かないもの。そこで、例えば、博報堂出身のクリエイティブディレクターで、同社のフェローも務められていた福田敏也さんは、日常で気付いた発見やアイデアを自分宛にメールをするようにしている、と著書のなかで書かれていました。たとえば、英語学習においても、毎日一文でも、耳で聞くだけではなく口に出すようにしていたら、記憶にも定着しやすくなるし、とっさに出てきやすくなると思います。

このように、なにか簡単にでもアウトプットをしてもらう形がいいと思い、デイリーワークを含む「かんかくストレッチ」を聖学院さんに提案してみたところ、ぜひ!と授業に取り入れていただいた、というのがもともとの始まりでした。

これまで作った「かんかくストレッチ」シリーズ

かんかくストレッチはワークごとに五感のうちどれか一つに焦点を絞ってワークを構成しています。それぞれのワークで、自分はどの感覚をほぐしているのか、意識的になってもらうことを狙っています。(ストレッチや筋トレでもどこの部分を今刺激しているのか意識したほうが効果的ですよね)

  • 色のかんかくストレッチ(視覚)

  • 音のかんかくストレッチ(聴覚)

  • においのかんかくストレッチ(嗅覚)

  • [番外編] 形のかんかくストレッチ(触覚)

と、ここまで色々と書いてきましたが、具体的な例がないとどういうものなのかイメージもつきにくいと思います。次回はまず、一番始めに開発した「色のかんかくストレッチ」から紹介していきたいと思います。使用しているワークシートも合わせて公開する予定ですので、教室やご家庭でも実践してもらえるといいなと思っています。

それでは、久しぶりの投稿も読んでいただきありがとうございました!

\ Instagramで活動の様子を発信しています!/
https://www.instagram.com/design_tobira/

writer: 東郷 りん editor: イトカン、儘田 大地

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